▲ 2015年09月03日の米国ウェザー・ネットワーク Four raging tropical storms all at the same time より。
8月30日に、太平洋上で、「ほぼ同時に4つの熱帯低気圧が発生」して、それらがすべてハリケーンに発達するという異例の事態となっています。
これまで、同時に2つのハリケーンが発生したことはありましたが、3つ以上のハリケーンの発生はなかったとのこと。
しかも、それらの勢力は、アメリカの分類で「カテゴリー4」(上から2番目)という大変に強い勢力で、今までの観測史上でも、この規模のハリケーンが同時に3つ以上発生したことなどなく、気象関係者から驚嘆の意見が伝えられています。
ハリケーンの名前は、冒頭の地図では、左から「キロ( Kilo / 台風17号)」「イグナシオ( Ignacio )」「ヒメナ( Jimena )」「ケビン( Kevin )」です。
地球規模の地図で見ますと、下のような配置となると思います。
・Mark Tarello
上のうちの「ヒメカ」を衛星から撮影したのが下の写真です。
近影すると、かなり迫力があることがわかります。
・Kjell Lindgren
この異例ともいえる現象の原因としては、ナショナルジオグラフィックの記事では、エルニーニョ現象のせいということと同時に、太平洋の大気の状態が、「嵐を生み出す細い大気の帯から、複数の渦が同時に生まれる傾向になっている」とのアメリカ海洋大気庁( NOAA )のコメントを載せています。
また、太平洋は全体的に海水温が異常に高いままですので、そういうことも関係しているのかもしれませんが、いずれにしても、2つを越えて同時に発生したことのなかったハリケーンが、3つを飛び越えて、史上初の「4つ同時に」というのは、何だか示唆的な夏の終わりです。