▲ 2015年09月24日の中国人民網より。
台湾で、蚊が媒介するデング熱が過去最大の流行となっています。
ここ最近、世界では爆発的にデング熱の流行が拡大していて、昨年は、マレーシアで、平年の4倍の患者数が出て、緊急事態となったりしていました。
2014年2月のマレーシアのメディア
・Channel News Asia
デング熱は、致死率は高くないのですが、その「症状」が激しいのです。
例えば、In Deep の「病気の時代…」という記事で、インドを旅行している際に、デング熱に感染した日本人の方の文章をご紹介したことがあります。
デング熱の恐怖 緊急処置 より
痛みはだんだん増してきた。歯が痛み、頭が痛み、肘、膝、骨、背中、皮膚の腫れぼったい痛みと痒み。
全てが同時に襲いかかってくる。
デング熱の別名は、「Break Bone Fever」。その名の通り、骨が折れるような痛みが続くのだ。出血熱になるとなおさら強まる。
右腕がだんだん真紫に変色していき、そのエリアがどんどんひろがっていくのだ。
紫色への変色原因は、血圧計だった。毎朝、血圧が測定される。血圧計の圧迫だけで、腕の毛細血管や筋肉組織がことごとく切れてしまっていたのだ。
なかなかすごい症状だと思いませんか。
これが台湾で爆発的に増えている。
下の BBC 中国の記事のように、現在の台湾では、
1日 600人の患者が発生
したりしているようなのです。
・ BBC 中国
特に、台湾南部は大変なことになっているようで、新華社によれば、台南市では、増え続けるデング熱患者に、病床が不足してきているようで、台南市の病院では、緊急以外の入院患者の引き受けを一時停止するという事態になっています。
デング熱の流行地域は拡大する一方ですが、日本も射程圏に入ってきています。
冒頭の報道の内容の概要をご紹介します。
台湾今年入夏以来42人死于登革热 是去年1.5倍
人民網 2015.09.24
今年に入り、台湾で42人がデング熱により死亡。これは昨年の1.5倍にあたる
9月24日の台湾「中国時報」によると、台湾で、17人がデング熱で新たに死亡したことを受けて、今年の夏の台湾のデング熱の死者数が 42人に上ることを報告した。
これは、昨年の台湾の死亡者数の 28人から大幅に上昇し、過去最悪となった。
死亡するのは、高齢者や、慢性疾患を持つ人々に多い。
患者数も、今年はすでに 1万5282人に達しており、統計が取られて以来最悪だ。
感染者は台湾南部に集中しており、台南市で 9,796人、高雄市で 1,265人などとなっている。
台湾のデング熱の統計は 2002年に始まった。
台湾でのデング熱の死亡率は 0.1%〜 0.8%となっている。
台湾当局は、この流行を「新しい流行の始まり」と見ており、現在なお新しい感染者が次々と出ている中で、警戒感を募らせている。