2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2015年10月19日


強靱なエボラウイルス : 回復後9ヶ月目の元患者の男性たちの精液の中で「まだエボラウイルスが残存している」ことが確認される



ebola-9month-top.gif

▲ 2015年10月15日の世界保健機構( WHO )ニュース Ebola virus fragments can persist in the semen of some survivors for at least 9 months より。



やはりエボラは並みのウイルスではなかった

西アフリカのエボラ出血熱は、5月にリベリアで収束宣言が出される(報道)など、沈静化した感じがしていたのですが、最近になって、いくつかのエボラに関しての報道を目にしました。


それは、以下の3つくらいのものなのですが、ひとつは冒頭の WHO が発表した、


1. エボラから回復して9ヶ月経過した生存者の男性たちの精液からエボラウイルスが検出された


というもの。

つまり、西アフリカでエボラに感染して回復した多くの男性たちは、いまだに「保菌者」である可能性が高いということで、今もなお「性感染」に結びつく可能性が高いということが言えるようなのです。

およそどんな病気のウイルスで、普通なら感染から回復した場合、数日から数週間などすれば、体内からウイルスは消失するものですが、エボラウイルスは、少なくとも9ヶ月、あるいはそれ以上の期間、回復者の体内で生き続けている可能性があるというもので、このウイルスの強靱な部分を見せつけてくれます。

そして、あとのふたつは、


2. ギニアで新たなエボラ患者が発生し、いまだに感染拡大が続いていることが判明

3. 今年1月にエボラに感染した後、回復した英国人女性が9ヶ月の今、ふたたび状態が悪化し、危篤に陥っている


というものです。

回復から数か月経って、また重体に陥るというのは、1度エボラに感染した場合、「治ればOK」というものでもなく、かなり長くリスクを伴うという意味もあるのかもしれません。

エボラウイルスが並みのウイルスではない部分を感じさせるところです。

上の3つに関しての報道を、それぞれご紹介します。


Sponsored Link






最近のエボラウイルスに関してのいくつかの報道


体内に長く残り続けるエボラウイルス


エボラウィルス、精液に残存 回復男性の5割 WHO
朝日新聞デジタル 2015.10.16

エボラ出血熱のウイルスが、回復した男性の精液に数カ月以上にわたって残存していたことが14日、明らかになった。世界保健機関(WHO)などの研究グループが米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンで報告した。

研究グループは、西アフリカのシエラレオネでエボラ出血熱に感染し、回復した男性93人が提供した精液を分析。49%に当たる46人の精液から、エボラ出血熱のウイルスの遺伝子が確認されたという。

このうち、発症から2、3カ月後の9人の精液からはすべてウイルスの遺伝子を検出。発症後4〜6カ月たった40人の場合では65%、発症後7〜9カ月の男性43人でも、26%でウイルスの遺伝子が検出された。




エボラの感染拡大はいまだに続いている


UN: 2 New Ebola Cases in Guinea Show Virus Still Spreading
abc news 2015.10.16

国連:ギニアで新たに、2名のエボラ患者が発生し、ウイルスの拡大はいまだに続いていると国連が発表

世界保健機関( WHO )は、2名の新しなエボラ患者が西アフリカのギニアで確認された。

この2人の新しく同定された患者は、当局によってマークされていなかったということは、エボラに対しての監視が完全ではないことを示唆している。WHO のスポークスマンは、最近、エボラの拡大は小康状態を保っていたが、今後新たな感染が拡大する可能性があると述べている。

現在までに、エボラにより西アフリカで 11,000以上の人々が亡くなっている。




快復後9ヶ月目に危機的容体に陥った元患者


エボラウイルス潜伏?英人女性「危機的な容体」
読売新聞 2015.10.15

ロンドンのロイヤル・フリー病院は14日、エボラ出血熱の治療を受け、今年1月に退院した英国人女性の体調が再び悪化し、「危機的な容体にある」と発表した。

女性は隔離病棟に入院している。英BBC放送によると、ウイルスが体内に潜伏していた可能性があるという。

女性は英スコットランドの看護師、ポーリーン・カファキーさん(39)。

西アフリカのシエラレオネで昨年、エボラ患者の治療支援にあたり、帰国後の昨年12月、英国内で初のエボラ患者と診断された。同病院で治療を受け、1月に完全に回復したとして退院したが、今月に入って再び体調が悪化し、9日に同病院に搬送された。

米CNNによると、英保健当局は、カファキーさんの体調悪化後、接触のあった58人を確認。うち40人にはワクチンが提供されたという。



Sponsored link





人気ブログランキングに登録しました。よろしければクリックして下さると幸いです。