305頭の死亡したクジラと、32頭の白骨化したクジラの死体が航空機により発見される
▲ 2015年11月19日のチリ El diario de Aysen より。
チリ南部のペナス湾という場所で、337頭のクジラが死亡して発見されるという、非常に大きな大量死が、チリの科学者により報告されています。
同一地区でのクジラの大量死の数としては、記録の上では史上最大のはずで、科学者たちが原因解明に動き出しているようです。
なお、337頭の死体が発見されたのは、今年の 6月23日で、科学者たちが現地を航空機で調査していて見つかったものだそうで、発表が 11月17日だったということのようです。発表が遅れた理由については明らかにされていません。
航空機から撮影された写真の1枚
・337 Whales Beached in Largest Stranding Ever
このペナス湾では、今年5月、やはり、20頭以上の大規模なクジラの大量死が起きましたが、今回の科学者たちの報告は、その規模をはるかに上回る大量死が進行していたことを示します。
下は当時の AFP の記事からです。
チリ南部の浜辺に20頭以上のクジラの死骸
AFP 2015/05/09
チリ海洋当局者は5月8日、同国南部のペナス湾で20頭以上のクジラの死骸が見つかったと発表した。クジラが死んだ原因については現在、調査中だという。
チリ水産庁の関係者によると、ペナス湾北部で体長10メートルほどのクジラの死骸が浜辺に打ち上げらているのが見つかった。死骸はイワシクジラと確認されている。イワシクジラは20世紀半ばの乱獲により個体数が激減し、現在は国際的に保護されている。
死骸は周辺地域で調査を行っていた外国人の科学者らによって発見された。しかし、悪天候のため、死んだクジラの正確な頭数やいつ死んだのかなどについては今のところ確認できていない。
今回、クジラが発見されたペナス湾のプエルト・ナタレスというのは、下の位置にあるような、かなり内陸部に入り込んだ海域です。
・Google Map
何が起きたのかは推測するのも難しいですが、理由はともかく、今年の6月にこんな大規模な大量死が起きていたということになるようです。
冒頭のチリの報道からご紹介します。
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Fiscalía investiga varamiento de más de 300 ballenas entre el Golfo de Penas y Puerto Natales
El diario de Aysen 2015/11/19
調査官は、チリのペナス湾とプエルト・ナタレスの間で見つかった300頭以上のクジラの座礁について調査している
11月17日、科学者たちによるグループは、チリ国立水産養殖所のウェブサイト上に、アイセン地区とマガリャネス地区の海岸での重大な発見について報告した。
それによると、同地区で、337頭のクジラが座礁して死亡していたのだという。
(※ 発見そのものは、同地区を飛行調査した6月になされたが、発表されたのは 11月17日だった)
現在、科学者たちは、この原因を解明するために、調査プロセスを開始している。
報告によれば、2015年6月23日、科学者たちが航空機による調査をおこなっていたところ、ペナス湾のプエルト・ナタレスの海岸を中心に、305体の座礁したクジラと 32頭の白骨化したクジラの総計 337頭を確認した。
この地域では、それ以前に、30頭のクジラが座礁したことがあったが、調査官たちは、その以前の座礁と今回の出来事が関係があるかどうかを調べている。
何が起きたのかを決定するために、同地区への科学者の派遣も検討されている。