・Hamilton Spectator
アフリカのマダガスカルでペストが流行しており、昨年の夏からの流行により、これまでに 63名が死亡したことが伝えられています。
マダガスカルとは、下の場所にあるインド洋に浮かぶ国家です。
・Google Map
このマダガスカルでは、近年たびたび、人のペスト発生に見舞われていて、2014年にも大きな流行がありました。
発生しているのはペストのうちの「腺ペスト」というもので、基本的にはネズミ、あるいはノミなどが媒介するものなのですが、なぜ、マダガスカルで集中的にペストが人に発生してしまうのかというと、簡単にいうと「衛生環境の問題」のようなんですね。
たとえば、マダガスカルの首都アンタナナリボの風景は、パッと見ますと、下のように素朴でのどかな都市の風景に見えます。
マダガスカルの首都アンタナナリボ
・Antananarivo
しかし、この街は、ゴミの処理能力の限界を超えているようで、たとえば下のような光景があちこちにあるようです。
こちらもマダガスカルの首都アンタナナリボ
・flickriver.com
また、ゴミ捨て場から物品を拾って生活している人も多いらしく、ノミとネズミの温床である可能性の高い場所に、恒常的に多数の人々が集っているというようなこともペストの蔓延につながっているのかもしれません。
こちらもアンタナナリボ
・deismadagascar.wordpress.com
今の時代は、いろいろな病気が多くの国で問題を起こしていますが、ペストもまた、拡大が続けば、大きな問題となり得るものなのかもしれません。
ブルームバーグの記事からご紹介します。
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Plague Outbreak in Madagascar Leaves 63 People Dead Since August
Bloomberg 2016/01/07
マダガスカルで発生したペストは8月以来、63人の死者を出している
インド洋のマダガスカルで、腺ペストの最近の流行により、8月以来 63人が死亡していることをマダガスカル保健省が発表した。
1月7日の時点で、少なくとも 174例のペストの症例が検出されたと保健省の疾病監視局の代表は首都アンタナナリボで声明を出した。
マダガスカル当局は、現在の流行について、昨年9月に WHO (世界保健機構)に通知した。
WHO によると、2014年に始まり、2015年初頭まで続いたペストの流行では、少なくとも 335例が報告され、79人が死亡したという。
ペスト菌は、ネズミなどのげっ歯類、あるいはペスト菌に感染したノミによって広められると WHO は言う。
このマダガスカルでのペストの蔓延を抑制するための努力は、首都アンタナナリボに蓄積され続けるゴミの山によって妨げられている。
ここには、マダガスカルの自治体の間での紛争の問題があり、また、それぞれの市のゴミへの対応能力が、実際の廃棄物に対しての処理容量能力に及んでいないことも関係している。