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2016年01月14日


アラスカで「空前の規模の海鳥ウミガラスの大量死」が起きていることが発覚



2016年01月12日のUSAトゥディの報道より
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Biologists Examine Big Alaska Seabird Die-Off


最近になって、アラスカ南部にあるプリンス・ウィリアム湾という湾の沿岸で、空前の規模の「海鳥の大量死」が見つかりました。


プリンス・ウィリアム湾の場所
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・Google Map


今回見つかったのはウミガラスという、北米では一般的な海鳥の死体で、その数は約 8,000羽。

しかし、海鳥の大量死の場合、多くは海の上で力尽きて落ちる場合が多く、岸に打ち上げられるものはそのごく一部だと考えられ、実際には、この何倍、何十倍というウミガラスが死んでいる可能性があります。


この太平洋を囲む北米大陸の沿岸では、ちょうど1年ほど前にも、アメリカのオレゴン州で、やはり「前例のない規模」と報じられたレベルの海鳥の大量死が起きたことが思い出されます。


2015年1月24日のナショナルジオグラフィック・ニュースより
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Mass Death of Seabirds in Western U.S. Is 'Unprecedented'


このナショナルジオグラフィックの報道を含めた、当時相次いだアメリカでの鳥の大量死については、

陸地では数千万羽のニワトリが死に、海では「デッドゾーン」の中であらゆる海洋生物が死に続けるアメリカで
 In Deep 2015/05/20

という記事に書きました。

この頃、アメリカ西海岸からアラスカに至るまでの海水温度が異常に高く、それが原因のひつになっている可能性が考えられましたが、しかし、原因が解明されたわけではないです。

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・Climate Observations


今回のアラスカの海鳥の大量死も調査を進めてはいますが、何十万という単位の大量死ともなると、原因解明は難しいものなのかもしれませんが、しかし、海水温度や海流の変化を含めた「巨大な海の変化」が関係している感じが強いです。

今回は、自然科学メディアのナチュラル・ワールド・ニュースの記事をご紹介いたします。

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Seabird Die-off: 'Diving' Seabirds Found Dead in Alaska in Huge Numbers
Nature World News 2016/01/12


海鳥の大量死:アラスカで「ダイビングしたかのように」死んだ膨大な数の海鳥たちが発見される


アラスカのひとりの生物学者が、最近、アンカレッジから南に約 100キロのところにあるプリンス・ウィリアム湾の辺で海鳥の膨大な大量死と出くわした。

死んでいた鳥はウミガラスで、北米大陸に最も多く生息する海鳥のひとつだ。


ウミガラス

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・Wikipedia


それらの鳥たちは衰弱し、明らかに餓死しており、死んだ後に岸に打ち上げられたと見られる。

発見した生物学者、デビッド・アイアンズ( David Irons )氏は、あまりにも数が多いために、遠くから見た時には、最初はそれらが鳥ではなく、雪の名残か何かだと思ったほどだったという。

アイアン氏は AP 通信の取材に対して、「それは非常に恐ろしい光景でした。死んだ鳥の傍らにまだ生きている鳥が立っているのですが、それらも次第に衰弱していくのです」と語った。

これらの海鳥は、前の冬にも大量死を起こしていたが、今年のアラスカでは、その数が飛躍的に増えている。

アメリカ連邦政府機関と研究者たちは、まだその正確な数を推定していない。

この原因について、科学者たちは、鳥たちのエサとなる魚類の生態系に変化が起きているためだと考えている。

おそらくは、気候変動やエル・ニーニョ現象から生じる暖かい海水の表面温度によって、ニシンや、スケトウダラ、シシャモなどが減少している可能性がある。

アラスカには、230カ所に海鳥のコロニーがあり、約 280万羽のウミガラスが住んでいる。ウミガラスの全世界の生息数は 1300万羽から 2070万羽とされている。

今回、プリンス・ウィリアム湾では、約 8,000羽の鳥が死体で見つかったとアメリカ地質調査所アラスカ科学研究センターのジョン・ピアット( John Piatt )氏は、AP 通信に述べた。






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