2016年2月9日の報道より

・nor
蚊が媒介するジカ熱への懸念が世界中で広がっている中、ハワイで、同じ蚊が媒介するデング熱がかつてない流行を見せており、ハワイ島で非常事態宣言が出されました。
現時点までは 250人ほどの感染者だということですが、台湾やマレーシアの例を見てみましても、1度流行が拡大し始めると、行くところまで行くのがデング熱など蚊の媒介する病気ではあります。
また、デング熱を媒介する蚊の存在は、同時に、ジカ熱を媒介する蚊の存在とも重ね合わさります。デング熱とジカ熱は、基本的に同じ種類の蚊が媒介する同じ感染経路を持つウイルスだといえると思われます。
ハワイは観光大国で、世界中の人々が訪れる場所でもあり、今後が気になるところではあります。
ちなみに、今回ご紹介するアメリカの報道記事に、現地の言葉として以下の部分があります。
「デング熱は、感染した蚊によって伝染されるウイルスであり、ハワイで流行しているわけではないにも関わらず、デング熱に感染した旅行者によって断続的にハワイに入ってきた」
これはつまり、「その土地にもともとないウイルスでも、外から持ち込まれることらよって、その地で大流行する」ことを示していて、同じことがジカウイルスにいえるのだとしたら、少し厄介な話かもしれません。
ハワイ島は温暖な上にジャングルや水源も多く、蚊にはとても住みやすい場所で、根本的な蚊の駆除は無理な場所だとも思われます。
ハワイ島のジャングル

・gohawaii.com
それでは、ここから記事です。
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State Of Emergency On Hawaii's Big Island Over Dengue Fever Outbreak
npr 2016/02/09
ハワイ島がデング熱流行で非常事態宣言
ハワイ郡の市長は、蚊が媒介するデング熱の流行について、ハワイ島に非常事態を宣言した。
ハワイ島の保健当局は、2015年10月に2例の患者が報告されて以来、250人のデング熱患者が報告されているという。
市長のビリー・ケノイ( Billy Kenoi )氏は、
「デング熱は感染した蚊によって伝染されるウイルスであり、ハワイで流行しているわけではないにも関わらず、デング熱に感染した旅行者によって断続的にハワイに入ってきた」
と非常事態の宣言の中で述べている。
デング熱の症状は、重度の頭痛、眼痛、関節痛、筋肉痛、突然の発熱、発疹などで、それらの症状は通常1〜2週間で収まる。
市長によれば、感染確認例のうち、 227人がハワイ島の住民で、24人が外から来た観光客だという。
また、市長は、ハワイ郡のごみ処理場への古タイヤの受け入れを禁止する法律を立てる見込みだ。処理場に転がるタイヤは(その中に水が溜まり)蚊の繁殖場所となるからだという。
ハワイ州の知事は 、ハワイ島でのデング熱の感染と拡大の悪循環を断ち切るためにサポートすると述べたが、今回のデング熱の流行に対して、ハワイ州全体に対しての緊急事態宣言は見送っている。さらなるデング熱の流行拡大や、あるいは懸念されているジカ熱の流行の可能性もあり、動向を見守っている。
昆虫学者のローラ・ハリントン( Laura Harrington )氏は以下のように言う。
「デング熱が蚊によって感染拡大している場所については、ジカ熱についても特に慎重に考慮しなければならないと思われます。というのも、デング熱を運搬する蚊も、ジカ熱を運搬する蚊も同じ種類なのです」