真っ黒に染まったペルーのモロナ川

・Pipeline Break Spills Oil Into Amazon Waterways
最近の南米や中米は、ジカウイルスの蔓延や、地質活動と火山活動の活発化などでどうにも大変ですが、「人災」も起きています。
ペルー北西部石油会社のパイプラインが破裂し、川に原油が流出しているのです。
流出現場は、アマゾンの先住民族たちが暮らしているところで、多くのコミュニティが、川から水や食料を得ている場所で、その領域の川が完全に汚染されているということで、人道的な問題も含めて大きな事態となっているようです。
2月終わりに、ペルー政府は非常事態を宣言しました。
原油を回収する国有石油会社ペトロ・ペルーの作業員たち

・AJ Plus

・vozdelatierra
原油流出の現場となっているペルー・チリアコの場所

・Google Map
現地の様子を取材した中東カタールのアルジャジーラの報道からご紹介します。
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Peru declares emergency after oil spill hits rivers
Aljazeera 2016/02/29
原油の流出が川に影響を与えている事態を受け、ペルー政府は非常事態を宣言

パイプラインの破損により、チリアコにあるモロナ川に 3,000バレル(約 48万リットル)の原油が流出し、ペルー当局は地元のコミュニティに、川の魚を食べないように通達を出した。
石油パイプラインが破損したのは3週間前だが、原油の流出がペルー北西部の二つの川に影響を与え始めたことを受けて、ペルー政府は非常事態を宣言した。
流出した原油は、いくつかの先住民たちのコミュニティにとっての水や食料の主な源であるモロナ川などに大量に流れ込んでいる。
現地に住むテオリンダ・ロペスさんによれば、彼女の家族は現在、バナナとユッカ(現地に自生する植物)を食べて凌いでいるとアルジャジーラに語った。
彼女は言う。
「それら(原油)が流れてくればくるほど、さらに多くが汚されていきます。病気もやって来ました。私たちが以前食べていた魚たちも、人間も今は病気になってしまっています」
このエリアでは、少なくとも8つのコミュニティに暮らす先住民の人々が川の水に依存しているという。
壊れたパイプラインは、ペルーの国営石油会社ペトロ・ペルーが所有するもので、報告によれば、1日あたり 5,000〜 6,000バレルの石油が輸送されていた。
ペトロ・ペルーの流出原油への緊急対応担当代表者は、「魚は現在は安全だ」と、アルジャジーラに述べた。
流出への対応の遅れを非難されたペトロ・ペルーは、 200人以上の人々が健康被害を受けた後に、食料、水、医療チームの派遣などの提供を開始した。