2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2016年02月29日


アメリカ合衆国で新たに確認されたジカウイルス感染者の数は147人に。そのうち、妊娠中の女性は9人



2016年2月27日の米国報道より
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CNN


ジカウイルスは着実に世界中に広がっていっており、今が夏で、ネッタイシマカなどの生息するオーストラリアでもジカウイルス感染例が8例確認され、緊急の消毒活動を開始したことなども伝えられています(報道)。

そして、アメリカでは、感染者の数がどんどんと増え続けています。その多くが感染地域からの帰国者ですが、ジカウイルスは「性感染する」ことが確認されていて、それによる感染例も少しずつ増えているようです。

アメリカ本土でジカウイルスが確認された州(水色)
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アメリカ疾病予防管理センター(CDC)


また、アメリカ国内で、妊娠した女性への感染も 10例近くに上るのだそう。

そして、これからアメリカを含む北半球の多くに春が訪れ、蚊の活動が活発になってきますが、根本的な対策は立てようがない面もありそうで、懸念の季節が始まりつつあるようです。

なお、今回の CNN の記事によりますと、妊娠中の女性 9人(または 10人)がジカウイルスに感染したのですが、現在までの経過として、

・妊娠初期に感染した女性(6人) → 2人が流産、2人が妊娠継続を断念、1人が小頭症の赤ちゃんを出産、もう1人の経過は不明

・妊娠中期に感染した女性(2人) → 1人が健康な赤ちゃんを出産、もう1人は経過良好のまま妊娠継続中

・妊娠後期に感染した女性(1人) → 健康な赤ちゃんを出産


となっていまして、少ない例ですので何ともいえないにしても、「妊娠初期にジカウイルスに感染すると、赤ちゃんに影響する可能性がある」というような傾向があるのかもしれません。おそらく、脳を含めた身体器官の最初の形成時期に、ジカウイルスは何らかの影響を赤ちゃんに与えてしまうもののようです。

ですので、「妊娠の最初の3か月くらいまでにジカウイルスに感染しない」という個人的な対策はある程度有効なのかもしれません。

冒頭の CNN の報道からご紹介します。

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CDC update: 147 Zika cases in U.S., new test for the virus
CNN 2016/02/27

アメリカ疾病予防管理センターからの最新情報:米国で147例のジカウイルス感染が確認


アメリカ疾病予防管理センター(以下、CDC)の最新の発表によれば、これまで、米国内で 147人のジカウイルス感染例が確認された。

そのうちの 107例は、ジカウイルスの流行地域から戻った旅行者だった。

CDC はまた、新しいテストで、米国領域の地域において 40例の地元での感染例があったことを報告した。内訳は、プエルトリコが最も多く 35例、アメリカ領サモアで 4例、アメリカ領バージン諸島で 1例となっている。

上の数には、プエルトリコでジカウイルス感染がすでに報告されていた 117人分の患者は含まれていない。

CDC 長官トム・フリーデン博士(Dr. Tom Frieden)は、プエルトリコにおいてのウイルス感染の可能性のある数は数十万に上り、米国に関係する領土では最もジカウイルスの影響を受けている地域だと述べた。

フリーデン博士は、妊娠中の女性は、ブラジルでのオリンピックに行くことについて慎重に検討するべきだとも強く語った。



米国で9人に上るジカウイルスに感染した妊娠中の女性

米国内で、ジカウイルスの流行地域へ旅行に行き感染して戻ってきた人たちのうち、妊娠中の女性での感染例が 9例ある。CDC によると、現在、あと 1人の妊婦のテストをおこなっているという。

感染した女性たちには、すべてジカウイルスの一般的な症状である発熱、発疹、目が赤くなる、関節痛の4つの症状のうちのひとつ、ないし2つを経験していた。

女性のうち6人は、ジカウイルスの症状が出た時には妊娠初期であり、2人が流産したことが報告されている。

フリーデン博士は、「流産は一般的な妊娠でも一定の割合で起きるものですので、今回の女性たちの流産がジカウイルスと関係しているということを意味するものではないとは思います。しかし、最近の調査では、このウイルスが胎盤に入り込むこんでいる可能性を強く示唆していることも事実です」と言う。

ジカウイルスの感染が確認された女性のうち2人は、中絶を選択した。

また、女性のうち2人は、妊娠中期に感染し、そのうち1人は、健康な赤ちゃんを出産し、もう1人も妊娠を継続しており、経過は良好だという。

女性のうちの1人は、妊娠後期でジカウイルスに感染し、健康な赤ちゃんを産んだ。

感染拡大を受けて、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、CDCによるジカウイルス試験の緊急使用を認める決定をした。


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2016年02月10日


ハワイ州政府がデング熱での非常事態を宣言



2016年2月9日の報道より
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蚊が媒介するジカ熱への懸念が世界中で広がっている中、ハワイで、同じ蚊が媒介するデング熱がかつてない流行を見せており、ハワイ島で非常事態宣言が出されました。

現時点までは 250人ほどの感染者だということですが、台湾やマレーシアの例を見てみましても、1度流行が拡大し始めると、行くところまで行くのがデング熱など蚊の媒介する病気ではあります。

また、デング熱を媒介する蚊の存在は、同時に、ジカ熱を媒介する蚊の存在とも重ね合わさります。デング熱とジカ熱は、基本的に同じ種類の蚊が媒介する同じ感染経路を持つウイルスだといえると思われます。

ハワイは観光大国で、世界中の人々が訪れる場所でもあり、今後が気になるところではあります。

ちなみに、今回ご紹介するアメリカの報道記事に、現地の言葉として以下の部分があります。

「デング熱は、感染した蚊によって伝染されるウイルスであり、ハワイで流行しているわけではないにも関わらず、デング熱に感染した旅行者によって断続的にハワイに入ってきた」


これはつまり、「その土地にもともとないウイルスでも、外から持ち込まれることらよって、その地で大流行する」ことを示していて、同じことがジカウイルスにいえるのだとしたら、少し厄介な話かもしれません。

ハワイ島は温暖な上にジャングルや水源も多く、蚊にはとても住みやすい場所で、根本的な蚊の駆除は無理な場所だとも思われます。

ハワイ島のジャングル
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gohawaii.com

それでは、ここから記事です。

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State Of Emergency On Hawaii's Big Island Over Dengue Fever Outbreak
npr 2016/02/09


ハワイ島がデング熱流行で非常事態宣言


ハワイ郡の市長は、蚊が媒介するデング熱の流行について、ハワイ島に非常事態を宣言した。

ハワイ島の保健当局は、2015年10月に2例の患者が報告されて以来、250人のデング熱患者が報告されているという。

市長のビリー・ケノイ( Billy Kenoi )氏は、

「デング熱は感染した蚊によって伝染されるウイルスであり、ハワイで流行しているわけではないにも関わらず、デング熱に感染した旅行者によって断続的にハワイに入ってきた」

と非常事態の宣言の中で述べている。

デング熱の症状は、重度の頭痛、眼痛、関節痛、筋肉痛、突然の発熱、発疹などで、それらの症状は通常1〜2週間で収まる。

市長によれば、感染確認例のうち、 227人がハワイ島の住民で、24人が外から来た観光客だという。

また、市長は、ハワイ郡のごみ処理場への古タイヤの受け入れを禁止する法律を立てる見込みだ。処理場に転がるタイヤは(その中に水が溜まり)蚊の繁殖場所となるからだという。

ハワイ州の知事は 、ハワイ島でのデング熱の感染と拡大の悪循環を断ち切るためにサポートすると述べたが、今回のデング熱の流行に対して、ハワイ州全体に対しての緊急事態宣言は見送っている。さらなるデング熱の流行拡大や、あるいは懸念されているジカ熱の流行の可能性もあり、動向を見守っている。

昆虫学者のローラ・ハリントン( Laura Harrington )氏は以下のように言う。

「デング熱が蚊によって感染拡大している場所については、ジカ熱についても特に慎重に考慮しなければならないと思われます。というのも、デング熱を運搬する蚊も、ジカ熱を運搬する蚊も同じ種類なのです」

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2016年02月07日


ネッタイシマカだけではなく、日本にも広く分布する「ヒトスジシマカ」もジカウイルスを媒介するか?



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2016年2月6日の米国ニューヨーク州地元メディアの報道より
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2016年2月7日現在、世界 33カ国に感染が確認されているジカウイルスですが、そんな中で、最大の感染地域であるブラジルではリオのカーニバルが始まり、世界中から人々が集まっています。CNN の報道によれば、観光客の客足は昨年比でまったく衰えておらず、昨年より多い100万人を超えるであろう規模の観光客の人たちが押し寄せているようです。

これで、ジカウイルスの世界中への拡大の可能性はさらに大きくなった可能性もありますが、そんな中、アメリカのメディアで、

「ヒトスジシマカが、ジカウイルスを拡散させる」

という可能性についての記事が載せられていました。

これまで、ジカウイルスは、熱帯や亜熱帯などに住む「ネッタイシマカ」という蚊が媒介するとされてきましたが、ヒトスジシマカ(日本のほぼ全国にいる蚊と同じものです)もジカウイルスを感染拡大させるのだとした場合、感染「可能性」地域は飛躍的に広がることになると思われます。

国立感染症研究所のページによりますと、

ネッタイシマカ : かつてわが国でも熊本県天草、琉球列島で生息が確認されたが、1970年代以降採集されておらず、現時点ではわが国に分布していない。もともとアフリカに起源のあるヤブカで、大帆船時代に人の移動とともに世界各地に分布を拡大した。


ヒトスジシマカ : 東南アジア原産のヤブカで、わが国では沖縄県から東北地方まで広く分布する。関東地方以西では、恐らく人が吸血される確率のもっとも高い種類だろう。1980年代から北米、中米、南米、オーストラリア、ニュージーランド、地中海沿岸地域、マダガスカル、アフリカという具合に、かなり広範に分布を拡大し続けている。


となっていて、記事を読む限りでは、このヒトスジシマカがジカウイルスを拡散させる可能性がかなり強くなっていまして、いろいろと懸念されます。

ちなみに、ジカウイルスは昨年の数ヶ月間だけで、下のように広い範囲に感染拡大しています。

2015年から2016年初頭までにのジカウイルスの感染が確認された主な国
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In DeepQuartz

仮に、ヒトスジシマカがジカウイルスの感染を拡大させるものならば、アメリカ大陸全域も春過ぎからは感染射程圏に入ります。日本を含む東アジアのほぼ全域も射程圏に入りますが。

アメリカのニューヨーク州のその記事をご紹介いたします。

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Scientists warn of Asian tiger mosquito link to Zika
lohud 2016/02/06


ジカ熱とヒトスジシマカの関連を科学者たちが警告


科学者たちは、ジカウイルスをニューヨークにまで運ぶ蚊が存在するかどうかについて疑問に思う必要はない。

なぜなら、その可能性を持つ蚊がすでにニューヨークもにいるからだ。

ジカウイルスは、世界の亜熱帯地域で見つかるネッタイシマカによって運ばれることが知られているが、しかし、感染症の媒介と関係するかもしれない、もうひとつの種にヒトスジシマカ( Asian tiger mosquito )がいる。

ニューヨークにはネッタイシマカはいなくとも、ヒトスジシマカは検出される。

最近、研究者たちは、ヒトスジシマカがジカウイルスを拡散する可能性について警告している。

この科学者たちの警告は、蚊が媒介するジカウイルスが現在、中南米とカリブ海諸国の人々に感染し、世界的な健康危機を引き起こしている状況の中で真実性を増している。

ジカウイルスの爆発的な感染拡大は、小頭症で生まれる赤ちゃんの数の急増と関係しているという懸念がある。小頭症の赤ちゃんは通常よりも頭が小さく、重度の脳損傷を伴う。

科学者たちのジカウイルスに対しての研究はまだ道半ばであり、このウイルスがどのように感染し、そして、どのように人体に影響を及ぼすのかを突き止めようとしている。

アメリカ疾病予防管理センター( CDC )は、2月5日に、感染予防についての新しいガイドラインを発行した。ガイドラインでは、妊娠中の女性に対して、ジカウイルスの流行地域に住んでいるか、あるいは旅行をした男性との性交渉は避ける、あるいは、コンドームを使用することを勧めている。

アメリカで、ヒトスジシマカがジカウイルスを運ぶかどうかは現在のところ定かではない。なぜなら、今の季節は蚊の活動時期ではないからだ。

ヒトスジシマカは、他の地域ではジカウイルスを拡散することができるにも関わらず、科学者たちは、アメリカにおいて、ヒトスジシマカが同じ能力を持っているかどうかを決定できないでいる。

ニューヨーク医科大学の生態学者トーマス・ダニエルズ( Thomas Daniel )教授は、

「ヒトスジシマカは、実験室においては、ジカウイルスを運ぶ能力を持っていることがわかっています。しかし、自然の中で同じなのかどうかは、今のところ、私たちにはわからないのです」

と述べる。

ニューヨーク州の保健当局は 2月5日、天候が暖かくなるとすぐニューヨーク州のいくつかの郡では、ヒトスジシマカを含む蚊の活動が始まるだろうと発表した。

「今後、ニューヨーク州の蚊がジカウイルスを運ぶかどうかについて決定するためのテストが行われます」と、ロックランド局の蚊対策課の代表者は述べた。

ニューヨーク州では、ロックランドの女性を含め、過去2週間で 11人がジカウイルスと診断されている。

感染が確認された人たちは、ジカウイルスが流行している地域を訪れていたことが報告されている。

州保健当局は、州内の妊娠中の女性は流行地域への旅行を避けるように警告している。

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2016年01月26日


拡大する「妊娠してはいけない地域」 : 胎児に影響を与えるジカウイルスが「イギリス」と「ハワイ」にも上陸



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Zika virus spreads to Americas, 3 cases reported in the UK


ジカウイルスという蚊が媒介するウイルスが、南米を中心に「生活そのものにまで影響を与える」という事態になってきています。このジカウイルスというものが他の蚊が媒介するウイルスと違う点に関しては、

世界に広がるかもしれない「誰も妊娠してはいけない」状態 : 赤ちゃんに影響を及ぼすジカウイルスでのブラジル非常事態宣言から思う来年
 In Deep 2015/12/26

ウイルス、そして「蚊」の意味とは何か?:人類文明に影響を与える可能性のあるジカウイルスの爆発的な感染拡大を前に考えておきたいこと
 In Deep 2016/01/05

などの記事で書きましたけれど、日本語の報道から抜粋しますと、以下のようなことがあるために、大変な懸念の大きな感染症となっています。


ブラジルで増加の小頭症、ジカウイルスと関連=研究報告
ロイター 2016/01/22

先天的に頭部が小さい「小頭症」の新生児が増加を続けるブラジルで、研究者らが、中南米で流行しているジカウイルスとの関連性を示す新たな証拠を発見した。

クリチバ市の生体医学センターは20日、流産した女性の胎盤内でジカウイルスが発見され、同ウィルスが胎児にまで届くことがわかったと発表した。

ブラジル保健省は、今月16日までに、小頭症の疑いのある新生児の数は3893人となり、10日前の3530人から増加したと述べた。小頭症で死亡した新生児の数は49件まで上昇したという。




このジカウイルスは、現在まで、ブラジル、コロンビア、エクアドル、エルサルバドル、ジャマイカ、コロンビア、スリナム、ガイアナ、など中南米全体に拡大しつつあります。

下の地図の「黄色」で示されている国が、1月現在までジカウイルスが確認されている国です。

2015年から2016年までにジカ熱患者が確認された国
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・WHO


そんな中、イギリスとハワイで、ジカウイルスによるジカ熱患者が発生していることが報告されました。

イギリスの場合は、中南米から帰国した旅行者の発症で、ハワイの場合は、母親がブラジルに滞在していたことがあり、それと関係しているようです。

これらのケースからイギリスやハワイにジカウイルスが拡大する可能性はほとんどないと思いますが、しかし、これらは、あくまで「発症したためにわかった例」であり、潜在的にジカウイルスが運び込まれている事例はあるのではないかとも思います。

もちろん、それは日本やアメリカ本土でも同じです。

しかし、幸いなことに、現在の日本や北半球の多くは「異例の寒波」に見舞われていて、ジカウイルスを媒介する蚊が活動できる環境にはありませんので、今は心配する必要はないはずです。

しかし、春以降は少し気になります。

イギリスとハワイのジカ熱の発生について、それぞれ、英国政府のウェブサイトと、ロイターの記事をご紹介しておきたいと思います。

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イギリス政府は下のように政府ウェブサイトで「3人のジカ熱患者がイギリスにおいて発生した」と報告しましたが、イギリス国内での自然感染の恐れはないとしています。

英国政府ウェブサイトより
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「ジカ熱は、英国では自然には発生しない。 2016年1月18日の時点で、コロンビア、スリナム、そして、ガイアナへ旅行した3人の英国の旅行者がジカ熱と診断されている」


ハワイのジカ熱についてCNNより

ハワイで小頭症の新生児、ジカ熱の感染を確認 米国で初
CNN 2016/01/18

米ハワイで生まれた小頭症の新生児が、蚊が媒介する感染症のジカ熱に感染していたことが18日までに分かった。南米ブラジルではジカ熱が流行し、小頭症の乳児が激増しているが、米国で症例が確認されたのは初めて。小頭症とジカ熱との因果関係が確認されたわけではないが、当局は警戒を呼びかけている。

米疾病対策センター(CDC)によると、小頭症の乳児はオアフ島で生まれ、過去にジカ熱に感染していたことが確認された。ハワイの衛生当局は、2015年5月にブラジルに滞在していた母親がジカ熱に感染し、妊娠中に母子感染したとみている。

当局は「乳児からも母親からもウイルスが他人に感染する恐れはない。ハワイで感染するリスクはなかった」と強調している。



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2016年01月09日


マダガスカルでペストの流行により63名が死亡



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Hamilton Spectator


アフリカのマダガスカルでペストが流行しており、昨年の夏からの流行により、これまでに 63名が死亡したことが伝えられています。

マダガスカルとは、下の場所にあるインド洋に浮かぶ国家です。

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・Google Map


このマダガスカルでは、近年たびたび、人のペスト発生に見舞われていて、2014年にも大きな流行がありました。

発生しているのはペストのうちの「腺ペスト」というもので、基本的にはネズミ、あるいはノミなどが媒介するものなのですが、なぜ、マダガスカルで集中的にペストが人に発生してしまうのかというと、簡単にいうと「衛生環境の問題」のようなんですね。

たとえば、マダガスカルの首都アンタナナリボの風景は、パッと見ますと、下のように素朴でのどかな都市の風景に見えます。


マダガスカルの首都アンタナナリボ
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Antananarivo


しかし、この街は、ゴミの処理能力の限界を超えているようで、たとえば下のような光景があちこちにあるようです。


こちらもマダガスカルの首都アンタナナリボ
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flickriver.com


また、ゴミ捨て場から物品を拾って生活している人も多いらしく、ノミとネズミの温床である可能性の高い場所に、恒常的に多数の人々が集っているというようなこともペストの蔓延につながっているのかもしれません。


こちらもアンタナナリボ
Antananarivo-gabage-02.jpg
deismadagascar.wordpress.com


今の時代は、いろいろな病気が多くの国で問題を起こしていますが、ペストもまた、拡大が続けば、大きな問題となり得るものなのかもしれません。

ブルームバーグの記事からご紹介します。

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Plague Outbreak in Madagascar Leaves 63 People Dead Since August
Bloomberg 2016/01/07


マダガスカルで発生したペストは8月以来、63人の死者を出している


インド洋のマダガスカルで、腺ペストの最近の流行により、8月以来 63人が死亡していることをマダガスカル保健省が発表した。

1月7日の時点で、少なくとも 174例のペストの症例が検出されたと保健省の疾病監視局の代表は首都アンタナナリボで声明を出した。

マダガスカル当局は、現在の流行について、昨年9月に WHO (世界保健機構)に通知した。

WHO によると、2014年に始まり、2015年初頭まで続いたペストの流行では、少なくとも 335例が報告され、79人が死亡したという。

ペスト菌は、ネズミなどのげっ歯類、あるいはペスト菌に感染したノミによって広められると WHO は言う。

このマダガスカルでのペストの蔓延を抑制するための努力は、首都アンタナナリボに蓄積され続けるゴミの山によって妨げられている。

ここには、マダガスカルの自治体の間での紛争の問題があり、また、それぞれの市のゴミへの対応能力が、実際の廃棄物に対しての処理容量能力に及んでいないことも関係している。

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2015年09月26日


台湾のデング熱の爆発的流行が過去最悪に。患者は1日600人のペースで増加し続けている



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▲ 2015年09月24日の中国人民網より。


台湾で、蚊が媒介するデング熱が過去最大の流行となっています。

ここ最近、世界では爆発的にデング熱の流行が拡大していて、昨年は、マレーシアで、平年の4倍の患者数が出て、緊急事態となったりしていました。


2014年2月のマレーシアのメディア

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Channel News Asia



デング熱は、致死率は高くないのですが、その「症状」が激しいのです。

例えば、In Deep の「病気の時代…」という記事で、インドを旅行している際に、デング熱に感染した日本人の方の文章をご紹介したことがあります。



デング熱の恐怖 緊急処置 より

痛みはだんだん増してきた。歯が痛み、頭が痛み、肘、膝、骨、背中、皮膚の腫れぼったい痛みと痒み。

全てが同時に襲いかかってくる。

デング熱の別名は、「Break Bone Fever」。その名の通り、骨が折れるような痛みが続くのだ。出血熱になるとなおさら強まる。

右腕がだんだん真紫に変色していき、そのエリアがどんどんひろがっていくのだ。

紫色への変色原因は、血圧計だった。毎朝、血圧が測定される。血圧計の圧迫だけで、腕の毛細血管や筋肉組織がことごとく切れてしまっていたのだ。




なかなかすごい症状だと思いませんか。

これが台湾で爆発的に増えている。

下の BBC 中国の記事のように、現在の台湾では、


1日 600人の患者が発生


したりしているようなのです。


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BBC 中国



特に、台湾南部は大変なことになっているようで、新華社によれば、台南市では、増え続けるデング熱患者に、病床が不足してきているようで、台南市の病院では、緊急以外の入院患者の引き受けを一時停止するという事態になっています。


デング熱の流行地域は拡大する一方ですが、日本も射程圏に入ってきています。


冒頭の報道の内容の概要をご紹介します。



台湾今年入夏以来42人死于登革热 是去年1.5倍
人民網 2015.09.24


今年に入り、台湾で42人がデング熱により死亡。これは昨年の1.5倍にあたる


9月24日の台湾「中国時報」によると、台湾で、17人がデング熱で新たに死亡したことを受けて、今年の夏の台湾のデング熱の死者数が 42人に上ることを報告した。

これは、昨年の台湾の死亡者数の 28人から大幅に上昇し、過去最悪となった。

死亡するのは、高齢者や、慢性疾患を持つ人々に多い。

患者数も、今年はすでに 1万5282人に達しており、統計が取られて以来最悪だ。

感染者は台湾南部に集中しており、台南市で 9,796人、高雄市で 1,265人などとなっている。

台湾のデング熱の統計は 2002年に始まった。

台湾でのデング熱の死亡率は 0.1%〜 0.8%となっている。

台湾当局は、この流行を「新しい流行の始まり」と見ており、現在なお新しい感染者が次々と出ている中で、警戒感を募らせている。


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2015年08月26日


アメリカで今年、ペストに感染する人が異常に増加中



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▲ 2015年08月25日の米国ライブサイエンスより。


今年の 4月1日以来、アメリカでは 11人のペストの症例の患者が確認されていて、これは近年では非常に多いと、アメリカ疾病予防管理センター( CDC )が発表したことが、米国のメディアで報じられていました。

下のアメリカ疾病予防管理センターのグラフを見る限りでは、2006年の 17人に次ぐ数ですが、今年の場合、4月からの4ヶ月間だけで 11人となっているため、このペースでペスト患者が増え続けると、近年では最大ということになりそうです。

2000年から2014年までのアメリカでのペスト患者数
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CDC


また、今年のアメリカのペストを発症した 11人のうち 3人の方が死亡していますので、上のグラフを見る限り、死者の最大は 2人でしたので、死亡数は、現時点でも近年で最大となっているようです。

ちなみに、アメリカでは、ペスト患者の発生は西部に集中していて、下のように、過去 40年間でのペスト発生は下のような分布となっていて、ほぼ西部地域での発生となっています。

1970年から2014年のアメリカのペスト患者発生場所
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CDC


アメリカのペストの現状について、ライブサイエンスの記事をご紹介します。



Plague Cases in US Are Unusually High This Year
livescience 2015.08.25


今年のアメリカはペストの発生が異常に多い


アメリカ疾病管理予防センター( CDC )からの新しいレポートによると、アメリカでは、今年、ペストの発症例が異常に高い数字になっている。

4月1日以来、6つの州で 11例のペストの発症例があったと報告書は述べている。

アメリカでは、1970年から 2012年の間に、毎年平均7例のペストの発症が報告されているが、今年の8月の時点で 11例というのは、かなり多い。

2014年には 10例で、2012年と2013年には 4例だった。

2000年以降で、10例以上のペストの発症が報告されたのは 17例だった 2006年の例がある。

「今年のペストの症例数が通常より高くなっている理由は不明だ」と研究者たちは述べている。

これまでのところ、ペストの報告があったのは、コロラド州で4例、アリゾナ州で2例、ニューメキシコ州で2例、そして、カリフォルニア州、ジョージア州、オレゴン州でそれぞれ1例のペストの症例があったと報告書は述べている。

ペストは、げっ歯類(リス、ネズミなど)とそのノミによって運ばれるペスト菌と呼ばれる細菌によって引き起こされる。

この疾患は、アメリカでは主に西部の農村地域で流行することがある。

治療しない場合、ペストは、症例の約 60%から 90%が死亡するが、しかし現在では、抗生物質治療により、死亡率は約 16%に低下している。

今年のアメリカでは 11人のペスト患者のうち、3人が死亡している。

獣医学の専門家であり、カリフォルニア大学教授のブルーノ・ショメル博士( Dr. Bruno Chomel )は、カリフォルニアの干ばつがペストの症例の増加の原因となっている可能性があると推測している。げっ歯類が干ばつによって食料を得ることが難しくなっているため、動物たちがキャンプ場などで人間の食べ物に近寄っている可能性があるからだ。

CDC は、ペストの感染を防ぐために、病気が流行している地域で野外活動に参加する人たちは、長ズボンを着用し、虫除けを使用することと、病気で死んだ動物に触れたりしないことを勧告している。


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2015年06月20日


アメリカで十数年ぶりにペストでの死者



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Outbreak News


昨年あたりからは、動物の大量死にしても、人間のほうにしても、細菌やウイルスに関しての出来事が多く報道されます。

今のところ終息しています西アフリカのエボラ出血熱にしても、こちらはどうなるのかわからない韓国での MERS にしましても、ウイルスが絡んだ出来事が多いです。

特に、アメリカでは今年春、とんでもない数の鳥類が鳥インフルエンザで死亡しています。

米国アイオワ州で1600万羽以上への鳥インフルエンザの感染拡大により非常事態宣言
 2015年05月04日

2015年5月1日時点でのアメリカの鳥インフルエンザ感染状況
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TRIB LIVE


そんな中、アメリカで「ペストによる死者」が出たことが報じられています。

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▲ 2015年2月20日の 9news.com.au より。


アメリカでのペストの死者は、ものすごく珍しいことではないですが、それでも、Outbreak News によりますと、死者が出たのは 1999年以来のことだそう。

感染経路は、「げっ歯類(リス、ネズミなど)からノミによってもたらされた」とされていて、人から人への感染は確認されていませんので、これで終息すると思われますが、アメリカのペストの死者は、それなりに希な出来事ですので、報道をご紹介しておきたいと思います。



US man dies from plague, residents urged to avoid dead rodents
9news.com.au 2015.06.20

米国人がペストで死亡し、住民たちは死んだげっ歯類を避けるように促されている


過去十年以上のアメリカでは初めてと考えられるペストでの死者が発生したことが報じられている。

コロラド州デンバーのラリマー郡で、若い男性が 6月8日にペストによって死亡していたことが確認された。

保健当局は、まだ調査で同定されてはいないが、この男性は、死んだげっ歯類から離れたノミから病気に感染したと考えている。

ペストは感染したノミを介して広がるので、当局は地元で他の人へ感染が拡大している可能性は考えていないという。

しかし、ラリマー郡の当局は、地元の住民たちには、病気のげっ歯類や死亡したげっ歯類、そして、ネコ、ウサギなどとの接触を避けるように促していると声明を出している。

アメリカで最後に確認されたペスト感染は 1999年とされている。腺ペストが最も一般的だ。
ペスト患者そのものは、毎年平均7名がアメリカで報告されている。

最近の腺ペストの症例の約 80%は、リンパ節の腫れ、突然の発熱や悪寒、激しい頭痛、極度の疲労などを示している。

適切に診断され、適切に治療された場合の腺ペストの死亡率は 11%だという。


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2015年06月16日


フロリダのビーチで感染拡大している「人喰いバクテリア」 - ビブリオ・バルニフィカス



フロリダのビーチに掲げられた遊泳禁止の警告文
florida-beaches-infected.jpg
Benchmark Reporter


アメリカのフロリダのビーチで、いわゆる「人喰いバクテリア」と呼ばれる、ビブリオ・バルニフィカスというバクテリアの感染者が続出していて、地元当局は警告を出しています。

冒頭の看板は、「遊泳禁止」と書かれた看板で、上部に WARNING と英語で、下段には AVISO (お知らせ)とスペイン語で、それぞれ遊泳禁止が告知されています。

地元の報道では、現在までに7名が感染していて、そのうち2名の方が亡くなっています。

infection-7.gif

▲ 2015年06月12日の HLN Rare 'flesh-eating' bacteria hits Florida beaches
(珍しい「人喰い」バクテリアがフロリダのビーチを襲う)より。



ビブリオ・バルニフィカスは、場合によっては、重症になったり、致死性が高いことが特徴ですが、これは日本にもいるもので、Wikipedia には以下のような記述があります。

ビブリオ・バルニフィカス - Wikipedia

日本では1978年に症例が報告され、有明海や八代海沿岸での発症報告が多い。ヒトに経口または創傷感染して感染性胃腸炎や重篤な敗血症や中耳炎の原因になる。

肝疾患や糖尿病などの基礎疾患がある場合や免疫低下状態にある者が、夏期に海産物を生食することにより発症すると考えられている。

肝臓疾患患者や喘息などの治療で使うステロイド薬剤を使用している人、鉄欠乏性貧血などで鉄剤を内服している人、アルコールを大量に飲む人も重症化の危険度が高い。


健常である場合は、神経質になる必要はありませんが、何というか、最近は、動物の病気での大量死などを見ましても、細菌の宿主の関係にもやや異変が出ているという気もしまして(最近の韓国の MERS の感染力の高さなどもそう)、なんとなく懸念もあります。

まあしかし、人喰いバクテリアというより、体が健全な状態であれば、多くのバクテリアは無害ですので、適度な免疫力とで、多くの致命的な感染症は防げるのではないかとも思います。

しかし、アメリカの該当地に滞在されている、あるいは行かれるような方の場合は、一応この人喰いバクテリアの流行については念頭におかれてもいいかと思います。

現地のベンチマーク・リポーターの記事をご紹介します。



infectious flesh- eating bacteria swarms around the beaches of Florida – stay safe this summer
Benchmark Reporter 20105.06.14


フロリダのビーチ周辺に感染性の人喰いバクテリアの集団 - この夏を安全に


フロリダ州の保健当局は、フロリダのビーチで、7人が海水に宿る致命的な細菌に感染したことを報告した。 そのうち2人の方が、この感染性細菌が原因で亡くなった。

当局は、この「ビブリオ・バルニフィカス」と呼ばれる細菌により観光客の健康が脅かされることがないように、ビーチ訪問者に警告している。

フロリダ州保健局のスポークスマンは、「生の貝を食べた時に、ビブリオ・バルニフィカスに感染する可能性があります」と言う。

また、「これらは、暖かい海域で発見されているもので、傷などを持つ人は、海水との直接の接触を介してビブリオ・バルニフィカスに感染する可能性があります」とも述べた。

この細菌はまた食事を介して感染することもあり、その場合、比較的早く、腹痛、嘔吐や下痢の症状を示すことがある。

細菌が、開いた傷口を介して体内に入った場合は、皮膚組織に損傷を起こす可能性があり、致命的な壊死につながるおそれがある。

これは、免疫力の低下に起因する多くの合併症に直面している人々の場合は、厳しい症状や合併症を起こす可能性があるが、健康な状態である場合は、ごく軽い症状で終わることが知られている。

感染を避けるために、傷を持っている場合、海に入らないことを医師たちは強く勧めている。

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2014年11月05日


エボラ流行は「第二段階」に突入か。シエラレオネで2ヶ月前より9倍の速度でエボラの感染が拡大



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▲ 2014年11月3日の英国デイリーメールより。


上のデイリーメールの記事のタイトルにありますように、エボラ流行の西アフリカ3カ国のうちのひとつシエオラレオネで、10月の終わり頃から唐突にエボラの感染拡大の速度が速くなっています。

この記事によると、アフリカにはトニー・ブレア元英国首相が創設したアフリカ・ガバナンス・イニシアティブ( AGI )という組織があるそうなのですが、その AGI からの報告によって、シエラレオネでエボラの感染拡大が急速に悪化しているという事実が判明したのだそう。

報告によれば、

・農村部では2ヶ月前の9倍の速さでの感染拡大
・首都フリータウンでも、2ヶ月前の6倍の速さで感染が拡大


という状況になっているとのこと。

これは、 WHO の統計数を見ても、わかります。

下の表は、 WHO が発表下 10月 29日までのエボラ患者数のうち、リベリアとシエラレオネの部分を抜粋し、注釈を加えたものです。

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Ebola virus epidemic in West Africa


シエラレオネの患者数と死亡者数の推移は 10月 27日までは、1日単平均で患者数の増加で 100人程度、死者は1日平均で 10人程度だったものが、

10月 27日から 29日の3日間だけで、患者数が約 1300人増加、死者は約 150人増加

という「唐突な感じ」の爆発的流行を見せていることがわかります。

西アフリカでのエボラは患者の上昇率は、最近減少傾向にありました。

最悪の感染国であったリベリアでも以前より患者数の拡大の率は少しずつ落ちていました。それなのに、なぜ、シエオラレオネの一部地域でこのような急速な感染拡大が始まったのかはよくわかっていません。

ebola-prayers.jpg

▲ 首都フリータウンでエボラ出血熱による犠牲者に祈りを捧げる地元の司祭。Daily Mail より。


この事態について AGI の代表は、

「シエオラレオネの一部地域は非常に複雑な状況となっており、これはシエオラレオネ全土の状況を変化させるほどのものです。急激に勃発した大きな危機です」

と述べています。

ところで、最近、「エボラの感染経路」についてのいくつかの記事を目にしました。

これまで、エボラは、発症した人の尿、唾液、汗、糞便、嘔吐物、母乳、精液などを含む血液や体液を介して広がるもので、他には、コウモリなどの動物を介してウイルスが拡がるとされてきました。

しかし、11月 4日のロイターの「エボラ熱に残る複数の疑問、専門家が警鐘」という記事には以下のような記述があります。

出血熱の専門家であるテキサス大学医学部のトーマス・クスィアゼク博士は、傷のない皮膚からも感染する可能性を排除できないと指摘する。

2つ目の重大な疑問は、発症していない人からも感染するかどうかだ。過去何カ月もの間、米国内外の公衆衛生当局者らは、感染しないとしてきた。

だが、そのような「無症状の感染」が起きる可能性は大いにあると、小児感染症が専門であるユタ大学のアンドリュー・パビア博士は指摘。

環境的な問題も残されたままだ。エボラウイルスを除染するのに、泡状、ガス、液体のどれが最も効果的なのか分かっていない。

下水道でウイルスが生き残る可能性も不明であり、米環境保護庁国土安全保障研究センターのポール・レミュー氏は、ネズミが「感染する可能性もある」と語った。

結局、エボラ・ウイルスについては、いろいろなことが「わかっていない」ということが、このロイターの記事でわかります。

今回のシエオラレオネの突然ともいえる患者数拡大は、その理由は明確にはわからないながらも、あるいは、ウイルスが突然変異したというようなことも含めて、いろいろな可能性があるようにも思います。

いずれにしても、病気の流行の際には「このようなことが実際に起きる」ということを知ることができる出来事だといえそうです。

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