2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2014年03月02日


ポーランドやウクライナで突然蔓延し始めた致死率は100%近くのアフリカ豚コレラ



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▲ 2014年2月18日の The News より。




欧州からロシアにかけて、アフリカ豚コレラという非常に強力な豚の伝染病が蔓延しています。

以前、 In Deep に、

病気の時代 : 致死率が 20パーセント台となっている中国の H7N9 の真相の謎。そして、カザフスタンで感染が拡大する謎の眠り病にタラビッチの予言した「未来」を思う
 2014年01月30日

という記事を書いたことがありますが、今、本当に感染症が増えているように感じます。人間の病気にしても動物の病気に関しても、病気の報道を数多く目にします。


豚の病気というと、口蹄疫を思い出しますが、このアフリカ豚コレラも、かなり「危険」な病気のようです。


Wikipedia の記述から抜粋します。


アフリカ豚コレラとはアフリカ豚コレラウイルス感染による豚の熱性伝染病。臨床症状および病理所見は豚コレラと類似する。家畜伝染病予防法における家畜伝染病であり、海外悪性伝染病防疫要領においては海外悪性伝染病の一つである。法定伝染病である。

治療法はない。




というもののようです。


その病気が、次のような国で発生しています。

ロシア

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▲ 2014年2月26日の The Pig Site より。




ウクライナ

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▲ 2014年3月1日のロシアの声より。「アフリカ豚ペスト」の表記になっていますが、アフリカ豚コレラのことだと思われます。



リトアニア

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▲ 2014年2月13日の SMH より。



また、中国政府は、2月28日に「ポーランドからの豚肉の輸入を禁止」という措置をとりました。

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▲ 2014年2月28日の News9 より。



現在の時点ではアジアは無縁のようですが、今の時代、どのようなことになるのわからない面もあります。

世界的な悪天候などで野菜や果物が被害を受けている中、畜産も大きな被害を受けると、「直量の危機」という言葉を何となく思い浮かべてしまいます。




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2013年12月28日


中国で、これまで発生が確認されていなかった「発症率100パーセントで高致死率」の動物疾病による大量死が確認される



今朝、下のような報道をいくつかのメディアなどで見ました。

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▲ 12月27日の国際線上 (中国) より。



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▲ 12月27日の Extinction Protocol より。


最近は家禽類の大量死は珍しくはないのですが、「どうも気になる」という思いが強くなり、記事を読んで、その病気を調べてみますと、なかなか脅威のある話だということに気づきました。

今回、中国新疆のクルム(中国ではハミと呼ばれます)で発生した病気は「小反芻獣疫 (PPR) 」というものだそうです。

上の記事の内容は、共に、


12月21日に、 新疆クルム市で 176頭のヤギが疾病症状を示し、そのうち 34頭が死亡した。12月27日に、外来動物疾病研究センターは、この病気が、小反芻獣疫 ( PPR )であることを確認した。

地元当局は現場一帯を閉鎖し、疾病の拡散を防ぐために 271頭のヤギを殺処分し、その地域の消毒と滅菌活動をおこなっている。




というものですが、記事の最後のほうには

「小反芻獣疫は致死率は 100パーセントに達するもので、致死率は最大で、100パーセント」

と書かれていました。

かなりインパクトのある数字ですので、小反芻獣疫 ( PPR )というものを調べてみました。





発症率100%、死亡率20〜90%の小反芻獣疫 という病気

大まかなこの病気の説明としては、 JICA の「小反芻獣疫 (peste des petitis ruminants: PPR)」というサイトから抜粋します。


PPR は伝播の早い重篤な疾病で、主に家畜の小反芻動物に認められる。本病の特徴は、突然発生する沈うつ状態、発熱、流涙、鼻漏、口部のただれ、呼吸困難と発咳、悪臭の下痢と死である。

臨床症状は羊と山羊に認められる。

PPR の発生時には、群の 100 %が発症し 20~90 %が死亡する可能性がある。




という、かなり恐ろしいもののようですが、そのサイトにある地図では、これまで発生が認めらた国としては、中東からインド、アフガニスタンなどとなっていまして、地図では下のオレンジの部分がその発生地域だったのだそう。

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そして、今回、中国で発生したクルムというのは地図では上の赤丸で示した位置です。中国などの東アジアは、これまでは、この病気の感染地帯ではなかったことがわかります。

そして、今回、唐突に新疆に発生したということで、これまでは、中東で地域的につながっていた PPR という病気の範囲が「突然拡大した」という形になるように思います。


上の JICA のサイトでも、


これらの地域から小型反芻動物を輸入した国々は、国内に PPR が存在しないことを確認するため、呼吸困難、流涙、鼻漏、流涎、口部のただれ、下痢を特徴とする症候群の有無を徹底的に調査することをお勧めする。


と記すほど、ウイルスの流入には敏感になるべきもののようです。


本当に今は、世界中で動物の大量死が多く、こういう報道もあまり軽く見ることのできない私なのでした。

過去記事の、

米国東海岸のイルカの大量死はさらに厳しい状況に
 2013年09月09日

でご紹介したアメリカでのイルカの大量死は、上の9月の記事では 430頭でしたが、12月の中旬のアメリカ海洋大気庁の発表では下のように 1,200頭を越えてきています。

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NOAA (アメリカ海洋大気庁)より。


また、やはり過去記事の、

米国ニューメキシコ州の牧草地で 100頭以上のエルク(ヘラジカ)が謎の大量死
 2013年09月06日

については、その後も、同種のタイプの動物の大量死が米国の各地で報告され続けています。

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▲ 2013年11月22日の Earthfiles より。


どれも「何らかの病気」のようなのですが、決定的な原因の報道は目にしていません。

まるで動物たちが次々と消えようとしているようで、それについては気になります。




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2013年12月18日


鳥インフルエンザ H7N9 の新たな変異株はあらゆる医薬品に耐性を示す最強インフル



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▲ 鳥インフルエンザ H7N9 は2013年の発生以来、現在までに、中国、台湾、香港で 139人が感染しています。
RIA Novosti より。





H7N9 の致死率は 30パーセントを越えている

今年の4月に、 In Deep の、

21世紀のパンデミック(3): 次にヒトのインフルエンザ感染が発生するとしたらそれはどこか?
 2013年04月24日

という記事に、科学誌ネイチャーの「これまで報告された 104人の鳥インフルエンザの患者の報告された位置と、次にウイルスが行くかもしれないとしたらどこへ向かう?」という内容の記事をご紹介しました。

つまり、ネイチャーが記事にするほど、当時は、科学的にもこの鳥インフルエンザ H7N9 の世界的拡大が懸念されていたということにもなります。

しかし、その後、爆発的な流行は起きずに、次第に話題は消えていきましたが、その間も人への感染が止まったというわけではなく、コンスタントに感受は発生し続けています。

現在( 2013年 12月 18日)までに、中国、台湾、香港で、少なくとも 139人が感染して、そのうち 45人が死亡しています。この数字でわかるのは、感染力は弱いのですけれど、139人のうち 45人が死亡してしまうという、致死率にすれば 30パーセント以上もあるこのインフルエンザの重篤度です。

ですので、こういうような鳥インフルエンザが「強い感染力」を持つとわりと恐ろしいことになる感じはあるのですが、数日前の英国版ロイターに下のような記事がありました。

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ロイター UK より。


薬剤耐性を持つ新しい H7N9 が発見されたという記事です。


同じ内容を日本語版のロシアの声などでは、下のように刺激的なタイトルをつけて報道しています。

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ロシアの声より。


ロシアの声の記事は下の内容です。
一部訂正しています。


新型鳥インフル発見、パンデミックの恐れあり
ロシアの声 2013.12.13


ニューヨークのマウントサイナイ医科大学で鳥インフルエンザ H7N9 の新たな変異株が発見された。現在普及している医薬品に強い耐性を示すものだ。


これは、中国人患者から採取された血液サンプルの分析により発見された。患者は今年春にインフルエンザに感染していた。菌株は空気・液体感染する。大抵の医薬品に反応しない。

ウィルス学者らは警戒感を示している。パンデミック(世界的な大流行)となる可能性も排除できないという。詳細な研究とワクチンの開発が急がれる。




とあります。実際には、ロイターなどによれば、科学者は今のところは、人から人へと感染するようなパンデミックは想定していないようです。

しかし、科学者たちが怖れているのは、今回のような比較的大きな「変異」が、繰り返されるうちに、感染力の拡大や、人間同士の感染に適応していくという可能性を排除することはできないということのようです。

そして、仮にそうなった場合、今回発見されたこの鳥インフルエンザの変異株は、たとえばタミフルなどのいかなる抗ウイルス薬も効かないもので(タミフルの是非はともかくとして)、基本的に医療での対処が対症療法のみとなります。

その致死率は上に書いた通りの大変なものですが、このあたりに関しては、変異しないでもらうことを願うしかないのかもしれません。





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2013年09月26日


中国:野良犬に噛まれた息子の傷口から口で毒を吸い出した父親が1ヶ月後に狂犬病を発症して死亡



昨日、中国のメディアでは下の報道が一斉に報じられました。

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湛江新聞網より。


犬に噛まれて怪我をした自分の息子の傷口から毒を吸い出した父親が、狂犬病を発症して死亡したという出来事に関しての報道です。

狂犬病は現代社会においても最強の病気のひとつで、発病した場合の致死率はほぼ 100パーセントですが、それでも、世界中に極めて蔓延している病気のひとつです。

特に、中国は世界で第2位の狂犬病死者数の国(1位はインド)で、それだけに、犬に噛まれた場合、その犬が狂犬病であるという認識は強いようです。今回のように、父親が咄嗟に自分の子どもの傷口をを吸うという行為をおこなったのは、そこに理由があるのだと思います。


そして、息子はその後にワクチンを打ったために助かり、吸った父親のほうが狂犬病で死んでしまったという出来事でした。


私は今回の出来事で最も驚いたのは、「口から入っても感染する」という狂犬病ウイルスの感染力の強さでした。もちろん、消化器官には口から胃にいたるまで数々の小さな傷があったり、あるいは、吸収機能があるわけですので、感染することは不思議ではないのかもしれないですが、私自身はこういう例を聞くのが初めてでしたので、やや驚いた次第です。


ここから、この報道の内容の日本語のニュースです。





父親が狂犬病で死亡、野良犬に咬まれた息子の傷口を自ら吸引
newsclip.be 2013.09.26


野良犬に足を咬まれて負傷した息子の傷口から毒を吸い取った父親が狂犬病に感染する――という痛ましい事故が起こった。

江蘇省泗洪県の青陽鎮に暮らす江さん(41歳)は8月19日早朝、玄関清掃をしていた息子の悲鳴を聞いた。慌てて外に出ると、薄汚れた黄色毛の野良犬が息子の左大腿部に喰い付いていたという。

野良犬を追い払った後、江さんはすぐに息子の傷口を熱湯で洗い流した。自分の口を使って毒を吸出しては吐き出すという行為を、息子のために7〜8回繰り返したとされる。

その後、息子を病院に連れて行き狂犬病ワクチンを受けさせた。その際、医者から江さんにもワクチン接種を勧められたが、代金がかさむためこれを拒絶。

それから1カ月後、江さんは体調不良を訴えた。南京市内の病院に搬送され、狂犬病に感染していることが確認されている。すでに手の施しようのない状態だったという。江さんは1カ月と5日が経過した今月24日の明け方に死亡した。

衛生部の調べによると、中国本土の狂犬病死者数はインドに次ぐ世界第2位。狂犬病による死者は毎年、2400人を超えている。都市部で飼われるペット犬の総数は、登記されたものだけで年率8.2%のハイペースで増加しつつある。

一方、登録犬に対する狂犬病予防接種の接種率は80%前後にとどまっているという。国内で狂犬病が蔓延する背景には、こうした市民の狂犬病に対する問題意識の低さもあるようだ。

狂犬病の潜伏期間は1〜3カ月。発病後の死亡率はほぼ100%に達している。主な症状は、恐水症や恐風症など水や風に怯えるようになり、高熱、麻痺、全身痙攣などを引き起こす。最終的には呼吸困難などで死亡する。





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2013年08月28日


キルギスでペストでの死者が発生。現在 100名以上が隔離中



中央アジアのキルギスで「ペスト」が死者が発生したことによって、キルギスだけではなく、ロシアやカザフスタンなどの周辺国も対応に追われているという報道がありました。


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Telegraph より。


今回は英国ガーディアンの記事からご紹介します。

キルギスの今回のペストは「線ペスト」という種類のもので、感染した原因は、「感染した動物を食べた」ことによるものです。「マーモット」というげっ歯類の動物で、下の写真の動物です。

marmot1.jpg

▲ マーモット。世界中の山岳地帯で見られますが、日本には生息していません。


食べた本人が感染してしまったのは仕方ないとしても、周辺の人にも症状が出ているようで、何らかの感染が起きているのではないかということで、今回のわりと大げさな措置となっているようです。

キルギスの場所は下の位置で、患者が出た村の名前は記事に出ていませんが、カザフスタンとの国境に近い村とのことです。

kyrgyzstan.jpg



中国でも3年前に同じ状況でのペストが発生

ちなみに、3年ほど前に中国でもこの同じ「マーモット」という動物を食べた男性が線ペストで死亡する出来事を In Deep で記事にしたことがあります。

中国甘粛省でペスト発生。男性一名が死亡
 2010年06月16日

その時の状況は下のようなものでした。


甘粛省の男性がマーモットを捕食し、ペストに感染して死亡

甘粛省衛生庁は、6月15日(2010年)に甘粛省酒泉市で腺ペストが発生したと発表した。患者には緊急処置がとられたが、効果がなく死亡した。疫病発生の状況に関しては現在、すでに有効なコントロールがとられているという。

死亡した患者は41歳の男性で、甘粛省張掖市で金山道路の道路を作る労働者。現場でマーモットを捕らえて食べたことにより感染して発病した。

患者は、6月12日の午前に、人民病院で診察を受け、その時に身震い、脱力、高熱、左側の脇の下の窪みのリンパの腫れなどの症状が見られた。病院はペストを疑い、ただちに県の疾病コントロールセンターに報告し、患者を隔離した。

同日12時45分、患者は緊急処置を受けたが、効果がなく死亡した。

甘粛省の衛生庁は、臨床結果と検査、測定の結果を調査して、最終的に、腺ペストから敗血症型ペストに至った病例とした。

ペスト発生の報告を受けて、甘粛省の省政府や衛生部は事態を重視し、省、市、県は直ちに応急措置に備えて、関係する専門家を組織して現場に駆けつけ、交通機関の衛生的な検疫、流行病学の調査、接触者の追跡と管理、消毒などを行った。



というもので、げっ歯類(リスやネズミなど)を食べる習慣のない日本ではあまり考えられないことですが、げっ歯類を食べてペストに感染するという例は確かにあるようです。というか、自然界にはペストに感染した動物がわりと常に存在しているということにもつながる話ではあります。


ここから記事です。




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2013年07月28日


ペスト発生 : ロサンゼルスの国有林でペスト感染したリスが発見されキャンプ場が閉鎖



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▲ 閉鎖されたキャンプ場に掲示された「ペスト警報」の看板。
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2013年は「ペストの当たり年だった 2010年」の再来となるか

米国カリフォルニア州で、ペストに感染したリスが発見され、周囲のキャンプ場が閉鎖となっていることが報じられています。

アメリカの野生動物からペストが見つかるのは珍しいことではないですが、それでも、今回も各メディアで報道されており、やはり「ペスト発生」のインパクトは強いようです。


カリフォルニア州では、3年前にも感染したリスによって、キャンプ場が閉鎖されています。

米国カリフォルニアの自然公園のリスからペスト菌検出。キャンプ場が閉鎖
 2010年07月08日

上の報道は 2010年のものですが、私が知る限りでは、この年は「野生動物のペストのあたり年」でした。

In Deep の当時の記事を見ますと、下のようなものがあります。


米国デンバーで保健局からペスト警報発令
 2010年10月10日


中国甘粛省でペスト発生。男性一名が死亡
 2010年06月16日


これらは、すべてリスやマーモットなどの、げっ歯類と呼ばれる動物たちによるものです。

この 2010年は他の多くの地域でもペストが同時多発的に発生していました。なので、パンスペルミアを信じている私としては、2010年と同じく、「今年、一度でも発生したということは、他の地域でもペストが発生する可能性がある」とも考えています。

それで記事にしました。

それでは、ここからタイムからの記事です。



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2013年05月23日


米国で謎の感染症で2名が死亡



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▲ アメリカでの謎の病気について報道する記事。inquisitrより。
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最近は、世界中で新しい感染症のニュースが多いです。

中国で発生している複数の鳥インフルエンザ、中東から世界に拡がりつつある新種のコロナウイルスなど、「将来的にパンデミックに結びつくかもしれない」という事例に関しては、 In Deep の、

中国で鳥インフルエンザ H1N1 でも死者 : そしてこれからの世界で私たちは「蛇のロゴ」をどこまで信用すればいいのか
 2013年05月16日


という記事に記したことがあります。

また、先日の記事、

北朝鮮の養殖場で鳥インフルエンザ H5N1 が発生。カモ 16万羽が殺処分に
 2013年05月21日

では、北朝鮮に関して「カモ」で鳥インフルエンザが発生しているという報道をご紹介したのですが、情報がオープンであるかどうか不明な北朝鮮での実際の状況はつかみにくい部分がありそうです。

たとえば、上の報道記事では、



平壌では、医療機関が医療関係者を 1000人規模で動員



とあり、カモだけの感染にしては、かなり物々しい感じも見てとれます。

世界中でどのように感染症が分布しているのか正確なところはわからないですが、 5月21日に、 WHO 事務局長補のケイジ・フクダ氏は、世界はインフルエンザの大発生への備えができていないと発表したことが、 AFP に載せられていました。


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▲ WHO で記者会見するケイジ・フクダ氏。彼は日本出身の日本人医師。 AFP 通信 より。


そんな中で、アメリカで「謎の病気」で7名が搬送された後、2名ぼ死亡するという謎の病気について報道されています。兆候として、発熱、せき、呼吸困難などがあるのですが、感染菌は不明とのことです。

その記事をご紹介します。



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2013年05月21日


北朝鮮の養殖場で鳥インフルエンザ H5N1 が発生。カモ 16万羽が殺処分に



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▲ 広西チワン族自治区と他の地域での H1N1 感染拡大について伝える中国のテレビ報道。
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先日、 In Deep で、

中国で鳥インフルエンザ H1N1 でも死者 : そしてこれからの世界で私たちは「蛇のロゴ」をどこまで信用すればいいのか
 2013年05月16日

で記しましたが、中国では鳥インフルエンザ H7N9 で30名の死者が出ている中、 H1N1 型でも集団感染と死者が出ていることをご紹介しました。

そして、新種コロナウイルスでの死者もペースは遅いながらも増加しています。

そんな中、中国のお隣の北朝鮮で、鳥インフルエンザの H5N1 型が発生したことが北朝鮮の公式の報道として発表されました。

平壌のカモ養殖場で発生したようで、養殖場のカモは殺処分されたそう。

様々なタイプの新型のウイルスやインフルエンザが、世界のあちこちから報じられていることを実感します。

どれかが爆発的な感染状況になるかどうかはわからないですが、多くの研究者たちは「パンデミックは時間の問題」と言う方向の意見が多くなっているのが現状のようです。

韓国の報道から北朝鮮での鳥インフルエンザについての記事をご紹介します。



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2013年05月13日


米国カリフォルニアのキャンプ場の野生のリスからペスト菌が検出される



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▲ カリフォルニアのパインクリーク・フィールドのキャンプ場にある「ペストに関する注意」と書かれた看板。自然の動物にエサを与えないこと、また、生きているものも死骸も含めてさわらないことなどが書かれています。
--




カリフォルニア州にあるパロマーマウンテンという場所にあるキャンプ場の野生のリスから「ペスト」が検出されたという報道がありました。

アメリカの野生動物からペスト菌が検出されるのは「ものすごく珍しい」ということでもなく、年単位で見れば、たまに報道が見られます。

過去記事では、

米国デンバーで保健局からペスト警報発令
 2010年10月10日

米国カリフォルニアの自然公園のリスからペスト菌検出。キャンプ場が閉鎖
 2010年07月08日

などがありました。


上の看板のようなものも含めて、米国でペストについて書かれてある一般知識と注意は下のようなものです。


ペストは、人間にも動物にも感染する伝染病。ペスト菌エルシニアに起因する。

アメリカでは、ヒトへの流行は、西部、特にニューメキシコ、コロラド、アリゾナとカリフォルニアで発生している。

ヒトは、いろいろな経路での接触で感染する可能性があるが、一般的には、感染したノミに噛まれることによる。さらに、感染した動物、例えばプレーリードッグ、猫、リス、ネズミ、ウサギなどと接触するか、それらの動物から発せられた大気中の雫を吸収して感染することもある。




というわけで、ニュースをご紹介します。
今回、ペスト菌に陽性のリスが見つかった「パロマーマウンテン」というのは、地図の下の位置です。

paloma.png


ここから記事です。




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2013年05月01日


中国の鳥インフルエンザで「感染しやすい年齢の傾向」はあるのかないのか



先日の記事、

中国政府がインフルエンザの全国における発生状況の日々の報告を「停止」
 2013年04月28日

に、4月27日までの H7N9 型鳥インフルエンザの感染と死者が確認されている場所についてを載せました。





上の地図での中国の各地域と台湾で患者と死者が発生していて、内訳は以下のようになっています。


北京市…発症 1人、死亡0人
上海市…発症33人、死亡12人
江蘇省…発症27人、死亡4人
浙江省…発症45人、死亡6人
安徽省…発症 4人、死亡1人
山東省…発症 1人、死亡0人
河南省…発症 4人、死亡0人
江西省…発症 2人、死亡0人
湖南省…発症 1人、死亡0人
福建省…発症 1人、死亡0人
-------------------------------
台湾 …発症 1人、死亡0人



その後、新しい感染者が17人出たことが報告されたのですが、感染者の年齢と性別が書かれていた記事を見つけましたので、記載しておきます。

これに関しては知りたいと思っていました。


というのも、すでに4年以上前の記事ですが、

1918年の死のインフルエンザ
 クレアなひととき 2009年04月27日

という記事に書いたことがありますが、1918年に全世界で半数が感染したといわれるスペイン風邪(鳥インフルエンザのパンデミック)では、「若者ほど死亡率が高かった」という原因不明の現象があったからです。

今回は詳しくはふれないですが、日経 BP の2006年の記事「多くの若者を殺した「パンデミック」の真実」に詳しく書かれていますので、ご参考くださるとよろしいかと思いますが、そこにも、


インフルエンザウイルスは毎年、慢性疾患や免疫力の低下している患者、小児やお年寄りを中心に数多くの命を奪っている。

だが、1918年の「スペイン風邪」のインフルエンザウイルスでは、20歳〜40歳代の若者たちが最も多く亡くなっていたことに大きな特徴があった。



とあり、スペイン風邪が年齢ごとでの特異な死亡率の分布をしていたことが今でも研究対象となっています。


今回のは死亡例ではなく、あくまで感染例で、しかも、まだ感染のケース自体が非常に少ないですので傾向も何もないのですが、とりあえず、最新の鳥インフルエンザの感染者の年齢分布がどのようになっているのかを記載しておきたいと思います。

ここからです。






H7N9 – 126 Cases, 24 Deaths In China より。


H7N9 - 中国で 126人が感染し 24名が死亡


2013年4月29日、中国の保健当局と家族計画委員会は、鳥インフルエンザ(H7N9)ウイルスによるヒト感について染追加の17人の検査確定症例を WHO に通知した。
 
2013年4月14日に発症した湖南省の 64歳の女性
2013年4月15日に発症した湖南省の 54歳の男性
2013年4月17日に発症した福建省の 80歳の男性
2013年4月17日に発症した浙江省の 38歳の男性
2013年4月17日に発症した江蘇省の 49歳の男性
2013年4月17日に発症した江西省の 69歳の男性
2013年4月17日に発症した浙江省の 60歳の女性
2013年4月17日に発症した河南省の 56歳の男性
2013年4月18日に発症した浙江省の 38歳の男性
2013年4月18日に発症した福建省の 65歳の男性
2013年4月18日に発症した浙江省の 50歳の女性
2013年4月19日に発症した江蘇省の 36歳の男​​性
2013年4月19日に発症した江西省の 76歳の女性
2013年4月21日に発症した江西省の 80歳の男性
2013年4月23日に発症した江西省の 31歳の女性
2013年4月27日に発症した山東省の 4歳の少年



他に江蘇省の年齢未確認の2人の患者(共に死亡)。





(訳者注) なんとなく、発症年齢が高いように見えるのですが、しかしやはり例が少ないですので、何ともいえないですね。感染者が今後も増えるようでしたら、またデータを載せたいと思います。


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