2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2016年01月27日


米国フロリダ州沿岸で原因不明のヒトデの大量死



2016年1月25日の米国報道より
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My Panhandle


アメリカ・フロリダ州のポート・セント・ジョーという海岸に大量のヒトデが打ち上げられたことが報じられています。


米国ニュース・チャンネル7より
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Thousands of starfish spotted at Port St. Joe beach


海の水質には異変はないようで、原因があるとすれば、最近のアメリカの寒波や悪天候などによるものではないかとされていますが、ただ、アメリカでは「ヒトデの大量死」がずっと続いているのですよね。

「星が消えて海が壊れる」:アメリカ周辺のヒトデの大量死の状態は「分解して溶けて消えていく」という未知の奇妙なものだった
 In Deep 2013/12/05

という記事や、

米国オレゴン州のヒトデは「絶滅の方向」へ。そして、その出来事から考える、神や神のようなものが自然の中に創造したものたちの色や形の意味
 In Deep 2014/06/06

というように「絶滅」という概念が出てくるほどの状態になっていたことがありました。

2015年以降はどのようになっているのかは詳細がよくわからないですが、その頃からアメリカ周辺の海域の生態系大きな変化が出ていて、おそらくは今も続いているであろうことは確かなような気がします。

ただ、今回のヒトデの大量死が起きたのは、以前のヒトデの大量死が起きていたところとは違う海域ではあります。

今回のヒトデの大量死が起きたポート・セント・ジョー
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・Google Map


2013年のヒトデの大量死の分布状況
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それぞれ大量死の状況も違いますし、別物ということなのでしょうけれど、いずれにしましても、アメリカの周辺のここ2年ほどは海洋生物の大量死が本当に多いです。

フロリダ州でのヒトデの大量死について現地のメディアの報道をご紹介します。

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Thousands of starfish wash ashore in Port St. Joe
My Panhandle 2016/01/25

数千匹のヒトデがポート・セント・ジョーの海岸に打ち上げられた

starfish-003.jpg


信じがたい光景がフロリダ州ポート・セント・ジョーのビーチに広がっている。

死んだヒトデが、海岸 1.6キロメールにわたり打ち上げられているのだ。

近所に住む住人のスーザン・ホイットンさんは、ウインドマーク・ビーチに沿って散歩するのが日課だが、この日、そこに広がる光景にショックを受けた。大量の海の生き物たちが死んでいたのだ。

「このような光景は普通ではないと感じました」と彼女は語る。

最初から何千匹が打ち上げられていたわけではない。この週末(1月23日)頃から、少しずつヒトデたちの集団が打ち上げられ始めた。

ホイットンさんは、携帯電話の動画で、その様子を撮影し、SNS でその動画を共有した。

動画はたちどころに 5,000人以上の人たちによって共有された。

この海域では、赤潮の影響によってヒトデが打ち上げられることはあるが、今回は赤潮の影響ではないという。
 
フロリダ州魚類野生動物保護委員会と生物学者たちは、このヒトデの大量死の原因を突き止めようとしているが、死亡したヒトデたちが早く乾燥してしまったため、テストすることができないでいる。

彼らは、大量死の原因の推測として、現在、アメリカのこの地を覆っている寒波や悪天候などが関係しているのではないかと述べる。


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2016年01月22日


「足のある奇妙な魚」がニュージーランドで捕獲される。種類は現在のことろ不明



2016年01月19日の報道より
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Caron


ニュージーランドで、「足があるような奇妙な魚」が捕獲されて、今のところはこの生物の種別がわからないということで、やや話題となっています。

海岸でシュノーケリングをしていた人によって見つけられたものですが、「いつの間にかボートの(おそらくは釣り用の)餌置き場の中にいた」ということだったそうです。

見つけた人も何の生き物だかわからなかったせいもあり、ニュージーランド国立博物館に写真と冷凍したその生物そのものを持ち込んだところ、「調べてみなければ、何かわからない」ということで、現在、博物館と魚類の専門家たちが調べているとのこと。

ニュージーランド国立博物館の Facebook より
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Facebook


動画も撮影されています。




博物館の説明では、カエルアンコウの一種ではないかとのことですが、それ以上のことは調べてみないとわからないとか。「カエルアンコウ」というのは聞き慣れないですが、かつてイザリウオという名称だったもので、2007年に名称が変更されたそうです。

下のような魚の種類の魚たちの一群です。

カエルアンコウ(旧イザリウオ)の一種
Antennarius-striatus.jpg
oranku.com


ニュージーランドのこの奇妙な生き物について、海外の報道からご紹介します。

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Weird 'fish with legs' found by New Zealand snorkelers puzzles scientists
Chron 2016/01/19

ニュージーランドでシュノーケリングの際に見つかった奇妙な「足のある魚」が、科学者たちを困惑させている


最近、ニュージーランドでシュノーケリング中に見つかった奇妙な魚について、専門家たちは、これが一体何であるのかを決定するための検討を続けている。

体長約 10インチのこの黒い生物は、足のある魚のようにも見えるし、あるいは、鳥やコウモリとも似ている部分がある。

この生き物は、クラウディア・ハウスさんをはじめとした数家族が、ニュージーランド湾でシュノーケリングをしている時に発見したものだ。

ハウスさんたちは、その奇妙な魚の写真を撮り、そして、この魚の種類の識別を求めるために、ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワに写真を送った。

博物館の広報担当は、1月19日、

「この奇妙な生き物は、カエルアンコウ(旧称イザリウオ)の一種である可能性が高いと思われますが、詳細な検討を経てからでないと、この生き物が何であるということを述べることはできません」

と電子メールで述べた。

その後、博物館は、 Facebook 上で写真発表した。

ニュージーランドの魚類の専門家であるアンドリュー・スチュワート( Andrew Stewart )氏は、翌日までには、この生き物を解凍し、頭部を調べた後に識別できることになるだろうと、電子メールで答えた。

この魚は、ニュージーランドの北島の北東海岸近くから約2メートルのところで見つけられた。

シュノーケリングをしているあいだに、知らないうちに、ボート後部にある生き餌入れの中にいたのである。

魚は見つかった時には元気だったが、その後死んでしまった。この標本は、ニュージーランド博物館に収められるだろうとスチュワート氏は言う。

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2016年01月14日


アラスカで「空前の規模の海鳥ウミガラスの大量死」が起きていることが発覚



2016年01月12日のUSAトゥディの報道より
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Biologists Examine Big Alaska Seabird Die-Off


最近になって、アラスカ南部にあるプリンス・ウィリアム湾という湾の沿岸で、空前の規模の「海鳥の大量死」が見つかりました。


プリンス・ウィリアム湾の場所
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・Google Map


今回見つかったのはウミガラスという、北米では一般的な海鳥の死体で、その数は約 8,000羽。

しかし、海鳥の大量死の場合、多くは海の上で力尽きて落ちる場合が多く、岸に打ち上げられるものはそのごく一部だと考えられ、実際には、この何倍、何十倍というウミガラスが死んでいる可能性があります。


この太平洋を囲む北米大陸の沿岸では、ちょうど1年ほど前にも、アメリカのオレゴン州で、やはり「前例のない規模」と報じられたレベルの海鳥の大量死が起きたことが思い出されます。


2015年1月24日のナショナルジオグラフィック・ニュースより
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Mass Death of Seabirds in Western U.S. Is 'Unprecedented'


このナショナルジオグラフィックの報道を含めた、当時相次いだアメリカでの鳥の大量死については、

陸地では数千万羽のニワトリが死に、海では「デッドゾーン」の中であらゆる海洋生物が死に続けるアメリカで
 In Deep 2015/05/20

という記事に書きました。

この頃、アメリカ西海岸からアラスカに至るまでの海水温度が異常に高く、それが原因のひつになっている可能性が考えられましたが、しかし、原因が解明されたわけではないです。

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・Climate Observations


今回のアラスカの海鳥の大量死も調査を進めてはいますが、何十万という単位の大量死ともなると、原因解明は難しいものなのかもしれませんが、しかし、海水温度や海流の変化を含めた「巨大な海の変化」が関係している感じが強いです。

今回は、自然科学メディアのナチュラル・ワールド・ニュースの記事をご紹介いたします。

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Seabird Die-off: 'Diving' Seabirds Found Dead in Alaska in Huge Numbers
Nature World News 2016/01/12


海鳥の大量死:アラスカで「ダイビングしたかのように」死んだ膨大な数の海鳥たちが発見される


アラスカのひとりの生物学者が、最近、アンカレッジから南に約 100キロのところにあるプリンス・ウィリアム湾の辺で海鳥の膨大な大量死と出くわした。

死んでいた鳥はウミガラスで、北米大陸に最も多く生息する海鳥のひとつだ。


ウミガラス

Common_murres.jpg
・Wikipedia


それらの鳥たちは衰弱し、明らかに餓死しており、死んだ後に岸に打ち上げられたと見られる。

発見した生物学者、デビッド・アイアンズ( David Irons )氏は、あまりにも数が多いために、遠くから見た時には、最初はそれらが鳥ではなく、雪の名残か何かだと思ったほどだったという。

アイアン氏は AP 通信の取材に対して、「それは非常に恐ろしい光景でした。死んだ鳥の傍らにまだ生きている鳥が立っているのですが、それらも次第に衰弱していくのです」と語った。

これらの海鳥は、前の冬にも大量死を起こしていたが、今年のアラスカでは、その数が飛躍的に増えている。

アメリカ連邦政府機関と研究者たちは、まだその正確な数を推定していない。

この原因について、科学者たちは、鳥たちのエサとなる魚類の生態系に変化が起きているためだと考えている。

おそらくは、気候変動やエル・ニーニョ現象から生じる暖かい海水の表面温度によって、ニシンや、スケトウダラ、シシャモなどが減少している可能性がある。

アラスカには、230カ所に海鳥のコロニーがあり、約 280万羽のウミガラスが住んでいる。ウミガラスの全世界の生息数は 1300万羽から 2070万羽とされている。

今回、プリンス・ウィリアム湾では、約 8,000羽の鳥が死体で見つかったとアメリカ地質調査所アラスカ科学研究センターのジョン・ピアット( John Piatt )氏は、AP 通信に述べた。


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2015年12月13日


オニヒトデが、太平洋グレートバリアリーフのサンゴを絶滅に追いやろうとしている



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▲ 2015年12月11日のオーストラリア brisbane times より。


大西洋で、サンゴを食べ尽くすことで知られるオニヒトデが前例のない数で大発生していて、されらが太平洋のサンゴたちを食べまくり、サンゴ礁が壊滅状態になりつつあることが伝えられています。

オニヒトデというのは、Wikipedia によりますと、

時をおいて大発生することがあり、成長の速いミドリイシ類やコモンサンゴ類を食べ尽くして、成長の遅いサンゴまで食べるため、サンゴ礁環境の保全上有害とされている。ここ数年、沖縄近海のサンゴ礁にオニヒトデが大量発生しており、問題となっている。

この大発生に関して、自然の長期サイクルによるとする説と、人間の環境破壊に要因を求める説があるが、富栄養化がオニヒトデ幼生の餌である植物プランクトンを増殖させ、大発生につながるとする説が最も有力視されている。


ということで、たびたび大発生するもののようですが、現在の大発生は過去に例を見ないほどのもののようで、11月には、アメリカのワシントンポストでも特集が組まれたほど、サンゴにとって深刻な状態のようです。

2015年11月16日の米国ワシントンポスト
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Scientists say a plague of sea stars is devastating Pacific coral reefs


このオニヒトデの大発生で、最も痛手を被っているのが、オーストラリア北東部にある世界最大のサンゴ礁地帯のグレートバリアリーフです。

グレートバリアリーフの場所
Great_Barrier_Leef.png
Wikipedia


大発生の明確な原因はわかっていませんせんが、いずれにしても、「その規模がさらに拡大している」ということは確かなようです。

オーストラリアのプリスペン・タイムズの記事をご紹介します。

なお、「イナゴの被害のような」という表現が出てきますが、オーストラリアでは、ここ数年、イナゴによる深刻な農作物被害が出ており、それと比したものだと思われます。

[関連記事]オーストラリアでイナゴの大発生による農作物消失の危機( In Deep 2010/08/12)

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Crown of thorns starfish outbreak 'like locust plague'
brisbane times 2015/12/11

オニヒトデが「まるでイナゴの農作物被害が発生するように」大発生している

グレートバリアリーフのサンゴを食べてしまうヒトデの発生が、これまでの記録を上回って過去最悪になる可能性があり、自然保護活動家たちを恐れさせている。

WWF のオーストラリア支局が委託したレポートによると、ヒトデを食べるオニヒトデの数は 2020年までに 1200万匹から 6000万匹に上昇する可能性が述べられている。

オニヒトデのサンゴの被害についての著作がある専門家のグレン・ホルムズ( Glen Holmes )博士は、「これはまるで、イナゴによる壊滅的な被害のようなものといえるものなのです」と述べる。

ヒトデによる被害の規模は、すでに過去 30年間でサンゴ礁「6万ヘクタール」に及んだ範囲で生きたサンゴが壊滅していっていると考えられている。

このオニヒトデの拡大を止めるための手段は何もない。

しかし、専門家たちは、将来の「さらなる災い」を防ぐために厳しい措置をとることを訴えている。

オニヒトデが大発生する原因のひとつとして、農業農地から海に流出する化学肥料がオニヒトデ幼生の餌である藻や植物プランクトンを増殖させ、大発生につながっているとする説が根強い。

「流域海域の汚染を断ち切ることができれば、オニヒトデの幼生は増殖することができず、次のオニヒトデの大発生を防ぐことがでるのです」と、ホルムズ博士は述べる。

「このことは、サンゴ礁が回復する機会となり得るのです」

現在の州とオーストラリア政府の投資は、この目標を達成するには低く、海の汚染を減らすためには、より多くの投資が必要だとホルムズ博士は言う。

オニヒトデの被害を以前のパターンに戻すことができれば、サンゴ礁の減少は 10%以下で済むと報告書は述べている。


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2015年11月22日


史上最大のクジラの大量死が露見 : チリ南部のペナス湾で337頭の死亡したクジラが発見される



305頭の死亡したクジラと、32頭の白骨化したクジラの死体が航空機により発見される

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▲ 2015年11月19日のチリ El diario de Aysen より。


チリ南部のペナス湾という場所で、337頭のクジラが死亡して発見されるという、非常に大きな大量死が、チリの科学者により報告されています。

同一地区でのクジラの大量死の数としては、記録の上では史上最大のはずで、科学者たちが原因解明に動き出しているようです。

なお、337頭の死体が発見されたのは、今年の 6月23日で、科学者たちが現地を航空機で調査していて見つかったものだそうで、発表が 11月17日だったということのようです。発表が遅れた理由については明らかにされていません。

航空機から撮影された写真の1枚
whale-ngsversion.jpg
337 Whales Beached in Largest Stranding Ever


このペナス湾では、今年5月、やはり、20頭以上の大規模なクジラの大量死が起きましたが、今回の科学者たちの報告は、その規模をはるかに上回る大量死が進行していたことを示します。

下は当時の AFP の記事からです。


チリ南部の浜辺に20頭以上のクジラの死骸
AFP 2015/05/09

チリ海洋当局者は5月8日、同国南部のペナス湾で20頭以上のクジラの死骸が見つかったと発表した。クジラが死んだ原因については現在、調査中だという。

チリ水産庁の関係者によると、ペナス湾北部で体長10メートルほどのクジラの死骸が浜辺に打ち上げらているのが見つかった。死骸はイワシクジラと確認されている。イワシクジラは20世紀半ばの乱獲により個体数が激減し、現在は国際的に保護されている。

死骸は周辺地域で調査を行っていた外国人の科学者らによって発見された。しかし、悪天候のため、死んだクジラの正確な頭数やいつ死んだのかなどについては今のところ確認できていない。




今回、クジラが発見されたペナス湾のプエルト・ナタレスというのは、下の位置にあるような、かなり内陸部に入り込んだ海域です。

penas-map.gif
・Google Map


何が起きたのかは推測するのも難しいですが、理由はともかく、今年の6月にこんな大規模な大量死が起きていたということになるようです。

冒頭のチリの報道からご紹介します。

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Fiscalía investiga varamiento de más de 300 ballenas entre el Golfo de Penas y Puerto Natales
El diario de Aysen 2015/11/19


調査官は、チリのペナス湾とプエルト・ナタレスの間で見つかった300頭以上のクジラの座礁について調査している


11月17日、科学者たちによるグループは、チリ国立水産養殖所のウェブサイト上に、アイセン地区とマガリャネス地区の海岸での重大な発見について報告した。

それによると、同地区で、337頭のクジラが座礁して死亡していたのだという。

(※ 発見そのものは、同地区を飛行調査した6月になされたが、発表されたのは 11月17日だった)

現在、科学者たちは、この原因を解明するために、調査プロセスを開始している。

報告によれば、2015年6月23日、科学者たちが航空機による調査をおこなっていたところ、ペナス湾のプエルト・ナタレスの海岸を中心に、305体の座礁したクジラと 32頭の白骨化したクジラの総計 337頭を確認した。

この地域では、それ以前に、30頭のクジラが座礁したことがあったが、調査官たちは、その以前の座礁と今回の出来事が関係があるかどうかを調べている。

何が起きたのかを決定するために、同地区への科学者の派遣も検討されている。


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2015年10月01日


タンザニアで数百頭から数千頭にのぼる「ヌー」が川の中での謎の大量死



タンザニアのマラ川で死亡した数百〜数千頭のヌーたち

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▲ 2015年9月28日のアフリカ・グラフィック Hundreds of wildebeest found dead in Tanzania より。



nu-01.jpg
Wikipedia



アフリカ大陸南部にすみ、集団で大移動することで知られる「ヌー」という哺乳類がいます。


集団で川を渡るヌーたち

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The Wildebeest Challenge


この9月の終わり、アフリカ・タンザニアの川で、数百頭から数千頭に上るヌーたちが死亡しているのをサファリのガイドたちが発見しました。


死亡したヌーたち

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マラ川の位置
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・Google Map



タンザニア当局によれば、このヌーたちの集団死の原因は、「川の深い部分に集団で入っていってしまったため」ということで確定したということのようです。

この「川の深いところに入ったため」という理由は、何となく釈然としない部分もないではないですが・・・(移動を「本能」として持っている動物なら、その本能で回避できることなのでは?)


あるいは、そういう本能的な部分に何か集団で異常が起きたとかですかねえ。


いずれにしても、疾病とか化学物質とかは関係がない大量死であることは確定しているようで、やや謎が残ると同時に、やや終末感の漂う光景でもあります。

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2015年09月20日


カリフォルニアで発見された「青い肉」を持つイノシシ(やや閲覧注意)



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▲ 2015年09月12日の米国ビジネス・インサイダーより。



青い顔のクマに続き、「青い肉」のイノシシが


最近の北米大陸の西海岸方面では、いろいろと「変わったこと」が起きている感じがあります。


8月下旬には、アメリカ西海岸のオレゴン州の広範囲で「紫色の波が打ち寄せる」ということが報じられていました。当時は原因がわからないということになっていることを、


米国オレゴン州沿岸に押し寄せ続ける「原因のわからない紫色の波」


という記事でご紹介しました。


8月26日のオレゴン州 ネスコウィンの海岸に打ち寄せる紫の波

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Beach Connection.net



その後、オレゴン州のすぐ北に位置するカナダのミッション市という場所で、「顔だけ青いクマ」という、何だか理解しづらい生命が撮影されました。

これは、


カナダのミッション市で撮影された「青い顔」を持つ黒い熊


という記事でご紹介しました。


9月2日にカナダ・ミッション市で撮影されたクマ

10blue-bear-top2.jpg
Black Bear with Blue head near Silvermere Lake is Mission, BC



そして、9月11日。アメリカのカリフォルニア州のモーガン・ヒルという場所で、


青い肉を持つイノシシ


が発見されたことが報じられたのでした。


カリフォルニア州モーガン・ヒルの場所
morgan-hill-map.gif
Google Map



牧場の人が、牧場周辺をうろついていたイノシシを銃で撃った後、解体しようとすると、その肉は明るいブルーだったのでした。正確には、「脂肪の部分がすべて青で、赤身の部分や血液の色は通常の色だった」とのこと。

そして、このイノシシは直前までは生きていたのですから、つまり「青い肉を持ち生きていた」ということになりそうです。

最近、「青」に関係する奇妙な話題がアメリカで続きますが、青の意味とは何でしょうかね。

今回は冒頭のビジネス・インサイダーの記事を写真と共にご紹介します。


なお、青いとはいえ、イノシシの死体の肉ですので、写真は小さめにしておきます。拡大して見られたい方は写真をクリックすると拡大して表示されます。




A wild pig with bright blue flesh was found in California − and no one knows why
Business Insider 2015.09.12


カリフォルニアで明るいブルーの肉を持った野生のイノシシが発見される。そして、誰もその理由を知らない


カリフォルニア州モーガン・ヒルの牧場の夫婦は、牧場の外で歩き回っている野生のイノシシを見つけた。彼らは、このイノシシを撃つことに決めて、銃で撃った後、肉を取るために家に持ち帰った。

豚を家に運び、血を抜いた後、腹側を切っていくと、そこから通常ではないものが現れたのであった。

そこに見えたものは「青い肉」だったのだ。



blue-s1.jpg



イノシシは、脂肪の部分が明るい青色をしていた。

これを見たふたりはショックを受けたが、さらに調べてみると、このイノシシは、全身の脂肪部分が青いことがわかった。

しかし、肉の部分や血液はすべて通常の色だった。



blue-s2.jpg



これまで、牧場に現れる野生のイノシシを撃ったことはあるが、このような青色の肉を持ったイノシシは見たことがないと牧場主は言う。

この近くには、古い銅の鉱山、あるいは、廃坑となった水銀の鉱山があり、それがイノシシの脂肪が青色となったことと関係しているのかどうかなどが現在話し合われている。

このイノシシの肉のサンプルは、珍しい着色の原因を明らかにするために、カリフォルニア大学デービス校に送られた。


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2015年09月18日


カナダ五大湖のワサガビーチ沿岸に「謎のウナギ」が大量死



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▲ 2015年09月11日のカナダ CTV News より。



カナダ・オンタリオ州の五大湖に沿って位置するワサガビーチという海岸に「種類のわからない謎の魚」が大量に打ち上げられているのが発見されました。

地域の魚に詳しい人たちも誰も見たことがない種類だとのこと。現在、この魚はカナダ天然資源省林業で調査されています。


下のような魚です。


mysterious-eel-die-off-canada.jpg


特徴としては、頭の先の部分がとがっていて、尻尾に斑点があります。


謎の魚の頭(上)と尾(下)
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上の写真と、報道記事を元にして調べてみましたら、尻尾の斑点などから、「トゲウナギ科」という科の魚でないかという気がします。

トゲウナギ科の魚
Macrognathus_siamenis.jpg
Wikipedia


それで、この科の魚の生息分布を見てみましたら、

・タイ
・インド
・コンゴ


などとなっていて、つまり「熱帯の魚」のようなんですね。

それが、カナダで打ち上げられたのは、熱帯の海域とは程遠い下の場所です。


正体不明の魚が打ち上げられたワサガビーチ

wasaga-beach-map.gif
Google Map


これが、仮にトゲウナギ科の魚だとすると、そのような熱帯の魚が何百匹もの数で、このような地域に打ち上げられるということは、海流や海水温などに何らかの「とても大きな変化」が起きているのかもしれません。

それにしても、最近の北米大陸は、西海岸も東海岸も大量死が多いです。

カナダ CTV の報道をご紹介します。



Mysterious eels wash up on Wasaga Beach shore
CTV News 2015.09.11

ワサガビーチの海岸沿いに大量の謎のウナギが打ち上げられる


wasaga-02.jpg


ワサガビーチに「謎の魚」数百匹が打ち上げられている。

このウナギは、先のとがった鼻を持ち、尾には黒い斑点がある。

地域の釣り協会のリック・バルドリーさんは、「私はこのような魚を見たことがありませんし、誰が見ても、そのように思うはずです。これは明らかに、カナダの魚ではなく、外国の海域の魚です」と述べる。

このウナギは、今のところ本格的な鑑定はされていないが、水族館の魚類などから推測してみると、トゲウナギ(スパイニーイール)科の種類の魚のように思える。

これらのウナギは、タイやインド、ビルマなどの熱帯海域に生息している魚で、大きさは 40センチほどに成長する。

ウナギの凍結サンプルは詳細な検査のため、カナダ天然資源省林業(MNRF)に引き渡された。天然資源省林業の職員は、五大湖でこの種のウナギの報告はこれが初めてだと語る。

なお、これらがトゲウナギ科の魚だった場合、熱帯に生息する魚であるため、カナダの海域で冬を乗り切ることはできないと思われる。



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2015年08月23日


アラスカ半島の沿岸で異常な数のクジラの大量死に対して、NOAA は「異常死亡事象( UME )」を宣言



canada-whale-top.gif

▲ 2015年08月21日のカナダ CBC ニュース What's killing whales off B.C.-Alaska coast? より。


2015年5月以来、アラスカ半島の西部で、次々と大型のクジラが死亡した状態で座礁し続けていることが CBC ニュースなどで報じられています。

8月14日までの3ヶ月で、30頭の大型クジラが打ち上げられているようです。

これは、アメリカ海洋大気庁( NOAA )の「アラスカ半島西部での大型クジラの座礁数の推移」を見ますと、8月の時点で、すでに、近年のどの年よりも多い座礁が報告されていることがわかります。

whale_stranding_graph.gif
NOAA


座礁したクジラ
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CBC


最初にクジラの座礁が報告されたのは 2015年5月23日。それ以来、 11頭のナガスクジラ、14頭のザトウクジラ、1頭のコククジラ、そして、種別のわからないクジラ4頭の座礁が報告されています。

この事態に対して、NOAA は「異常死亡事象」( Unusual Mortality Event / UME )を宣言しました。この UME は、通常の範囲を超えている大量死の事象に対して宣言され、科学者たちによる調査が行われます。

アラスカ半島東部には、アラスカ州と、カナダのブリティッシュコロンビア州がありますが、カナダでも、この7月と8月に、大型クジラの大量死が報告されているとのことです。

今のところ、大量死の原因はわかっておらず、採取されたサンプルから、病気などの可能性を探っているとのことですが、NOAA によれば、このようなケースでは、死因を突き止めるまでに数ヶ月、あるいは、数年かかるこことがあると述べています。

ちなみに、北米大陸の周辺海域では、海水温の異常高温がずっと続いています。
下の図は 2014年のものですが、この傾向は今も同じだと思われます。

海水面温度の平年との差(赤いほど平年より高温)
sea-temp-201409c.gif


アメリカ西海岸の海水温度の2013年と2014年の差
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▲ 過去記事「海に何が起きているのか:世界の海水の表面温度が観測史上の130年間で最も高くなっているけれど、その理由がわからない」より。

いろいろと、海のシステム自体が変化していますので、海の生態系の異変は、ある程度は今後も続くような気はしないでもないです。

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2015年08月11日


猿の惑星 : 火を使って料理し、2000語の人間の言語を理解し、パックマンのパワーエサの役割を理解する霊長類「ボノボ」



自らおこした火を使って調理の準備をするボノボのカンズィ

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▲ 2015年08月06日の AMAZINGFACTS UNDEFINED より。


「ボノボ」というチンパンジー系の動物が、「マッチで火をおこして料理をして食べる」光景が載せられている記事を見ました。ちなみに、写真のこのボノボの名前は、カンズィ( Kanzi )というそうです。

私は知らなかったのですが、このボノボという哺乳類は、Wikipedia - ボノボの説明によりますと、

・薪を集め、マッチで火をつけ、たき火をする。
・そのたき火でマシュマロを焼く。
・特殊なキーボードを使い、人間と会話する。
・ルールを正確に理解し、パックマン(ビデオゲーム)で遊ぶ


という能力を持つのだそう。

パックマンの「ルールを正確に理解し」に関しての意味ですが、

パックマン」のルール上では、普段はパックマンが敵に触れるとアウトになってしまうのに対し、「パワーエサ」と呼ばれるアイテムを取ってから一定時間の間は敵に触れることでボーナス点を取ることができる。

つまり条件によって自分と敵との強弱の立場が逆転する。ボノボはこの複雑なルールを理解し、普段は敵から逃げ、パワーエサを取ってから一定時間敵を追いかけることができる。

ということですが、これはすごい。

パックマンは、通常時、プレイヤー(自分)は敵を攻撃する能力を持たないのですが、下のように通路に随所にある「パワーエサ」を食べると、数秒間、相手を追いかけて、食べてしまえるようになります。

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つまり「立場の逆転」現象が起きるのですが、ボノボという生き物は、この複雑なルールを理解するということらしいのです。

パックマンが登場したのは、私が高校生の頃(1980年)ですが、このパワーエサの概念を、すぐには理解できませんでした。あるいは、理解はしてもプレイにその概念を反映させるには時間がかかりました。このあたりを見ると、ボノボは、少なくとも、高校時代の私よりは理解力が高いということになりそうです。

また、ボノボの研究者によりますと、ボノボの言語能力は、英語だと思いますが、「 2000語を理解する」のだそう。

人間の場合、2000語を理解するのは、通常ですと5歳頃ですので、ボノボは5歳の子どもと同じ程度の言語理解力があるということになりそうです。

ちなみに、人間の場合、7歳で理解する単語数は 6000語に達します。

いずれにしましても、このボノボという生き物には、何かありそうな感じです。
今回の写真でも「火を恐れない」光景には驚きました。

人間以外のいかなる哺乳類でも、火を恐れるものだと思っていましたが、このボノボは火の意味(危険なものだが、適切に利用すれば、様々に使用できる)を理解しているようです。

ちょっとこう「古代人種そのもの」というような存在にも感じます。

今回は、ボノボのカンズィが、上の項目にはない「料理」をしている光景です。

「自分で薪を集めて、同じサイズに揃えて、火をおこし、調理して食べるまで」の写真をご紹介しておきます。

女性が一緒に写っている写真がありますが、アメリカの霊長類学者で、ボノボを研究を続けている、サベージ・ランボー博士( Dr Savage-Rumbaugh )という方だと思われます。



Kanzi The Bonobo Lighting A Fire And Cooking A Meal
AMAZINGFACTS UNDEFINED 2015.08.06

ボノボのカンズィは、火をおこして料理する


薪を集めるカンズィ

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薪のサイズを揃えるために割る

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薪を炉に積み上げる

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マッチで薪に火をつける

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調理台を火の上に置き、フライパンを載せる

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できた料理を道具を使って食べる

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デザートに焼きマッシュルームを作って食べる

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