2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2015年05月15日


大量死 : 2014年、アメリカのミツバチの群れの 40%以上が死んでいた



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▲ 2015年05月13日の AP より。


2014年に、アメリカでは、全体の 40%以上の巣箱で、ミツバチが死んでいたことが明らかになり、衝撃が広がっています。

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Strange Sounds


最近、ミツバチの大量死や、ミツバチの群れが突然消滅する「蜂群崩壊症候群」の報道を見かけませんでしたので、沈静化していたのかと思っていましたが、2014年になって、アメリカのミツバチの状況は急激に悪化していたこことになります。

このことに関して、AP の記事をご紹介します。



Survey: More than 40 percent of bee hives died in past year
AP 2015.05.13


昨年、ミツバチの巣箱の 40%以上で大量死が発生していた


連邦政府の調査によると、2014年は、アメリカ全体で、5分の2以上のミツバチのコロニーで大量死が発生し、過去最悪レベルの状況となっていることがわかった。

米農務省は、アメリカ国内のミツバチの群が今年4月までの1年間で 42.1%喪失したとの調査結果を発表した。落ち込みは前年の 34.2%を上回り、2年前の 45.2%に次ぐ過去2番目となる高い損失だった。

ミツバチは植物の受粉に重要な役割を果たすため、米農務省や専門家たちは農業生産への影響を懸念している。

オクラホマ州、イリノイ州、アイオワ州、デラウェア州、メリーランド州、ペンシルベニア州、メイン州、ウィスコンシン州の調査によれば、同地域の 2014年 4月以来の巣箱のうち 60%以上で大量死が起きた。

原因について、栄養不良や農薬の組み合わせについて言及する科学者たちがいるが、昨年の大量死では、女王蜂を失うことも含んでいて、状況は悪化しているかもしれないという。

しかし、「このような出来事は、まったく珍しいことではない」として、状況は改善しているか、あるいは安定していると言う専門家や養蜂家もいる。


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2015年05月04日


米国アイオワ州で1600万羽以上への鳥インフルエンザの感染拡大により非常事態宣言



米国では3月以来、2千万羽以上が鳥インフルエンザに感染

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▲ 2015年05月02日の NY Post より。


アメリカの中西部で、3月以来、少しずつ拡大していた鳥インフルエンザが、ここにきて、歴史的ともいえる爆発的な大流行となっていて、アメリカで卵の生産量でトップの州であるアイオワ州では、5月1日に非常事態が宣言されました。

下が 5月1日の時点でのアメリカでの鳥インフルエンザの感染状況です。

iowa-bird-flu.gif
TRIB LIVE

・アイオワ州    1660万羽
・ミネソタ州    440万羽
・ウィスコンシン州 140万羽


などとなっていますが、流行している州は隣接していますので、さらに他の州への拡大も懸念される状況かもしれません。

先日、

途方もない「大量死の時代」の進行が加速していた : 2015年最初の4ヶ月だけで270件を超える大量死報道があることを知り
 2015年04月30日

という記事で、「今年はやけに鳥インフルエンザが多いな」と思っていたのですが、ここにきて、さらに爆発的な流行となってしまっているようです。

ミネソタ州では、4月24日に鳥インフルエンザの拡大で非常事態が発令されています。

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RT



鳥インフルエンザは、いつかは終息するものですが、「拡大の速度」と「終息の速度」によっては、長引くものかもしれません。

何にしても、2000万羽以上というのはものすごいです。

米国ニューヨーク・ポストの記事をご紹介します。



Iowa declares state of emergency over bird flu outbreak
NY Post 2015.05.02

アイオワ州は、鳥インフルエンザの流行に対して非常事態を宣言


5月1日、アイオワ州知事テリー・ブランスタッド( Terry Branstad )氏は、州内で急速に拡大する鳥インフルエンザの流行に対し、非常事態を宣言した。この発表は、当局に予防措置を実施する権限を与える。

アイオワ州の農業関係者によると、非常事態宣言の後に、新たに4カ所の養鶏場でウイルスが陽性と判定されたと発表した。

アメリカの卵生産量でトップのアイオワ州は、ウイルスの流行で非常事態宣言を発令した3番目の州となった。ミネソタ州とウィスコンシン州は4月に非常事態を宣言している。

現在までに、アメリカでは、中西部を中心に 2100万羽の鶏と七面鳥がウイルスに感染しており、絶滅にさえ繋がりかねない状況となっている。

ブランスタッド知事は、「鳥インフルエンザのヒトへの感染リスクはありませんが、我々は非常に真剣に問題と向きあっています」と声明で述べた。

アメリカの鳥インフルエンザは、昨年 12月に発見され、数十カ国が、アメリカ産の家禽の輸入の全面的、あるいは部分的な禁止を実施している。

アイオワ州当局によれば、5月1日の時点で、州内の 10郡の 21の養鶏場で、H5株の高病原性鳥インフルエンザが確認された。

また、過去 24時間で、ブエナビスタ郡では 550万羽の鳥、マディソン郡で 100万羽の鳥が、鳥インフルエンザウイルスに陽性を示した。

これまでのところ、アイオワ州では、推定 1600万羽の鶏が感染しており、少なくとも4分の1が殺処分されなければならないと州当局は述べた。

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2015年04月13日


アメリカ東海岸の貝類に「致命的な伝染性のガン」が拡大している



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▲ 2015年04月09日の UT Sandiego Leukemia metastasizes among soft-shell clams より。


アメリカの沿岸では、この2〜3年ほど、海洋生物の大量死が頻繁に起きていますが、中でも、西海岸では「ヒトデが疾病により全滅に向かっている」ということは印象に残っている出来事です。

米国オレゴン州のヒトデは「絶滅の方向」へ…
 2014年06月06日

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KUOW


今度は、そのアメリカの東海岸で、「オオノガイ」という貝に「伝染性のガン」が広がっているという報道がありました。

オオノガイというのは、貝の図鑑によりますと、

オオノガイは国内の北海道から九州までの地域の海に分布しています。

ということで、日本にも広く分布している貝のようです。
食用の貝のようですが、一般的に流通しているようなものではないようです。

そのオオノガイにアメリカで「大規模なガンの流行」が起きているようで、しかも、この感染性のガンは、他の貝類にも広がる可能性があるのだそうです。

どうもこう、アメリカの海からいろいろな生き物たちが消えていっています。

アメリカの UT サンディエゴの記事をご紹介します。



Leukemia metastasizes among soft-shell clams
UT Sandiego 2015.04.09

オオノガイの間で白血病が転移している


アメリカの東海岸に沿って、オオノガイにとって致命的な疾病が広がっている。

この研究を率いたコロンビア大学のステファン・P・ゴッフ( Stephen P. Goff )教授によれば、この疾患は、最終的には、感染した貝のほとんどを殺してしまうだろうという。

ゴッフ教授は、微生物学、免疫、生化学と分子生物物理学の教授だ。

ロングアイランドからカナダのプリンスエドワード島に至るまで集められた貝たちは、正常な細胞とは遺伝的に異なる白血病細胞を持っていた。

そして、これは他の二枚貝の白血病細胞と遺伝的に同じものであったため、病気の感染源は単一のオオノガイからのものだと考えられる。

オオノガイの白血病は少なくとも 40年前から存在していることが知られていたが、今回の研究では、伝染の範囲が広いことから、その期間はさらに以前からのものだったかもしれないことを示す。

また、研究は、ハマグリ、ムール貝、カキなど他の貝類も同様の白血病の影響を受ける可能性があるとした。これは「感染性散布腫瘍( transmissible disseminated neoplasias )」と呼ばれる。

このガン細胞は、貝の体液の循環を遮断するのに十分なほど白血病の貝の中で増殖する。これは血液や脊椎動物のリンパ液と同様の役割を提供しているため、貝は栄養素が不足する。

その結果、貝は死ぬ。


hemolymph.jpg
▲ 左は、通常のオオノガイのリンパ。右は、重い白血病に感染したオオノガイから採取したリンパ。


生物から生物に実際に悪性細胞を広める感染性のガンは非常に珍しい。

知られているたった2つの例は、噛むことによって伝染するタスマニアデビル(タスマニア島に生息する世界最大の有袋類)の顔面腫瘍と、交配によって広がるイヌのガンだ。

他のガンはウイルスによって引き起こされる可能性があり、貝のガンの研究では、今回のようなウイルスでのガンの発生を見たものとなる。


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2015年03月31日


アメリカ北西部のコロンビア川の船着き場に衰弱した2千頭以上のアシカが積み重なっている



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▲ 2015年3月26日の OPB より。


アメリカの西海岸で「飢餓状態のアシカたちが次々と打ち上げられている」ことについては、

カリフォルニアに打ち上げられたアシカの子どもの数が1800頭に達する
 2015年03月25日

という記事でご紹介したことがありましたが、今度は、同じアメリカ西海岸でも、カリフォルニアより北のコロンビア川の船着き場の上に、最低でも 2,000頭以上のアシカが「積み重なるように集まっている」という光景が出現しています。

その異常さは、下の空中撮影の写真などでも明らかですが、船着き場の上にいるのは、すべてアシカで、そのほとんど、あるいは全部が空腹状態で弱っているというのです。

SeaLions-basin.jpg


どうして、アシカばかりがこのように空腹状態になっているのか。

原因はわからない面が多いようですが、ひとつとして「アシカが増えすぎて、エサが足りなくなっている」ことにもあるらしく、そのことについて報じていた記事をご紹介します。

コロンビア川は下のあたりを流れている川です。

columbia-river-map.gif



Hungry Sea Lions Pile Into The Columbia River
OPB 2015.03.26


飢餓状態のアシカがコロンビア川で重なり合っている


カリフォルニアのアシカたちが、アストリアのイースト・ムーリング係留施設のボードの上に、文字通り、積み重なっている。

彼らは船付き場のボードのあらゆる場所の上におり、ボードのスペースが足りなくなり、アシカたちは上へ上へと積み重なるように、ぐったりと横たわっている。


SeaLions-basin-2.jpg


最新の集計では、その数は 2,340頭に上り、オレゴン州の魚類野生生物局の局員によると「気が遠くなるような数となっている」という。

カリフォルニアの海岸に空腹のアシカが次々と打ち上げられていることが知られているが、今回のコロンビア川の出来事と、カリフォルニアで起きていることは関係があると、アメリカ海洋大気庁( NOAA )の科学者、ネイト・マントゥア( Nate Mantua )氏は語る。

マントゥア氏は、アラスカ湾からメキシコまで至る太平洋の異常に暖かい海水温度が、魚やアシカに影響を与えているという。アシカは魚を海の中で食べる。

そして、現在、アシカの主要なエサであるイワシが極端に減少している。

その一方で、何百万というワカサギが今年、コロンビア川に戻った。

マントゥア氏は、「オスのアシカは、春と冬に海岸を移動している。アシカたちは、おそらく、通常の場所でエサが取ることに苦労しているのかもしれない」と述べている。

そして、生物学者によれば、コロンビア川の下流域で、アシカの生体数が大幅に増えていることも、エサ不足と関係しているのではないかという。

ワシントン州の魚類野生生物局のスタッフは、今年2月、コロンビア川で 6,422頭の非常に大きなアシカの集団を撮影した。アシカたちは、ワカサギを追って移動していたが、過去2年間で目撃された中では最大の数だ。

スタッフは、「カリフォルニアのアシカの数はかつてないほど多い」と言い、その生息数は 300,000頭にのぼっているとした。


Harbor-seals.jpg
・ 撮影されたコロンビア川の 6,000頭以上のアシカ。


魚類野生生物局のスタッフが問題としているのは、コロンビア川に春に現れるサーモンが、アシカたちによって食べ尽くされてしまうのではないかという懸念だ。

オレゴン州とワシントン州は、サーモンを保護するためにアシカを殺す許可を受けている。

また、米国議員のカート・シュレイダー( Kurt Schrader )氏をはじめとした議員たちは、魚を守るために、先住民族たちにアシカを殺す許可を与えるための新しい法案を提出している。


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2015年03月25日


カリフォルニアに打ち上げられたアシカの子どもの数が1800頭に達する



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▲ 2015年3月18日の米国 CBS ニュースより。


先月書きました、

カリフォルニアの海岸で3年連続で原因不明のアシカの座礁と大量死が発生
 2015年02月03日

という記事で、アメリカのカリフォルニア沿岸の海岸に多数のアシカ、特に子どものアシカが打ち上げられていることについてふれました。

カリフォルニアでは、3年連続でアシカの座礁が起きているのですが、今年の数は、その中でも最大で、「異常事態」という位置付けとなっています。

先日の時点では、上の記事では、2015年1月3日のロサンゼルス・タイムズの記事をご紹介していますが、抜粋しますと、

海洋哺乳類センターは、1年間で平均 600頭の海洋動物を取り扱うが、現在は 1,030頭の海洋動物に対応している。海洋哺乳類センター獣医学局の責任者、ショーン・ジョンソン氏は「大半を占めるのはもちろんアシカで、711頭に上ります」と語る。

とあるように、1月の時点で、700頭以上のアシカが保護されていたわけですが、その数は今も増え続けているようで、冒頭の CBS ニュースにありますように、確認されているだけで 1,800頭の子どものアシカが漂着していて、その多くが死亡しています。

dead_sea_lions2.jpg
The Wathchers


もちろん、これは確認されているだけで、実際には発見されない所で、どれだけのアシカが死亡しているかは推定もできないようです。

死因は、ほぼ「餓死」です。

また、ロサンゼルスタイムズの記事から抜粋しますと、

ショーン・ジョンソン氏は以下のように述べる。

「アシカの子どもたちの成長が妨げられているのです。彼らは基本的には飢餓で死んでいます。彼らには、筋肉もなければ、脂肪もまったくない。骨と皮しかないのです」

しかし、「なぜ、餓死をしているのか」ということについては、今でもその理由はよくわかっていません。

ただ、現在、カリフォルニア周辺の「海の温度」が異常に高いということがあり、これが関係しているのではないかという意見などもありますし、いろいろと原因は考えられていますが、確定したものはないようです。

2013年と2014年のカリフォルニア周辺の海水面温度の差

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▲ 2014年11月21日の In Deep 記事「冬のカオス:凍てつくアメリカ…」より。


CBS ニュースによれば、現在のアシカの漂着数は、救命できる範囲を越えていて、一部は助けられた後に、治療などが施されて海へと帰されるアシカたちがいる一方で、レスキューセンターで死ぬアシカや、安楽死させられるアシカも多く、救助センターでは、資金援助とボランティアへの参加を呼びかけてします。

アメリカ周辺の海ではこの数年、海洋生物の大量死が多いですが、今回のアシカや、あるいは、ヒトデやウミガメの大量死のように「前例のない規模」というものも増えています。

イルカやヒトデに続き、アメリカのウミガメたちの異常な座礁数から思う「6度目の大量絶滅」に向かう現在の世界
 2014年12月18日

海に何が起きているのか、その実際は今のところ誰にもわかっていません。

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2015年02月14日


ニュージーランド中部で同地域としては過去数十年で最大の約200頭のクジラが座礁し、すでに数十頭が死亡



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▲ 2015年2月14日の io9 より。


ニュージーランド中部のゴールデン湾に面した「フェアウェル・スピット」と呼ばれる場所で、現在、200頭ほどのクジラが座礁しています。現地ではボランティアによる懸命な救出作業が続いていますが、次々と死亡していっていることが報じられています。

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BBC


フゥアウェル・スピットの場所
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下は、現場の様子の動画です。




原因は特定されていませんが、この規模のクジラの座礁はこの地域として過去最大だそうです。

また、今どのようになるかはわからないですが、半数程度が死亡しているという推測もあり、厳しい状況のようです。

冒頭の io9 の記事をご紹介します。



Nearly 200 Whales Are Stranded At New Zealand's Farewell Spit
io9 2015.02.14


ニュージーランドのフェアウェル・スピットで200頭近くの鯨が座礁している

ニュージーランドで、少なくとも 198頭のゴンドウクジラ属のクジラたちが座礁しており、その中の少なくとも 24頭が死亡している。フェアウェル・スピットでは、現在、ボランティアたちによる懸命なクジラの救出活動が行われている。

ニュージーランド環境保全局は「座礁の原因は特定されていない」と述べる。

当初、ボランティアたちは 30頭のクジラの座礁を確認していたが、その数は、60頭、146頭と自体に膨れあがり、最終的には 198頭のクジラの座礁を確認した。すでに多くのクジラが死亡していると見られ、一部の報告では 70頭が死亡しているというものもある。


whale-io9-01.jpg


ニュージーランド環境保全局によれば、すべてのクジラを海域に戻すためには、少なくとも 500人のボランティアが必要だという。現在は約 100人のボランティアが、現地に駆けつけている。

ニュージーランド・ヘラルドの報道によれば、この座礁の規模は、同地域で起きたクジラの座礁の中では、過去数十年で最悪のものだという。

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2015年02月06日


イギリスの海岸に数千匹の死んだ「ヒトデ」が打ち上げられる



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▲ 2015年2月3日の英国ニュース・ノース・ウェールズより。


アメリカ沿岸では、昨年以来、ヒトデの大量死が続いています。

米国オレゴン州のヒトデは「絶滅の方向」へ。そして、その出来事から考える、神や神のようなものが自然の中に創造したものたちの色や形の意味
 2014年06月06日


このアメリカのヒトデの大量死は「消耗性疾患」と呼ばれていて、ヒトデの体が溶けて崩壊していく状態が、特にアメリカ西海岸の全域に広がっています。

先日、イギリスでも「ヒトデの大量死」の報道がされました。

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News North Wales


場所は、アベルゲレという場所の海岸で、地図では、下の場所となります。

abergele-map2.gif
Google Map


今回のイギリス大量死は、これはアメリカでの消耗性疾患とは違い、嵐や強風によって打ち上げられたものとされていて、特に謎の残る出来事ではないとのことですが、原因はともかく、ヒトデの大量死の記事は、クリップし続けていますので、今回の出来事もご紹介しておこうと思った次第です。

下は、地元のアマチュア・カメラマンが撮影したものです。




英国のニュース・ノース・ウェールズの記事をご紹介しておきたいと思います。



Thousands of dead starfish wash up on Pensarn beach
News North Wales 2015.02.01


何千もの死んだヒトデがペンサム・ビーチに打ち上げられる


荒れた天候の後、何千匹ものヒトデが、アベルゲレ( Abergele )のビーチに打ち上げられた。

2月1日、地元のアマチュア・カメラマンのゴードン・マクグッキン( Gordon McGookin )氏は、ペンサムビーチを散歩している時に、この光景と出くわした。最初は漂着したゴミだと思っていたが、近づくと、大量の死んだヒトデだということがわかり、大変にショックを受けたという。

その後の調査で、海岸の 500メートルに渡って、数千のヒトデなどが打ち上げられていることがわかった。

ゴードン氏は地元に長く住むが、「このような光景は見たことがない」と言う。

ウェールズの天然資源局の海洋監視生態学者チャーリー・リンデンバウム( Charlie Lindenbaum )氏は、「残念ながら、この種の出来事はウェールズの海岸では珍しいことではないのです。最近の荒れた天候と北風は、それによって、このように、海洋生物が海岸に打ち上げられる原因となり得るのです」と述べた。


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2015年02月03日


カリフォルニアの海岸で3年連続で原因不明のアシカの座礁と大量死が発生



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▲ 2015年1月30日の米国ロサンゼルス・タイムズより。


カリフォルニア沿岸での3年連続の異常死亡事象

アメリカ周辺の海域では、さまざまな「海洋生物の大量死」が起きていますが、今年1月に、南カリフォルニアを中心とした、公的には UME (異常死亡事象)と呼ばれる大量死が起きています。

アメリカの西海岸といえば、カリフォルニアの北部にあるオレゴン州で、数万羽と予測されるウミドリが死亡し続けているという報道をご紹介したことがありました。

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Perfect Science


このウミドリの大量死も今シーズンの冬に起きていることですが、今回ご紹介するアシカの大量死と似ている点として、「餓死が多い」ということがあります。

食べ物がないわけではないはずのに、「胃の中に何もない子どものアシカ」が大量に保護されたり、死亡しているようです。

原因については、「不明」となっていますが、カリフォルニアの異常死亡事象宣言は、今年で3年連続だそうで、海の異変もいよいよ明確なものになってきているようです。

ロサンゼルス・タイムズの記事をご紹介します。



Sick sea lions wash ashore in California; rescuers brace for bad year
Los Angels Times 2015.01.03

病気のアシカがカリフォルニアに漂着し続けている。レスキューメンバーたちは今年が悪い年になると覚悟している

今年2015年は、カリフォルニアのアシカたちにとっては残酷な年となってしまうかもしれない。カリフォルニア州に座礁するアシカの数が、この3年の間、記録的な数に達しているのだ。

海岸に打ち上げられる、病気で、かつ親から棄てられた子どものアシカの数は、この1月に驚くべき数字を示した。

カリフォルニアのサウサリートにある海洋哺乳類センター獣医学局の責任者であるショーン・ジョンソン( Shawn Johnson )氏は以下のように述べる。

「アシカの子どもたちの成長が妨げられているのです。彼らは基本的には飢餓で死んでいます。彼らには、筋肉もなければ、脂肪もまったくない。骨と皮しかないのです」

しかし、トラブルの渦中にあるのは、子どもだけではない。

海洋哺乳類センターは、2015年1月全体で、すべて異なる年齢の 67頭の座礁したアシカを捕獲したという。通常の年なら、1月に座礁して救出れるアシカは、1頭から2頭だそうだ。

ショーン・ジョンソン氏は、「アシカ全体の数も大きな打撃を受けました。それは私たちにとって、大変にショックなことなのです」と言う。

サンペドロにある海洋哺乳類ケアセンターの所長は、「今年は、アシカのリハビリテーションにとって、非常に悪い年となりつつあるのです」と語る。

現在、海洋哺乳類ケアセンターには、異なる年齢層の 75頭のアシカが収容されている。


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アシカの異常な死亡数の記録は、2013年1月にも記録されているが、今年のアシカの異常死亡数は、「その時の倍の数字」になっている。

2013年には、大規模な海洋生物の座礁に対し、アメリカ国立海洋漁業局は UME (異常死亡事象)を宣言した。

その際、科学者たちは 2013年の大量死は異常だと述べたが、ジョンソン氏は、

「しかし、それは昨年も起きて、そして、今年も起きているのです」

と言う。

海洋哺乳類センターは、1年間で平均 600頭の海洋動物を取り扱うが、現在は 1,030頭の海洋動物に対応している。ジョンソン氏は「大半を占めるのはもちろんアシカで、711頭に上ります」と語る。

座礁は多くが南カリフォルニアで起きているが、北カリフォルニアの例もある。

これは「非常に珍しい」ことだという。

通常だと、アシカたちは夏の終わりに北部へと移動し、冬には南カリフォルニアにアシカたちは向かう。なのに、今年の1月は、北カリフォルニアで多くの海洋生物を見ることにジョンソン氏たち専門家は懸念を持つ。


何が起きているのか?

この現象について、専門家たちはさまざまな説を考えている。
病気や環境が原因である可能性もある。

1991年以来、海洋生物の異常死亡事象は 60回起きている。
それらのうち、29のケースで原因が突き止められた。

それらのうちのいくつかは感染症だとされる。
しかし、1996年から、有害藻類の繁殖による生物毒素が多くの大量死事象の原因となっていると NOAA (アメリカ海洋大気庁)は述べる。

他の可能性として「アシカの生体数が移動能力のキャパシティを越えてしまった」ということを述べる専門家もいる。

カリフォルニアのアシカは、19世紀から 20世紀初頭に乱獲され、その数を減らしたが、1972年の海洋哺乳類保護法の制定は海洋生物の劇的な増加につながったとジョンソン氏は言う。

現在は生体数が豊富であり、30万頭がおり、毎年 5万頭増加するペースで増えていると推測されると NOAA の広報担当は述べている。

この大きなアシカの群れは、サポートできない可能性のある数だという。

カリフォルニアで異常死亡事象が3年連続で起きていることに対して、専門家たちはこの問題に真摯に取り組んでいる。


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2015年01月09日


米国オレゴン州の海岸でウミドリが謎の「餓死」での大量死。推定では「数万羽」が死亡



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▲ 2015年1月8日のパーフェクト・サイエンスより。


Cassin-Auklets-Dead.jpg
・カナダ CBC TV



さまざまな生物の大量死が続くアメリカ西海岸で今度は海鳥

アメリカの西海岸の、カリフォルニア州、オレゴン州から、ワシントン州の沿岸では、昨年よりヒトデの大量死が起きています。

そのあたりのことは、

米国オレゴン州のヒトデは「絶滅の方向」へ…
 In Deep 2014年06月06日

などに記したことがありますが、そのオレゴン州の海岸に現在、ウミドリが次々と打ち上げられています。

打ち上げられているのは、アメリカウミスズメ( Cassin's Auklet )と呼ばれる海鳥で、下のような黒っぽい鳥です。

pacific-coast-birds.jpg
Wikipedia

冒頭の記事では、1,200羽となっていますが、これは海岸で確認された分だけであって、多くは死亡して、海の中に落ちている考えられていて、実際の数は「数万に上るだろう」という調査チームの言葉が記事に載せられています。

原因は不明ながら、

「多くは餓死」

だそうです。

そして、その「餓死」の原因そのものがわからないのだそう。
というのも、同じタイプのエサを食べているはずの他の種の海鳥は死んでいないからです。

ただ、この報道を読みまして、オレゴン州からカナダ西部にかけての太平洋側は、「異常に海水温が高い」ことを思い出しました。昨年の記事、

海に何が起きているのか:世界の海水の表面温度が観測史上の130年間で最も高くなっている…
 2014年11月26日

でご紹介したことがありますが、アメリカの西海岸のあたりは平年に比べて非常に海水表面温度が高いのです。

sea-temp-2014b.gif


Wikipedia によりますと、アメリカウミスズメは、

アリューシャン列島から北アメリカの北西部で繁殖する。

とありますが、上の海水温度の平均との差異の図を見ますと、そのあたりの全域の海水温が高くなっていることがわかります。

このことと大量死の関係はわからないですが、アメリカでは、ヒトデ、イルカ、そして、カメなども含めて、様々な海の生物の大量死が起きています。

昨年5月には今回と同じ場所であるカリフォルニア州の北部の沿岸で、「アザラシや若いアシカが記録破りの数で死につつある」という報道がなされたこともあります。

seal-02.gif
SFGate

上の写真は、

海で何が起きているのか : 5月から始まった全世界での数百万匹規模の海洋生物の大量死の理由は誰にも説明できない
 In Deep 2014年06月02日

という記事に載せたものです。
これが今も続いているのかどうかはわかりません。

そして、今度は海鳥の大量死。

いよいよ、アメリカ西海岸の異常は際だってきているように思います。

冒頭のパーフェクト・サイエンスの記事をご紹介します。



1,200 Dead Seabirds washed up ashore
Perfct Science 2015.01.08


1,200羽の海鳥が海岸に打ち上げられる


現在、カリフォルニア州北部の沿岸からワシントン州北部の沿岸に至る広い範囲で、何千もの死んだ海鳥が打ち上げられている。専門家たちはその原因がわからず困惑している。

科学者の調査チームは、1,200体の海鳥が海岸に漂着したことを確認したが、ワシントン大学の沿岸観測・海鳥調査チーム( COASST )のエグゼクティブ・ディレクターであるジュリア・パリッシュ( Julia Parrish )氏は、この数は氷山の一角に過ぎないと語り、実際の死亡数は、数万以上に上ると考えているという。

打ち上げられている海鳥の多くは、アメリカウミスズメ(学名 : Ptychoramphus aleuticus)という小型の海鳥だ。

オレゴン州魚類野生生物局の生物学者の報告では、これらのアメリカウミスズメはの大半は「飢餓」が原因で死亡していることがわかっている。

考えられる理由としては、原油の流出や、エサの毒性化などがあるとされる。

しかし、生物学者でもあるパリッシュ氏は、疑問を呈する。

というのも、アメリカウミスズメは、他の海鳥たちと同じタイプのエビやプランクトンをエサにしているが、アメリカウミスズメ以外の海鳥たちは影響を受けていないのだ。

オレゴン州沿岸保全連合( Oregon Shores Conservation Coalition )の代表であるフィリップ・ジョンソン( Phillip Johnson )氏は、

「今回の大量死は、非常に長い距離と地理的な広がりを見せています。これは、私の考えでは、前例のないことだと思います。理由についていろいろと考えると同時に、謎が残ります」

と述べる。

科学者たちは、原因を見出そうとしているが、現在のところは明確な理由はわかっていない。


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2014年11月09日


氷点下30度のシベリア地方で相次いで発見された「フラミンゴ」と地球の磁場の異変の関係



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▲ 2014年11月7日のロシア Alta Press より。



現在、ロシアは各地で非常に寒い状態が続いていまして、 首都モスクワでも 70年前の記録を更新する早い大雪が降ったりしているようです。下の写真は In Deep の記事、

西暦1750年頃に「何らかの理由」で小氷河期の入口の手前から救われた人類。しかし、今回はどうなる? 太陽と火山噴火の増加が作り出す地球冷却のシステム

でご紹介したモスクワの 11月 7日の様子です。

moscow-snow.gif
Telegraph


そのようなロシアなんですが、モスクワよりさらに寒いシベリア地方の2カ所で、相次いで「フラミンゴが発見される」という奇妙なニュースがロシアのメディアで報じられています。

見つかったのは、シベリアのトムスクという場所と、エヴェンキという場所です。

冒頭の写真はトムスクで地元の猟師に発見され、保護されたフラミンゴの写真ですが、見つかった場所の気温は「マイナス 30度」だったとのこと。

体中、傷と凍傷だらけだったそうですが、現在は、トムスクの動物園で保護され、動物園の医療スタッフにより治療されて元気になりつつあるのだとか。

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もう一方のフラミンゴは、エヴェンキという場所で見つかり、こちらも凍傷を負っていましたが、動物園で保護され、やはり回復しているということです。

エヴェンキで見つかったフラミンゴは下の写真のものです。

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VESTI


さて、問題は「どうしてこんな場所で、フラミンゴが発見されたのか」ということで、報道では、「群れからはぐれたのだろう」としていますが、フラミンゴ - Wikipedia にある、フラミンゴの生息分布は下のようになります。

ピンクの部分がフラミンゴの生息地域で、星のある位置が、今回フラミンゴが見つかったトムスクです。

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主にアフリカや南ヨーロッパ、また、中南米などの塩湖や干潟などに生息するのだそうですが、上の地図の生息域で、今回のシベリアから最も近いカスピ海あたりからでも、距離は 1,000キロメートル近くあります。大自然の壮大な大地に生きる野生動物の世界というサイトには、

フラミンゴは、飛ぶスピードは時速50kmとも言われ飛行距離は500km以上とも言われています。

とあり、あるいは 1,000キロメートル飛ぶこともできるのかもしれないですが、しかし、前述しましたように、現在のロシアは非常に寒く、ましてシベリアでは氷点下数十度という気温状態になっていて、温暖な気候を好むフラミンゴがそんな環境の中を何日も飛び続けられるものなのかな、と正直思います。

「この方向はおかしいのでは?」と進行方向をしても良さそうですが、変更せずに極寒の氷点下の地域に飛んでいく……。

仮に、群れからはぐれたとしても、「フラミンゴが気温が下がる方向に飛んでいく」というのは釈然としませんが、渡り鳥などが進む正確に方向を把握しているのは、気温ではなく、「地球の磁場」によるものだという説が濃厚といわれています。

先日、北海道で大量のイワシが港に打ち上げられたということ報道されていましたけれど、魚の回遊も地球の磁場が関係しているとする説があります。

イワシが港を埋め尽くす 北海道、漁業者「初めて見た」
朝日新聞 2014.11.06

北海道浦河町の浦河港に5日から6日未明にかけて大量のマイワシが入り込んで港を埋め、町や漁協関係者らが回収作業に追われた。3日にはむかわ町沿岸のむかわ漁港などに約20トンのマイワシが打ち上げられたばかり。東胆振、日高沿岸でのマイワシ「異変」に、漁業者らは「こんなことは記憶にない」と驚いている。

磁場を敏感に察知して生きてきた動物たちの行動がおかしくなってきているのは、もしかすると、地球の磁場に大きな変化が起きているという可能性を示しているような気もしないでもないです。

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