- エーゲ海にあるギリシャのティノス島で「大雪によるインフラの破壊」により非常事態宣言
- 北極からの旋風「極渦」が氷点下50℃超えとなる前代未聞の寒波をアメリカにもたらす見込み
- インド北部で続く異常な寒波で50名以上が死亡
- ハワイ島に雪が降り、現在ブリザード警報が発令中
- 全世界の海氷面積が1988年以来最大に
- セルビアで、かつてない豪雪により電気も水道もすべてのインフラが崩壊した町
- オーストリアやハンガリーで、雪ではなく「氷の雨」による被害が発生
- 3日間で1年分の降雪量:小氷期の入口のような米国ニューヨーク州の大雪の凄さ
- アメリカに北極からの超寒波が到達し、「全米の全50州が氷点下」に陥る。寒波による死者も17名に
- アメリカとイギリスの広範囲に「近年で最悪の寒波と大雪の警報」が相次いで出される
【ミニ氷河期の到来】 の記事一覧
2015年01月11日
エーゲ海にあるギリシャのティノス島で「大雪によるインフラの破壊」により非常事態宣言
▲ 2015年1月8日のギリシャ Ekathimerini Snow puts Tinos in state of emergency より。
ギリシャのキクラデス諸島にあるティノス島という島が、2メートルを越える積雪を伴う暴風雪に見舞われました。
この雪により水や電気などのほとんどのインフラが麻痺し、1月8日には非常事態宣言が発令され、海軍が投入されて、現在、インフラの復旧に当たる事態となっています。
ティノス島のあるキクラデス諸島は下の位置にあります。
普通なら、このあたりは温暖そうな場所のはずですが、最近のバルカン半島の多くを覆う「異常な寒波」の影響を受けてしまったようです。
下の写真は、1月8日のティノス島の様子を撮影した動画からのスクリーンショットです。
どこの北極圏かと思われますが、紛れもなくエーゲ海に浮かぶ島の様子です。
・YouTube
ちなみに、ティノス島 - Wikipedia によりますと、この島は、
聖母マリアを記憶するギリシャ正教会のパナギア・エヴァンゲリストリア聖堂 (Our Lady of Tinos) があり、8月15日の生神女就寝祭には多くの巡礼者が訪れる。
とのことで、ギリシャ正教会との関係の強い場所のようです。
そして、相変わらず、トルコやイスラエルを含めて、中東からバルカン半島などの多くの場所で、各地で雪や寒波の予測が出続けています。
多分、この週末から週明けは、それらのかなりの範囲で雪や寒波に見舞われているのではないでしょうか。
2015年1月8日のレバノンの様子
・Facebook より。
北半球の雪や寒波の影響は、どんどん拡大しているように見えます。
それでは、ここから冒頭の記事の概要です。
Snow puts Tinos in state of emergency
Ekathimerini 2015.01.08
雪によりティノス島で非常事態宣言
悪天候がインフラを破壊し、島民たちは水も電気も奪われた
キクラデス諸島のティノス島は、1月8日、雪により島内の大部分のインフラが機能しなくなり、重大な局面に直面した。
ギリシャ政府は国民保護の観点からティノス島に非常事態を宣言した。
ティノス島の積雪量は2メートルにまで達し、1月8日時点で、少なくとも8つの村が孤立している。また、島内の学校と公共サービスはすべて閉鎖されている。
現在、ギリシャ海軍がインフラの復旧を進めているが、地域により優先順位が与えられるだろう。
ティノス島の人口は 9,000人ほどで、それら島民たちの生活復旧に対応するため、電力業者 DEDDHE の人員たちが派遣された。電力は徐々に復旧しつつある。
ティノス島近くのアンドロス島も同様の問題に直面しているとして、非常事態が宣言される可能性がある。
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ミニ氷河期の到来
2015年01月06日
北極からの旋風「極渦」が氷点下50℃超えとなる前代未聞の寒波をアメリカにもたらす見込み
▲ 2015年1月5日の Daily Mail より。
昨年11月、アメリカ大陸に「極渦」と呼ばれる北極からの大気が流れ込み、ハワイとアラスカを含むアメリカ全 50州で氷点下を記録したことがありました。
その時のことは、
・アメリカに北極からの超寒波が到達し、「全米の全50州が氷点下」に陥る。寒波による死者も17名に
2014年11月19日
という記事に書きましたが、その際の全米の気温は以下のようになっていました。
・Zero Hedge
そして、今週、ふたたび、アメリカに北極からの冷たい空気がやってくると予想されていて、それは冒頭のデイリーメールにありますように、前回の北極からの旋風よりも、さらに厳しい寒波をもたらすと見られています。
日本時間で 1月7日の体感気温は下のようになる見込みのようです。
▲ 2014年1月5日の USA トゥディより。
赤地の数字が摂氏に換算したものですが、アメリカ中部から東部あたりにかけて、体感気温が軒並みマイナス 20℃ からマイナス 50℃近くにまで下がるようで、以前の極渦の時よりもさらに激しい寒波に見舞われるようです。
場所によっては、平均気温より 10℃から 20℃下がるとのこと。
また、かなりの強風が吹くことも予想されていまして、風速によっては、最大で「体感気温が、マイナス 70℃くらいにまでなる可能性がある」と、 USA トゥディの記事で示されています。
現在の予測では、アメリカ 24州の 5000万人がこの寒波の影響を受けると見られています。また、一過性ではなく、数日間続くものと見られています。
今回の極渦は下のように影響を与えるようです。
上の予測図を見ますと、皮肉なことに、記録的な干ばつが続くアメリカ西海岸は、今回の大気の影響を受けないようで、気温は暖かいままのようです。
このアメリカ西海岸の干ばつは、過去記事の、
・カリフォルニアの干ばつが過去1200年で最悪であることがアメリカ地球物理学連合の調査で判明
2014年12月18日
などで書きましたように、過去 1000年単位で最悪の干ばつとなっていて、今、もっとも雨や雪が欲しいのはこの地域のはずですが、カリフォルニアには今回の豪雨や大雪はやって来ないようです。
下は、1月6日のアメリカの気温分布を示すものです。
紫の地域は、大幅な氷点下となるとされています。
USA トゥディでは、「今回の寒波の注意点」を記していまして、今回予測されている気温は、風に当たるだけでも凍傷になる可能性があるとして、厳重な防備で外出することを推奨しています。
日本も、繰り返し巨大な寒波に見舞われていますが、このような「北からの寒気」が何度も何度もやってくるようですと、そろそろ日常生活に大きな影響が出始めそうです。
そして、時期としては、冬の本番はこれからです。
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ミニ氷河期の到来
2014年12月26日
インド北部で続く異常な寒波で50名以上が死亡
▲ 2014年12月24日のインドの英字メディア THE HINDU より。
インド北部は12月に入って以来、長く寒波が続いていたのですが、クリスマス頃にかけて寒波が一気に強まり、インドの州の中で最も人口の多いウッタル・プラデーシュ州では、少なくとも 50名が寒波で亡くなっていると報道されています。
インド北部の各地で、平年気温より 5度から 10度も低い状態が続いているとのことで、かなりの異常気象ではあるのですが、それでも、報道を読む限りでは、寒い寒いといっても、たとえば「最高気温 18度で、最低気温 5度」だとか、実は日本の、たとえば関東などと比べると格段に気温は高いです。
しかし、やはり「寒さに慣れていない」ことや、十分な暖房器具そのものを持たない人たちが多いのかもしれない、ということもあるのかもしれません。
というのも、下のように、路上でたき火などによって暖をとる写真が多く見られるからです。
▲ 2014年12月26日のインド India TV News より。
このような環境下では、寒波が続く限り、人的被害もまだまだ出てしまう可能性はありそうです。
さらに、このインド北部の寒波は、濃い霧なども発生していて、鉄道や航空の便に影響が出ている他、交通も一部で混乱しているようです。
また、いくつかの地域では、今週いっぱい学校が休校となっているようです。
下の写真は、インドの hindustan times の記事にある写真ですが、風景がかすんでいるのは、中国のスモッグとは違い、こちらは低温による霧によるものです。
ニューデリーの空港
ジャンムー・カシミール州のジャンムー(州都)
これらのインド北部では、11月あたりからずっと低めの気温が続いているのですが、12月の中旬からは、かつてない激しさとなってきているようです。
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ミニ氷河期の到来
2014年12月24日
ハワイ島に雪が降り、現在ブリザード警報が発令中
▲ 2014年12月23日のワシントン・ポストより。
「ハワイに暴風雪警報」などというのは冗談のような響きですが、上のワシントン・ポストの報道にありますように、ハワイ島のマウナ・ロア山にある観測所で積雪が確認されました。しかも、結構な積雪となっています。
ハワイ島はその全域で、クリスマスイヴから、さらに荒れたブリザードに見舞われる予測が出されていて、高所では積雪、平野部では大雨による洪水も予測されています。
下の写真は、マウナ・ロア観測所が撮影したものです。
ちなみに、このマウナ・ロア山というのは「地球で最も体積の大きい山」であり、また、有史以来、30回を超える噴火が起こっている火山なのだそう。
そのマウナ・ロア山と、マウナ・ケア山に引き続き、暴風雪の警報が出されています。
・Wikipedia
それにしても、ハワイに雪が積もるというのも、どうにも、天候パターンの変化を感じさせるものがあります。
ワシントンポストの記事をご紹介します。
White Christmas in Hawaii? Snow falls on Big Island peaks, Blizzard Warning issued
Washington Post 2014.12.23
ハワイでホワイト・クリスマス? ハワイ島の山に雪が積もり、ブリザード警報も発令される
アメリカ 48州(ハワイとアラスカを除いたアメリカ)は、現在とても暖かい気候となっていて、積雪も少ない。クリスマスにホワイト・クリスマスの可能性があるのはミネアポリスくらいだろう。
しかし、不思議なことに、アメリカの 50番目の州であるハワイ州のハワイ島にあるマウナ・ロア山とマウナ・ケア山で降雪があり、また、クリスマスにかけてのブリザードの予測が出されており、ボストンやバッファローよりも「クリスマスらしいクリスマス」を迎えている。
ホノルルの国立観測所は、12月24日まで、吹雪を含むブリザード警報を発令した。
どのくらいの雨や雪になるのかは、はっきりと予測できないが、暴風はかなりの威力のものとなりそうで、毎時 80キロメートル程度の強風と、毎時 140キロメートルほどの突風が発生すると予測されている。
雨と強風は、ハワイ島全域に影響を与えるとされ、洪水や鉄砲水の被害も予測されるとして、国立観測所は洪水警報も発令している。
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ミニ氷河期の到来
2014年12月17日
全世界の海氷面積が1988年以来最大に
世界の海氷面積が先月の終わり頃から急速に拡大しています。
今年に入って、南極の海氷面積についてはずっと観測史上で最高となっていることは、過去記事の、
・極地の氷量の予想以上の増加にアメリカ国立雪氷データセンターが「地球は寒冷化に向かっていると認めざるを得ない」と談話
2014年10月18日
など何度かふれたことがあります。
その一方で、全世界の海氷面積については、1978年の観測開始以来の記録から見ると、中間くらいの面積が続いていました。下は、10月30日頃までの世界の海氷面積で、赤い線が 2014年を示します。
2014年10月30日の世界の海氷量
ところが、先月の終わり頃から急速な勢いで海氷量が増加し、平年比で高い面積となっていき、12月15日には観測史上4位の海氷量となっています。
2014年12月15日の世界の海氷量
・Sea Ice Extent – Day 348 – Highest Global Sea Ice Since 1988
そして、これは 1988年以来で最大の海氷量となります。
そのグラフもあるのですが、大きなものですので、左右を分割して表示します。
・Sea Ice Extent – Day 348 – Highest Global Sea Ice Since 1988
この勢いですと、世界の海氷面積が観測史上最高になる日もそう遠くはないかもしれません。
それにしても、
・海に何が起きているのか:世界の海水の表面温度が観測史上の130年間で最も高くなっているけれど、その理由がわからない
2014年11月26日
などでも書きましたが、世界の海の温度は過去最高の高さを記録し続けているというのに、海氷は増えていくというのは、何となく不思議な感じもします。
しかし、どちらもデータとしては事実なわけですので、このような現象も、それほど不思議なことではないのかもしれません。
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ミニ氷河期の到来
2014年12月07日
セルビアで、かつてない豪雪により電気も水道もすべてのインフラが崩壊した町
▲ 2014年12月3日のセルビア Kurir より。
先日の、
・オーストリアやハンガリーで、雪ではなく「氷の雨」による被害が発生
2014年12月04日
という記事では、ハンガリーやオーストリアで、「異常な低温と高い湿度」が原因と見られる「氷の雨」が降ったことをご紹介しました。
この時、ハンガリーでは、この「凍った雨」により電線や電柱などがダメージを受けて、拾い範囲で停電が発生しました。
・Freezing rain hits Hungary, 40,000 homes left powerless
その他にも、中央ヨーロッパの広い範囲で、12月1日から5日頃まで、非常に厳しい寒さに見舞われました。
下の写真は、12月3日のハンガリーの首都ブダペストの光景。椅子が完全に凍りついています。
・Icy weather freezes central Europe
下の地図で見ると、ギリシャを除いた多くの地域が強力な寒さに見舞われたと考えられます。
そして、ハンガリーの下にセルビアがあるのですが、そのセルビアでも、異常なほどの寒さと豪雪に見舞われていたことを今日になって知りました。
冒頭の記事は、セルビアのマジュダンペク( Majdanpek )という地域で、大雪のため、電気と水道を含むインフラが2日間ものあいだ使用できない状態になっていることを報じたものです。
▲ 大雪により切断されたマジュダンペクへの送電線。
電気が使えないということは、つまり、このすさまじい寒波の中で「暖房が使えない」という状態が、48時間以上も続いたようなのです。
記事には、
「住民たちはまるで拷問のような日々を送っている。これは戦争以来だ」
というような記述があります。
セルビアやクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナなどは、ユーゴスラビア紛争の長い戦争の歴史がありますが、それを比喩に出しているのですから、住民の方々の苦痛はかなりのもののようです。
また、これらの原因には、「都市化」が関係しているというような記述もあります。
日本でもそうですが、近代的なビルやマンションの暖房は、今では「電気がないと使用できないものが多い」です。ファンヒーターなどのように石油やガスが燃料のものでも、電気がなければ点火できません。
単なる電気ストーブや、あるいは石炭ストーブなどなら、電気がなくとも使えるわけですけれど、セルビアでも今はそのような暖房を使う人は少ないようです。
日本も大雪が続いていますけれど、2014年12月7日の朝日新聞の「大雪で停電、孤立 IP電話つながらず安否確認が難航」という記事には、タイトル通り停電で IP 電話が使用できなくなり、連絡がつかなくなったことや、
井内東地区の自営業の男性は自宅がオール電化住宅で、7日午前までエアコンもストーブも使えなかった。
という記述もあります。
こうなってくると、「停電」という事態に対して、何らかの準備をしておくのもいいかとも思います。家にある暖房がすべて電気がなければ使えないものだった場合は、その時の状態によっては、かなり厄介なことになり兼ねないです。
セルビアは雪だけではなく、暴風もひどかったようで、下のような光景がいたるところで見られたようです。
しかも、その木の枝なども下のように完全に「氷の枝」と化しています。
・Mondo
大雪と大寒波の報道は毎日のように世界各地から届いています。
その原因が、仮に、「ジェット気流の変化」などによる北極などからの冷たい寒気の流入だった場合は、その「気流の変化」が定着してしまうと、今後もずっとこのような異常な寒さが続くこともあり得ないことではないかもしれません。
寒波や大雪が発生するメカニズムはともかくとしても、「寒冷化」という言葉が実感できる冬ではあります。
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ミニ氷河期の到来
2014年12月04日
オーストリアやハンガリーで、雪ではなく「氷の雨」による被害が発生
▲ 2014年12月1日のオーストリアの英字メディア The Local より。
▲ 2014年12月2日のハンガリーの英字メディア Daily News Hungary より。
日本も雪の被害がすでに出ていますが、ヨーロッパでも極端な寒波が続いているようで、オーストラリアやハンガリーでは、12月の初旬、「凍った雨が降る」という現象で、交通や家屋などへの被害と停電が報告されています。
冒頭の写真は、オーストリアのヴァルトフィアテル地方が挙げられていますが、翌日などにかけて氷の雨の範囲は次第に広がり、オーストリアのかなりの地域が被害を受けたようです。そして、オーストリアと隣接するハンガリーでも首都ブダペストを含め、ほぼ全土で氷雨が降ったようです。
どうして、雪ではなく、「氷の雨」というような不思議な現象になったのかは詳しくは書かれていませんが、
「極端に低い温度と非常に高い湿度の組み合わせで起きたと考えられる」
と、オーストリアのメディアは記しています。
この氷の嵐は、強風もすさまじいものだったようで、その凄さは、たとえば、下の写真のように「横に向かってツララができている」というところでもわかります。
現地の状況は、それぞれの写真がいろいろとアップされていますので、ご紹介します。
オーストリアの状況
地域の森はほとんどがこのような状態に
氷が付着した標識
電線に付着した氷を取り除いている作業員
・The Local
ハンガリーの状況
全土で相次ぐ倒木
・Daily News Hungary
この氷雨により4万世帯が停電に
・Freezing rain hits Hungary, 40,000 homes left powerless
12月に入ったばかりですが、日本でも多くの地域で、すでに激しい雪が降っていますが、世界全体で見ても、北半球の多くの地域で、例年にはない厳しい寒さや大雪が続いています。
北極方面からの寒気の流入がさらに続くような場合、さらに北半球の非常に多くの地域が、厳しい寒さと雪、あるいは今回のような「氷の雨」のようなものに見舞われ続けるのかもしれません。
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ミニ氷河期の到来
2014年11月23日
3日間で1年分の降雪量:小氷期の入口のような米国ニューヨーク州の大雪の凄さ
この数日のアメリカは全土で記録的な寒さをむかえたと同時に、ニューヨーク州などを中心に、やはり記録的な降雪となりました。
11月23日の CNN によれば、
ニューヨーク州西部エリー郡のバッファローでは、3日間で1年分の降雪量を超えた。
という信じがたいほどの大雪だったようです。
AFP の11月23日の「記録的な大雪の米東部、気温上昇に伴い洪水の恐れ」という記事には、
この地域には60万人以上が住んでおり、バファローの南の地域を中心とした市街地では、豪雪のためドアが開かず、1週間近く自宅の外に出ていない住民も数千人規模に上っている。
のようにありますが、
> 豪雪のためドアが開かず、1週間近く自宅の外に出ていない住民
の人たちが、ツイッターなどに自宅や周辺などの写真をアップロードしています。
下のような状態のようです。
あまりにも急激に雪が積もったために、除雪も追いつかなかったようです。
しかし、住民の中には、ドアは開けられないながらも、雪を有効活用している人も(笑)。
以下の写真はすべてインターネット上に投稿されたもので、BuzzFeed にまとめられています。
家のドアが雪によって破壊されてしまった家屋
何とか窓やドアなどから表に出られた人も、先に進むにはトンネルを掘るしかない状態。
まあしかし、外に出たところで何ができるわけでもなし。
というような、文字通りのスノーマゲドンに見舞われたアメリカ東部ですが、しかし、本格的な冬はこれからなわけで、今年の冬はまだまだ壮絶な雪の光景が見られそうです。
徐々にではありますけれど、「小氷期」という言葉が実感されてきます。
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ミニ氷河期の到来
2014年11月19日
アメリカに北極からの超寒波が到達し、「全米の全50州が氷点下」に陥る。寒波による死者も17名に
▲ 2014年11月17日の Zero Hedge より。
少し前に、
・アメリカとイギリスの広範囲に「近年で最悪の寒波と大雪の警報」が相次いで出される
2014年11月13日
という記事で、北極からの冷たい大気(極渦)の到達によって、アメリカの中部から東部の広い範囲で、氷点下などの非常に厳しい気温状況が予測されていることをご紹介しました。
・上の記事より。
アメリカに、北極からの寒気の「第2弾」がやってきまして、前回よりもさらに厳しい低温と、前回よりさらに広範囲に低い気温をもたらしています。それは、ハワイ州を含む、アメリカの全州に及びました。
冒頭の気温分布は、日本時間では昨日の全米の最低気温を示したものですが、これは華氏ですので、摂氏換算にした気温を何地点かで示してみました。
左下にアラスカとハワイの気温が書かれていて、それは、
・アラスカ -35度
・ハワイ -0.6度
となっていて、もっとも気温の高いハワイの華氏「31」は、摂氏ではマイナス0.6度となり、つまり、摂氏換算では、全米のすべての州で氷点下が記録されるという、かなりの事態です。
ちなみに、道路の凍結による事故なども含めれば、先週からのアメリカでの寒波による死者は 17名にのぼっているのだそう。
・NBCニュース
この厳しい寒さはしばらく続きそうで、道路の凍結、その他の人的、経済的な被害もまだ広がる見込みです。
また、メディアでは下のような「異常に寒い冬に向けての準備」についての特集記事なども見られるようになってきています。
・elburn Herald
アメリカ、そしてヨーロッパの広範囲の地域で、近年では前例のないような寒い冬を迎えつつあることが鮮明になってきています。
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ミニ氷河期の到来
2014年11月13日
アメリカとイギリスの広範囲に「近年で最悪の寒波と大雪の警報」が相次いで出される
▲ 2014年11月13日から 18日にかけてのアメリカ全土の気温予測。 Roy Spencer より。
少し前に、
・「これは普通ではない」と気象学者:北極からの爆風によって歴史的な寒波の中のハロウィンとなったアメリカの各地
2014年11月02日
という記事で、北極からの嵐( Arctic Blast )、あるいは、極渦( Polar Vortex)がアメリカの中央部から東部にかけて吹き込み続けているため、拾い範囲で 10月としては記録的な寒さに見舞われているということを書きましたが、今後、アメリカの広範囲と、そしてイギリスなどで、それがさらに激しくなるようです。
上の気温予測を見ますと、今日 11月13日あたりからは、かなり広範囲の地域が氷点下、しかも、氷点下 15℃などを下回る気温となっているようです。
アメリカで使われる気温の華氏では、
華氏0度 → 摂氏マイナス17.2℃
華氏マイナス1度 → 摂氏マイナス18℃
となりますので、上の気温予測の色分布からですと、青、緑、紫の地域はすべて、マイナス 17℃以下という、非常に厳しい寒気に襲われるということになります。
これは11月としては、かなり強烈ではないでしょうか。
下は現在 11月13日の全米の気温です。
華氏表示の下に摂氏での気温を白カコミで書き加えてあります。
・Weathe Bell
これは、ほぼすべての地域で平均気温を極端に下回るもので、天気予報では「非常に例外的な気温」と述べられています。また、寒さと同時にアメリカの各地で大変な大雪に見舞われていることが報じられています。
▲ 2014年11月10日の NBC ニュース Millions Brace for Snowstorm Ahead of Arctic Blast (北極風により暴風雪に直面する数百万人の人びと)より。
さらに、この北極からの寒気は、イギリス、あるいはその周辺にも「歴史的な寒さと大雪をもたらす」と予測されています。
▲ 2014年11月12日の英国 Express より。
いよいよ、「かつて経験したことのないような寒い冬」が、いくつかの国と地域に到来し始めたようです。
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ミニ氷河期の到来