- 記録にはないと地元の気象学者が語るノルウェーでの「6月の雪」をもたらした原因は?
- トルコのリゼで6月中旬に大雪
- 氷が残る5月の五大湖スペリオル湖の海岸で「氷遊びと日光浴を同時に行う光景」が見られた日
- 米国ペンシルバニア州の広範囲で「テニスボールサイズのヒョウ」が降り注ぐ
- 南極の海氷が観測史上の過去最大量を日々更新。日に約7万平方キロのペースで氷面積が拡大中
- ルーマニアは「5月の雪」の中
- 世界の海氷の状況 2014年4月30日
- 全世界の海氷が観測史上3番目の面積に拡大。過去7年間では最高
- 海氷の現状 : 南極の海氷面積は観測史上最高。地球全体の海氷面積は観測史上4位。しかし、北極の氷面積は減り続けて
- 記録的な寒さが続くアメリカと、「暖かさの記録更新」が続くロシア
【ミニ氷河期の到来】 の記事一覧
2014年06月18日
記録にはないと地元の気象学者が語るノルウェーでの「6月の雪」をもたらした原因は?
「6月16日に雪が降ったこの記憶を私は永遠に忘れないでしょう」
----- 地元の気象学者トロンド・リエン氏。
▲ The Local Norway sees freak June snowfall より。
ノルウェー北部の全域で、6月16日、急激な気温の低下と共に降雪があったことが報じられています。
なんとなく、ノルウェー北部は「いつでも寒そう」というようなイメージがありますが、地元のメディアに上のように「異常な」とタイトルされているところを見ても、唐突だったようです。
▲ Framtid より。
なお、その日の気温分布ですが、下の気温図を見ると、ノルウェー北部の多くで氷点下になっていたことがわかります。
今回の記事に出て来るトロムソは、 Wikipedia によりますと、以下のような場所だそうです。
トロムソはノルウェー北部トロムス県に位置する都市である。ノルウェー北部地方の中心都市である。北極圏内に位置しているがメキシコ湾流の影響で同じ緯度の他の地域と比べれば気候は穏やかである。
この中に「メキシコ湾流の影響」とありますが、2012年にノルウェーで「魚の大量死」がありましたが、このことについて、以前、メキシコ湾流のことと絡めたような記事を In Deep に書いたことがあります。
▲ 2012年1月2日に起きたノルウェーでの魚の大量死。
アメリカのメキシコ湾から流れてくるメキシコ湾流と、ノルウェーの関係は下のようになります。
▲ 2012年01月04日の In Deep 新年のノルウェーでの魚の大量死で思い出す「メキシコ湾の原油流出と海流の関係」より。
実は北欧という場所は、気温などを含めて、アメリカからのメキシコ湾流の影響を大きく受けているという部分はあります。メキシコ湾流に大きな異変が起きた場合、北欧や英国などもその影響に下に入るのです。
そんなわけで、話がやや逸れましたが、今回の「6月の雪」について、冒頭の記事をご紹介します。
ノルウェーで異常な6月の降雪が観測される
北極からの氷のように冷たい爆風により、ノルウェー北部の全域において気温が急低下し、トロムソでは6月に入ってから初めての降雪が見られた。
北トロムソでは降雪量は4センチに達した。
地元の気象学者トロンド・リエン氏は、記者に以下のように語った。
「これは非常に希なことです。私は、6月16日に雪が降ったというこの記憶を永遠に忘れることができないでしょう」
リエン氏によると、トロムソで、過去に7月に雪が降った記録がひとつだけ残っているが、6月に雪が降った記録を見つけることはできないという。
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ミニ氷河期の到来
2014年06月16日
トルコのリゼで6月中旬に大雪
▲ 6月13日のトルコ hurhaber より。
6月13日に、トルコの黒海に面しているリゼ県の首都リゼで雪が降ったことが報じられていました。
リゼというのは下の位置にあります。
Wikipedia によりますと、このリゼというのは、
リゼは黒海地方に沿って延びる山脈の北部に位置している。海に近く、夏は涼しく(7月の平均気温=22℃)、冬は温かい(1月の平均気温=7℃)。年を通して降水量は多く、雨量の多いこの地域はトルコ最大の茶の生産地となっている。また、最近はキウイフルーツも栽培されている。
という場所だそうですが、6月の雪は意外だったようで、写真などが掲載されていました。
雪は多いところで20センチ以上積もったそうで、大雪といっていいほどのものだったようです。
北半球はこれから夏の地域が多いですが、降雪の記録の更新が続く地域も、今後も多くなりそうです。
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ミニ氷河期の到来
2014年05月30日
氷が残る5月の五大湖スペリオル湖の海岸で「氷遊びと日光浴を同時に行う光景」が見られた日
とりあえず、下の写真をご覧下さい。
2014年5月28日頃のスペリオル湖の氷の上で記念撮影をする観光客の女性
▲ 英国デイリーメールより。以下、同じ。
これは、つい最近、つまり、2014年の 5月の終わりのスペリオル湖です。このスペリオル湖は、北アメリカの五大湖のうち、最大の面積を持つ湖なんですが、この通り、まだ氷が残っているんです。
それにしても、なんで、この女性たちは「水着」で氷の上にいるんだ? と思われる方もあるかと思いますが、この日、スペリオル湖の気温は 25度くらいまで上昇し、つまり、「日光浴日和」だったのです。
こちらの写真のように、浜辺では日光浴。
しかし、その湖にはまだ氷。
何となく奇妙な光景ではあります。
スペリオル湖の氷の上でポーズをとる女性
今年の五大湖は冬に記録的な凍結をしていまして、3月の記事の、
・アメリカ大陸の五大湖のすべてが凍結に向かう。観測史上の記録を更新
2014年03月04日
でもご紹介したことがありますが、限りなく凍結が100パーセントに近づいていました。
▲ 上の記事より。
それで、春になっても長く凍結が続いていたんですが、気温がようやく 25度前後まで上がり、現在残っている氷は全体の 5パーセント程度ということですので、さすがに6月までにはすべて氷は溶けそうです。
下の写真も最近のスペリオル湖の様子ですが、何だか北極圏の海っぽい様子なども伺えます。
世界全体の方向というのはなくとも、少なくとも、アメリカの今年の気温の方向が明確になるのは、この6月からくらいかと思われます。
日本も今は暖かい、あるいは暑いですけれど、その先はまだ何ともいえない気象条件に包まれています。
タグ:スペリオル湖の氷
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ミニ氷河期の到来
2014年05月24日
米国ペンシルバニア州の広範囲で「テニスボールサイズのヒョウ」が降り注ぐ
こんなサイズのヒョウが雨あられと降りました
▲ WNEP より。
▲ 2014年5月22日のフィラデルフィアの地元メディア The Times の報道 Tribune Large hail smashes windows, dents cars in Danville, Philly より。
5月22日、米国ペンシルバニア州中部の各所で「テニスボール大」から、「あるいは、さらに大きな雹(ヒョウ)」が降ったことが報じられています。
▲ ペンシルバニア州。
降った時の様子の動画などもアップされています。
下の動画はペンシルバニア州の中部の、詳細な場所はわからないですが、この降っているヒョウが、大きなもので野球ボールとか、テニスボール大くらいあったものなのでした。
ヒョウが降った時の様子
人的被害はなかったものの、各所で、多くの車の車のガラスが割れたり、車体がへこんだり、家屋への被害などが数多く出た模様。ペンシルバニア州フィラデルフィアでは、 USエアウェイズの旅客機のフロントガラスがヒョウで割れて、緊急着陸したという事態もあったようです。
旅客機のガラスは多層構造のかなり強力なものだけに、ヒョウ以外で割れた可能性もあると報道されていますが、ネットで写真を見ますと、これで人的被害の報告がないというのは奇跡的な感じもします。
米国の報道メディア WNEP が各所からの写真を掲載していましたので、ご紹介しておきたいと思います。
Photos: Check Out the Hail in Central PA
WNEP 2014.05.22
特大のヒョウを手に持つ人物
ヒョウでウインドウが割れた車
お月見のように皿に盛った人(笑)
こちらも容器に持った様子
今年は、エリトリアという国で「1メートルのヒョウ」が降ったことがありました。
・直径1メートル以上のヒョウ(というより氷爆弾)が雨あられと降り注いだエリトリアの光景を見て思う「母なる自然の最後の勝敗」
In Deep 2014年03月18日
▲ 上の記事より。
ここまで極端ではなくとも、今年あたりからは、日本でもこういう「極端なヒョウ」を含む現象は、まだ起きそうな感じです。一昨年は私の住むあたり(関東)でも6月にヒョウが降ったことを思い出します。
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ミニ氷河期の到来
2014年05月21日
南極の海氷が観測史上の過去最大量を日々更新。日に約7万平方キロのペースで氷面積が拡大中
▲ 2014年5月12日の Daily Caller より。
昨年の終わり頃から、南極の海氷面積が観測史上で最大級に増え続けてきていたことは、過去記事の、
・世界の海氷の状況 2014年4月30日
・海氷の現状 : 南極の海氷面積は観測史上最高
など、不定期ですが、記していますけれど、ここに来てその傾向が顕著になっていて、上のような報道も出てきています。
記事の内容は、アメリカ国立雪氷データセンター( NSDC )によると、南極での海氷被覆率は、1日に約 43,500平方マイル(約7万平方キロメートル)ずつ拡大しているなどの内容です。
そして、国立雪氷データセンターは「南極の海氷はこの 16ヶ月間、記録的なレベルの増大を示している」としています。
これは、他のデータでも明らかで、コロラド大学内にある sidads のデータから作成した 5月19日の世界の海氷の状況が下です。2014年は赤い線です。
▲ sunshine hours Sea Ice Update May 19 2014 より。
上を見ても、今年に入ってから、南極においての海氷は過去最大を更新し続けていることがわかります。
2014年は、記録を更新した日が 71日間もあるのだそう。
しかし、一方で北極の海氷は、平均より少なく、そういう意味では、上の報道のような「地球寒冷化」なのかどうかはわからない面もあります。
北半球と南半球で、どうも違う傾向が見られるようです。
また、今年はエルニーニョが発生することがほぼ確定していて、世界の天候状況が、「荒れるかもしれない」ことは確定的な感じです。しかし、それが温暖傾向か、あるいは寒冷傾向かどちらの方向にいくのかはわからず、それによっては、また海氷の状況も変わっていくかもしれません。
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ミニ氷河期の到来
2014年05月06日
ルーマニアは「5月の雪」の中
▲ 2014年5月4日のルーマニア Realitatea より。
この冬から春は、ヨーロッパでも暖かい国や地域と、寒波の激しい地域とにわかれていましたが、ルーマニアは「5月になってまだ雪が降っている」という状況となっています。
上の報道は 5月 4日のもので、日本では夏日などの場所もあった日ですが、首都ブカレストなどでも雪やヒョウに見舞われていました。
この「ルーマニアの雪」は、今年の春になっても比較的続いていまして、たとえば、下のルーマニアのニュースは 4月 15日のものです。この時はかなりまとまった雪が降りました。
▲ 2014年4月15日のルーマニア Stirilepro TV より。
いかな涼しい東欧とはいえ、4月、5月に入って雪が降り続けるというのも、なかなかのもので、それは上のニュースの見出しなどを見てもおわかりになるかとも思います。
▲ ルーマニアの場所。周辺の東欧諸国に比べると、国土面積の広い国です。日本ルーマニア音楽協会「ルーマニアという国」より。
4月 15日の雪の時はかなり本格的に降り、地域の中では雪景色に戻ってしまった場所も多かったようです。
今回の 5月 4日の雪も、首都ブカレストなどで撮影された写真がネット上に多くアップされていました。
▲ 2014年5月4日のルーマニア Realitatea より。
雪とヒョウは、10センチ程度積もりました。その後、溶けた後に、街のいたるところで小規模の洪水のような状態となったとのことです。
今年は、まだ春が来ない国や地域はわりと多いですが、逆に異常な温暖に包まれている国や地域もあるわけで、地球全体としてどうこうとは言えないものの、ルーマニアの例に見るように「極端な気候」となっている場所が多いように感じます。
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ミニ氷河期の到来
2014年05月02日
世界の海氷の状況 2014年4月30日
最近、不定期ですが、何度か「世界の海氷の状況」を記事にしています。
・海氷の現状 : 南極の海氷面積は観測史上最高。地球全体の海氷面積は観測史上4位。しかし、北極の氷面積は減り続けて
2014年04月11日
・全世界の海氷が観測史上3番目の面積に拡大。過去7年間では最高
2014年04月20日
2014年 4月 30日分の南極と北極、そして世界の海氷の状況が集計されています。
以下のようになっておりました。
すべて、sunshine hours Sea Ice Update April 30 2014 – Antarctic Sea Ice 52nd daily record – Global Sea Ice 980,000 sq km Above Normal からのものです。
まず、注目すべきは南極です。
1981年から2010年までの平均より 1,388,000平方キロメートル多く、観測史上第1位となっていて、南極の氷は多いままの状況です。
また、イリノイ大学の海氷面積の集計データをグラフ化したものを見ても、今年の南極の海氷面積が突出して多いことがわかります。
▲ stevengoddard より。
その一方で、北極は平年より非常に氷が少ない状況も続いています。
北極の海氷は、1981年から2010年までの平均より 407,000平方キロメートル少ないということになっています。1981年から2014年までの中で下から5番目となっています。
世界の海氷面積は下の通りです。
全世界の海氷は、1981年から2010年までの平均より 981,000平方キロメートル多く、観測史上では4番目に多くなっています。
世界全体としてみれば、現在は例年よりも海氷の面積は多いと言えます。これで、北極圏の氷面積が上がってきるようなことがあった場合は、全体の海氷量も平年をかなり越えてくるかもしれません。
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ミニ氷河期の到来
2014年04月20日
全世界の海氷が観測史上3番目の面積に拡大。過去7年間では最高
過去記事の、
・海氷の現状 : 南極の海氷面積は観測史上最高。地球全体の海氷面積は観測史上4位。しかし、北極の氷面積は減り続けて
2014年04月11日
では、南極の海氷面積が過去最大を記録していることをご紹介しました。
最新の海氷のデータがコロラド大学の sidads から出まして、それによりますと、
・南極の面積は相変わらず観測史上最大
となっています。
そして、全世界の海氷の面積の拡大も続いています。
前回より増加の速度を速めていまして、過去数年間では最大となり、観測史上でも3番目の海氷面積ということになっています。
▲ 2014年4月17日の sunshine hours Sea Ice Update April 17 2014 – Highest Global Sea Ice For This Day in 30 years – Over 1 Million Sq Km Above Normal より。
数値としては、正確には、
・全世界の海氷
1981年から2010年までの平均より 1,088,000平方キロメートル多く、観測史上第3位。
・南極の海氷
1981年から2010年までの平均より 1,622,000平方キロメートル多く、観測史上第1位。
・北極の海氷
1981年から2010年までの平均より 534,000平方キロメートル少なく、観測史上第 28位。
となっています。
また、下は 1981年からのそれぞれの年の1年間の海氷の推移を示したものです。
このグラフを見ると、記録的に海氷の面積が減少した 2012年も、現在の4月までは海氷面積は普通に多かったことがわかります。そして、夏に向かって急速に世界の海氷面積が減っていったのが 2012年だったようです。
最近数年は、どの年も世界の海氷面積が少なかったこともわかります。
ちょうど、「地球温暖化」ということが言われていた時代でもあり、そういう意味では、その主張も通りやすかったときでもあるようです。
今年の世界の海氷の面積がここからどうなるのか。
2012年のように、夏にかけて急速に減少していくのか。
それとも、このまま拡大を続けるのか。
今年、あるいは現在が「寒冷化」への分岐点となっているのかどうかを考える上では、今後の海氷面積の増減はある程度は重要な指標となるかもしません。
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ミニ氷河期の到来
2014年04月11日
海氷の現状 : 南極の海氷面積は観測史上最高。地球全体の海氷面積は観測史上4位。しかし、北極の氷面積は減り続けて
▲ 2013年9月9日の In Deep ついに地球が本格的な「寒冷化時代」に突入した可能性より。北極の海氷の面積が1年間で 60パーセントもの大幅な増加したことなどを含めて、地球寒冷化の可能性について記したものです。
先日の、
・1850年から続けられている英国気象庁の気温解析データ HadCRUT4 の 160年分のデータが示すのは「地球温暖化」なのか「地球寒冷化」なのか
2014年04月07日
では、英国気象庁が、1850年から観測し、データ化されている 164年間の地球の毎月の気温についての記事でした。
▲ 上記の記事より。
その膨大な気温の変遷を見ても、今が温暖化に向かっているのか、それとも、寒冷化へ進んでいるのかはわかりにくいというようなことを書きました。
最近の「海氷」のデータも、ひとつの方向には向いていない複雑な様相を見せております。
科学系ブログ sunshine hours が、世界の海氷のデータを掲示しているコロラド大学内にある sidads のデータから作成した 4月 8日の世界の海氷の状況は下のようになっています。
まず、全世界の海氷の量。
▲ sunshine hours Sea Ice Update April 8 2014 – Global Sea Ice 959,000 Above The Mean and Antarctica Set Another Record より。以下の図も同様。
1981年から 2010年までの平均値より 95万 9,000平方キロメートル多く、観測史上4位の海氷面積となっており、世界全体の海氷はかなり多いことがわかります。
次に南極の海氷面積。
1981年から 2010年までの平均値より 140万 3,000平方キロメートル多く、観測史上「1位」の海氷面積となっているようです。南極では着々と寒冷化が進んでいるというような印象を受けます。
ところが、北極はそうでもないのです。
1981年から 2010年までの平均値より 44万 4,000平方キロメートル「少ない」のです。平均値を 2.97パーセント下回っていて、「北極では温暖化の傾向」というようなことになっているようです。
どうも、気温にも気候にも「地球全体でのひとつの方向」というものは今はまだ存在しないか、あるいは、もう少しゆっくりとした形で現れてくるのかもしれませんが、今後もこれらの観測データを見ていきたいと思っています。
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ミニ氷河期の到来
2014年03月11日
記録的な寒さが続くアメリカと、「暖かさの記録更新」が続くロシア
▲ 2014年3月10日のロシア RIA より。
寒すぎるアメリカの3月
アメリカの寒波は何度か取り上げていて、最近は、
・逃げていく春 : 3月でも、なお各地で次々と「観測史上の最低気温が更新」され続けるアメリカ
2014年03月06日
という記事を記しました。
アメリカは広い国土を持つ国ですので、寒くない場所もあるわけですけれど、 NOAA (アメリカ海洋大気庁)の最新のデータを見ますと、寒さが勝っている状況がわかります。
下の図は 2014年 3月 10日のアメリカの「気温の記録が更新された場所の数」を表しています。
▲ アメリカ海洋大気庁 より。
縮小していますので、わかりづらいと思いますが、下のようになっています。
過去7日間 低温の記録 2,628 地点 / 高温の記録 165 地点
過去30日 低温の記録 5,836 地点 / 高温の記録 1,995 地点
過去360日 低温の記録 58,177 地点 / 高温の記録 47,330 地点
1月1日から 低温の記録 9,286 地点 / 高温の記録 4,779 地点
これも、1年間の単位で見ると、「低温 58,177 対 高温 47,330 」と、それほど差はない感じですが、3月の第1週に相当する過去7日間は、
「低温 2,628 対 高温 165 」
と、圧倒的に寒さの記録が更新される地域が多くなっているようです。
その一方で、ロシア。
こちらもまた異常といえば異常です。
暖かすぎるロシアの3月
冒頭に載せた「 12度」というのは、3月の気温としては、日本の感覚では「普通か寒いくらい」と思うかもしれないですが、前日のロシアの声では下のように報じられています。
モスクワ3日連続 この時期の最高気温を更新
VOR 2014.03.10
モスクワ市北部の全ロシア展示センターにあるモスクワ気象観測所で今日10日14時、10,6℃が記録された。
モスクワ市及びモスクワ州気象観測局が10日発表した。これまで最高だった1997年3月10日の記録を0,4℃上回った。
専門家によれば、今日の最高気温は夕方にならなければ分からないが、3日連続でこの時期の最高気温を更新したのは、すでに明らか。8日には、2007年の7,5℃を上回る8,3℃が、翌9日には、1995年の7,2℃を上回る8,9℃が記録されている。
そして、次の日に、「 12度」という新しい記録をさらに更新したということになります。
熱帯の生き物も生きられる
ロシアの暖かさといえば、ロシアのサンクトペテルブルグという町の路上で、「ワニが発見される」というニュースがありました。
▲ 2014年3月6日のロシア rfn より。
報道では、
サンクトペテルブルグのヴァヴィーロワ通りに面した建物の庭のゴミ捨て場で、ナイルワニの子供が発見された。のち、体長1.5m、生後3−4日と判明。専門家によれば、ワニは卵の状態でサンクトペテルブルグに運び込まれた。
ということで、ワニの卵が持ち込まれたということなのですが、これはつまり、「サンクトペテルブルグで孵化したこのワニは、3〜4日、その路上で生きていた」ということになります。
「サンクトペテルブルグの冬ってワニが3日も路上で生きられるほど暖かいのかねえ」とは思いましたね。
▲ サンクトペテルブルグの場所。
当日のロシアの天気予報を見ると、日中の気温は下のようなものでした。
▲ 2014年3月7日のロシア NTV より。
それほど暖かいとは思いませんけれど、その後、トップに貼ったニュースのように、どんどんと気温が上がっていったようです。
いずれにしても、もはや、これまでの地域的な気温の常識が通用しなくなってきているということは言えるのかもしれません。
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ミニ氷河期の到来