2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2016年02月06日


台湾 M6.4 地震でビルの多数の倒壊により生き埋め等が多数発生の情報



2月6日早朝のツイッターの投稿より台湾の地震直後の様子
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自由時報


今朝起きましたら、今日( 2月6日)の早朝、台湾でマグニチュード 6.4の地震があったようで、まだ発生したばかりですが、SNS などの画像を見る限りは、かなりの被害が出ているようです。


地震で倒壊したと見られるビル

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Twitter


マグニチュード6程度なら、日本同様に地震が多く、建物の設計もそれなりの耐震設計であるであろう台湾にとっては、それほど巨大な地震ということでもないとは思うのですが、震源を見ると高雄など都市近くの直下だったこともあり、建物が多く倒壊してしまったようです。

台湾の地震の震源
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news.sina.com.cn

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まだ被害の規模はわからないですが、この台湾の地震で思うのは、「マグニチュード6程度の地震でも、直下型の場合はこのような被害となる」ということです。

地震で倒壊したと思われるビル
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Twitter


日本でも、2月5日に、神奈川県震源の地震で首都圏全体が揺れましたが(報道)、その地震の規模はマグニチュード 4.6で、震源の深さは 30キロでしたが、こういう首都圏型の地震が、台湾の地震のように「直下震源のマグニチュード6以上」なら、予想以上の被害が出るものなのかもしれないなとも思います。

日本や台湾のような地震国が地震に見舞われるのは仕方ないことで、それ自体は受け入れる必要がありますが、逆にいえば、今の時期は、地域によっては「いつ大きな地震が起きても不思議ではない」というように思って過ごしていてもいいような気もややします。



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2015年12月26日


日本人科学者による「巨大地震の前の高層大気の電磁信号の変化」に着目した地震予知理論



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biz.chosun.com


地震大国である日本と違い、韓国は、地震、特に大きな地震がほとんどない国ですが、その韓国で、12月22日にマグニチュード 3.9の地震が発生したことが大きく報道されていました。

マグニチュード 3.9程度の地震なら、日本でなら、ほぼ毎日起きているようなもので、たとえば、地震履歴を見ますと、12月24日から26日の3日間だけでも、日本でマグニチュード3以上の地震は、8回以上起きています。

日本においては、その程度の地震なのですが、地震のない韓国では下のように報道されていました。

韓国西部でM3.9地震発生 今年最大の規模
朝鮮日報 2015/12/22

韓国気象庁は22日午前4時31分ごろに西部の全羅北道・益山付近で発生した地震の規模がマグニチュード3.9だったと発表した。今年、韓国で起きた地震のうち、最大の規模となる。


この地震のため、地震に関係する様々な報道がなされていまして、中には、下のように「地震雲」なんてタイトルまでもありまして、「韓国にも地震雲という概念があるのだなあ」と初めて知りました。


jishin-gumo-01.gif
insight.co.kr


そして、その韓国の地震関連の記事の中に「日本人科学者が、大気中の電磁信号の変化に着目した地震予知理論を発表した」というものがあったのでした。

北海道大学の日置(へき)教授という方が紹介されていたのですが、これは、読んでみますと、過去、巨大地震の前に「高層大気の電子数などに異変が起きる」ということが観測されていたことがあったのですが、そのことを指しています。

そして、このことを研究していた科学者が日本人でもいらっしゃったとは知らなかったですので、その記事をご紹介したいと思います。

ちなみに、この「巨大地震の前の高層大気の変化」につきましては、In Deep の、

衝撃のデータ: 3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化
 2011/05/20

ネパール大地震での上層大気圏に変化から見る「地震の原因は宇宙にある」こと
 2015/05/03

などにある実際のデータでも顕著に示されています。

なお、日置教授の論文「巨大地震直前に増える電離圏の電子」は、こちらのリンクから読むことができます。

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それでは、ここから韓国メディアの記事です。

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biz.chosun.com

日本人科学者による、大気中の電磁信号の変化に着目した地震予知理論


12月22日、全羅北道の益山市でマグニチュード 3.9の地震が発生し、住民たちを驚かせるという出来事が起きた。

科学の発展した今もなお、まだ地震を予測する方法は出ていないのが現状だ。今後も私たちは、このように地震に対してお手上げのまま生きていくしかないのだろうか。

そんな地震の被害を誰よりも多く経験している日本で、新しい地震予知法が示されている。

大気層の電気の流れが変化すると、地震が迫っているかもしれないという理論だ。

北海道大学の日置(へき)幸介教授は、最近、米国で開かれた地球物理学連合学会で「地殻が揺れる数分前、最長で数日前から地表と空気の電磁気信号が異常な状態となる事実を確認した」と発表した。

日置教授は、地震が起きると、地球大気の最上部にある電離層がかく乱され、衛星からの GPS(全地球測位システム)信号が普段とは変化すると考えた。

実際に、2011年の日本東北部を襲ったマグニチュード 9.0の地震が起こる 40分前に、電離層で電子が急増したことが分かった。

日置教授は、今回の学会で、日本のほか、地震発生前に電離層の電気信号が乱れた例が9件発見されたと発表した。

NASA エイムズ研究センターのフリードマン・フロイント博士は、このような現象につ​​いて、地震発生直前に地殻が衝突し、電子が移動するためだと推定した。

ほとんどの岩石の結晶には酸素原子2個が結合した状態で存在する。

知覚の衝突で膨大な熱と圧力が発生すると、酸素との間の結合が壊れ、地殻の衝突で大量の熱と圧力が発生する。そして、酸素原子の結合が壊れ、電子が不足する。

それを埋めるために電子が移動し、地表と大気の電気信号が変化するとの見方だ。

フロイント博士は、地震が起きる際、地表から正体不明の光が出て、羅針盤の針が揺れることもそのためだと説明した。フロイント博士は小規模な実験でこの理論を立証している。

もちろん、これまでの研究では、すべての地震が発生した後に、測定されたデータを分析したものであり、実際の「自然の予測」につなげるためには、根拠となるデータが、より多く必要となる。


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2015年12月17日


イエローストーンから伸びているアイダホ州の地質構造帯で群発地震が続いている



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▲ 2015年12月11日の米国 7KTVB より。


アメリカのアイダホ州で、先週以来、小さな地震が集中的に起きています。

この地震が多く報道されている理由は、

・アイダホ州での過去最大の地震は、現在、群発地震が起きている場所で起きた

・群発地震が起きている場所が、イエローストーン公立公園から、地質的に伸びている「センテニアル・テクトニック」という地質構造帯上で起きている


というふたつの理由からのように思います。

このあたりは、ふだんは、ほぼ地震のない場所です。

群発地震が起きている場所
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・Google Map


そして、この、ほぼ同じエリアでは、昨年にも群発地震が起きていたということも思い出されます。


2014年3月から4月のアイダホ州の群発地震
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MSB


この連続で起きている群発地震が、イエローストーンの活動と関係があるかないかはともかく、最近のアメリカは、

オクラホマ州での地震の発生数がいよいよ異常な領域に : 今年だけで地震の回数は「5000回超」
 2015/11/28

など、いろいろなところで地震が増加していまして、それらの場所では専門家たちから「大きな地震がいつ起きても不思議ではない」ということが言われています。

地震は世界的にも増えていますが、いろいろとどうなのでしょうかね。

アイダホ州の地震について、アメリカの報道からご紹介します。

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Another earthquake swarm shakes east-central Idaho
7KTVB 2015/12/11

アイダホ州中東部でまたも群発地震が発生

12月の第二週から、アイダホ州中東部で 40回以上の小さな群発地震が記録されているが、専門家によれば、さらに別の群発地震がこの地域で起きているという。

12月11日、アイダホ州チャリス当局は、12月8日から始まった、この群発地震による被害は確認されていないことを報告した。

今回の群発地震での最大マグニチュードは 2.9だが、この地域では、今年 1月にマグニチュード 5の地震が発生しており、専門家たちは、これの群発地震と大きな地震との関係があるのかどうかということについて、この断層に対しての研究を進めている。

アイダホ州で最大規模の地震は、1983年に今回の群発地震と同じ場所で起きた、マグニチュード 6.9の地震だ。この場所は、アイダホで持ったも高い峠であるボラー峠( Borah Peak )の近くだ。

アイダホ大学の地質学者、ウィリアム・フィリップ( William Phillips )氏は、地質学者たちは、この群発地震が大地震のような現象につなかるかどうかははっきりとはしないと述べている。


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2015年11月28日


オクラホマ州での地震の発生数がいよいよ異常な領域に : 今年だけで地震の回数は「5000回超」



2015年11月23日の報道より
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News Channel 4



アメリカのオクラホマ州で、異常ともいえる回数の地震が続いていて、今年 2015年だけでも、5000回以上の地震が記録されたことが報道されています。

オクラホマ州の場所
Oklahoma-map.gif
Wikipedia


アメリカ地質調査所( USGS )の地震データを見ますと、この1カ月だけでも、下のように、マグニチュード 2.5以上の地震だけでも、1500回ほどの地震が記録されていることがわかります。


2015年10月29日から11月28日までの30日間のオクラホマ州の地震
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USGS 30 Days, Magnitude 2.5+


これは確かに多いですね。

このオクラホマ州では、2009年頃から急激に地震が増えてきているため、人為的な原因についても多く述べられます。

特に、シェールガスの採掘による影響ではないかという意見は根強いですが、しかし、これが原因だという結論が出ているわけではないです。

下の記事は、2014年7月の CNN のものです。


オクラホマで地震が多発、シェールガス採掘に関連か
CNN 2014/07/14

米オクラホマ州で12日から13日にかけて7回の地震が相次いだ。地震の多発とシェールガス採掘との関連を指摘する見方もあり、今後さらに強い地震が発生する可能性もあると専門家は警告している。

オクラホマ州では2009年ごろから地震が多発するようになった。同州で1978年から2008年の間に起きたM3.0以上の地震はわずか2回。ところが09年には20回、翌年は43回の地震に見舞われ、以後は2012年を除いて毎年増え続けている。

14年6月19日までの発生数は207回に達し、カリフォルニア州の140回を抜いた。

地震が多発するようになった原因は地質調査所などが調査中だが、シェールガスの採掘に伴い廃水や化学物質を高圧で流し込む水圧破砕法に起因する可能性も指摘されている。

米地質調査所の専門家は、「過去半年の地震発生頻度をみると、さらに大きく破壊的な地震の発生を懸念する理由は十分にある」と警告した。



ということで、昨年 2014年の地震の回数は、「半年で 207回」ということで、今年の 5000回という数に比べると、昨年はずっと少なかったようです。

2015年は特に増えた感があります。

冒頭に示した記事は、上の CNN の

> 過去半年の地震発生頻度をみると、さらに大きく破壊的な地震の発生を懸念する理由は十分にある。

というものと同じ理由によるもののようで、今後、オクラホマで巨大地震が発生するかもしれないということを述べる専門家たちは多いようです。

確かに、この急激な地震の増え方は、すでに非常事態といえるものなのかもしれません。

オクラホマ州の報道メディア NewsChannel4 の記事の概要をご紹介します。

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Experts say it’s only a matter of time before the “big one” shakes Oklahoma
NewsChannel4 2015/11/23


専門家たちは「大きな地震」がオクラホマで起きるのは時間の問題だと述べる


かつて、オクラホマといえば、平原にそそぐ風が有名な場所だったが、今ではすっかり別のことで有名となってしまった。

それは、地震だ。

今のオクラホマは、世界で最も地震活動が激しい場所として知られることとなった。

今年のオクラホマ州は、現時点で 5,000回以上の地震を記録している。

オクラホマの住民たちは、すっかり地震にも慣れ、小さな揺れにはまったく動じなくなったが、しかし、専門家たちは、オクラホマ州での地震の規模が次第に大きくなっていることを指摘する。

オクラホマ州に住む私たちは、自分たちの生活が変えられてしまうかもしれない状況となるのが時間の問題だと言われているのだ。

地震による多くの被害は、すでに長期間にわたって撮影され続けている。

2011年には、マグニチュード 5.6の地震が発生した。これは、最近のオクラホマ州の歴史の中で最大規模の地震だった。

しかし今、研究者たちは、さらなる大きな地震の発生が差し迫っていると述べている。

オレゴン州立大学の水文地球物理学( hydrogeophysics )の専門家であるトッド・ハリハン( Todd Halihan )氏は、「これから私たちが経験する地震が、どのくらいの規模のものなのかは正確にはわからないですが、少なくとも、マグニチュード 5から 6の範囲より大きな規模が予測されています」

そして、氏はこのように言う。

「オクラホマ州の都市部の建物は、ほとんど耐震設計がされていません」


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2015年10月31日


米国サンフランシスコ周辺地域で、過去のデータをすべて上回る件数の群発地震が発生中。その数、2週間で450回



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▲ 2015年10月31日の Extinction Protocol より。



アメリカ西海岸のサンフランシスコ周辺で、過去に記録のないほどの数の群発地震が起き続けています。冒頭のように、過去2週間の地震の数は 450回を越えてきているようで、確かに、尋常な数ではないものなのかもしれません。

西海岸といえば、昨年3月にもマグニチュード 5.1の地震が発生して、その余震が 100回を越えたことを、

余震が 100回を越えた米国ロサンゼルスの地震は「サンアンドレアス断層」を刺激したかもしれないと専門家たちはいう
 2014年03月30日

という記事に記したことがあります。

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CTN


このアメリカ西海岸というのは、サンアンドレアス断層という巨大な断層が走っているところで、ここが崩壊する形での巨大地震が起きた場合、壊滅的な被害が出ることが予測されています。

サンアンドレアス断層
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最近では、このサンアンドレアス断層での地震を題材にした『カリフォルニアダウン』(原題:San Andreas / サンアンドレアス)というような災映画もあったりいたしますが、まあ、とにかく、このサンアンドレアス断層で地震が起きると「結構大変なことになる」ことは想定されているようです。

その場所で群発地震が収まらないということで、報道となっている部分もあるのかもしれません。

米国 NBC の報道からご紹介いたします。

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Earthquake Swarm Tally in San Ramon Keeps Rising, Quakes Now Near 450 in Two Weeks
NBC 2015/10/29


カリフォルニア州サンラモンでの群発地震の活発化は続いており、2週間で450回に達している


サンフランシスコ・ベイエリアの街での群発地震数が上昇を続けており、アメリカ地質センターの履歴データによれば、過去の記録をすべて上回っている。

10月28日までの2週間で、サンフランシスコからサンラモンまでの地域では、マグニチュード 2以上の 86の地震を含む 446回の地震を記録した。

10月27日と28日の2日間だけでも 28回の地震が発生している。

この地域の記録では、2003年に 31日間で 120回の群発地震が起きた記録がある。

また、1990年には、この地域で 42日間のあいだ群発地震が続き、最大でマグニチュード 4,4の地震を含む 351回の地震か起きたことがあるが、今回の地震はこのどちらの記録も大幅に上回っている。

ただ、アメリカ地質調査所( USGS )によれば、古いデータは、地震発生の取得に対しての技術が現在のように敏感ではなく、機器が小さな地震を検出していなかった可能性もあるという。

それにしても、今回の2週間で 450回という数は、過去の記録と比べて、飛び抜けて多いのではないだろうか。

サンラモンの住民マーク・ストーンさんは、「ここに住んで以来の数十年で、こんなに揺れを数多く感じたことはないです」と述べる。

マークさんのペットの犬は揺れる数秒前に地震を感知するという。

USGS の科学者たちは、「この歴史的な群発地震の特徴からは、この群発地震は、さらに数週間ほど継続する可能性がある」と指摘しており、今後もマークさんの犬には忙しい日々が続きそうだ。

しかし、科学者たちは、これが大地震の前触れである可能性はほとんどないとも付け加えた。


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2015年07月02日


アイスランドの地質に何が?:6月30日から突如として始まった「非火山性」の群発地震



昨日、何となくアイスランド気象庁のサイトを見ていましたら、地震のページで、明らかに異変が起きていることが示されていました。

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Icelandic Met Office


6月30日の夜8時前後くらいから、突如として群発地震が発生し始めたことがわかります。

アイスランドの群発地震は、火山性のものなら、それほど珍しくないですが、今回の地震には珍しいこともあります。

それは、上の地図で赤で囲んだ群発地震が発生している場所に「火山はない」ということです。下のアイスランドの火山一覧をご覧いだくとおわかりでしょうが、現在、群発地震が起きている場所には、火山はありません。

iceland-volcano-map.gif
アイスランドの火山一覧


アイスランドで、火山が絡まない群発地震、しかも、これだけの数のものは珍しいと思います。

地震の状況は現在(日本時間 7月2日午前11時頃)は下のようになっていて、マグチュード5クラスの地震も発生していることがわかります。

iceland-earthquake-0702.gif


過去48時間の地震発生回数は、561回に及んでいて、そのうち、マグニチュード3以上の地震が 36回と、それなりの規模の群発地震となっています。

グラフを見ていると、一応は収まってきているように見えなくもないですが、ちょっとよくわからない地震ですので、注目してみたいと思います。

いろいろ起きているヨーロッパですし、人的社会が荒れる時は地質も荒れるかもしれないですし。

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2015年03月14日


アメリカ地質調査所が「オクラホマ断層の地震が数十年前の300倍に達している」として、将来的な大地震を予測



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▲ 2015年3月6日のアメリカ地質調査所( USGS )より。


アメリカのオクラホマ州では、昨年以来、断続的に非常に多い群発地震が続いています。

地質の憂鬱の中にいるアメリカ
 In Deep 2014年03月31日

という記事に 2014年 2月 13日からの1週間だけで、200回以上の地震が起きたことを示す下の図を載せたことがあります。

オクラホマ州の2014年2月の群発地震
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この時などを含め、1週間で数百回というような尋常ではない数の地震が起きていたのですが、3月6日にアメリカ地質調査所が発表した研究論文によりますと、

2009年から 2014年の5年間に 3600回以上の地震が発生

したとのことで、それはほとんどが上の地域での局地的な群発地震のようです。

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THP


アメリカ地質調査所は「オクラホマ断層での将来的な大地震の可能性」も論文の中で記しています。

今回は、その論文の概要をご紹介したいと思います。



Reawakened Oklahoma Faults Could Produce Larger Future Events
USGS 2015.03.06


再び目覚めたオクラホマ断層が将来の地質的事象を起こす可能性


オクラホマ州で数千の地震を発生させた再活性した断層が、将来的に大きな地震を引き起こす可能性があることについてのアメリカ地質調査所の研究論文が、科学誌ジオフィジカル・リサーチ・レターズ( Geophysical Research Letters )に掲載された。

2009年後半以来、オクラホマ州中部北では、マグニチュード3以上の地震のレートが、数十年前に比べて約 300倍高くなっている。

2009年から 2014年の間に 3600回以上の地震が発生しており、これらの地震が 4〜 6キロメートルの浅い深度において、横ずれ断層で発生したことが同定された。

これらの地震のいくつかは、揺れと被害に結びついた。

アメリカ地質調査所では 474の地震について、15万 3000人から揺れを感じた報告を受けた。

研究論文の主筆のアメリカ地質調査所の地球物理学者ダン・マクナマラ( Dan McNamara )氏は、「断層を識別することにより、今後起こりうるかもしれない大地震に関してのガイダンスを提供し続けるつもりです」と述べる。

オクラホマ州のこの断層は、もともと約 300万年前に形成され、石油やガスベアリングの地層構造としても知られている。

再活性化したこの断層は、将来的に、より大きな地震が増加する可能性を持つ。


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2014年07月13日


英国とフランスの海峡にあるチャンネル諸島で過去100年で最大のマグニチュードの地震が発生



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▲ 2014年7月11日の英国ヘラルドより。


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フランスとイギリスの海峡にある、ジャージー島、ガーンジー島、オルダニー島、サーク島、ハーム島などからなるチャンネル諸島という場所があります。

ここで、7月 11日に「過去 90年から 100年で最大の地震」が発生しました。

過去最大といっても、マグニチュード 4.2〜 4.6程度(観測機関によって多少数値が違います)で、日本などでなら毎日のように起きている程度の規模の地震でしかないのですが、このあたりの欧州は全体として地震そのものが少ないですので、この程度の地震でも「 100年に1度の地震」ということになってしまいます。

ただ、規模そのものではなく、100年近く起きていなかった規模の地震が発生したというできごと自体に意味があるとは感じます。

ちなみに、チャンネル諸島で地震の観測が開始されて以来の、比較的規模の大ときな地震は次のようになるようです。

channel-since-100y.jpg


・1853年にマグニチュード5.2
・1926年にマグニチュード5.1
・1933年にマグニチュード5.2



ということになっており、なんとマグニチュード4を越える地震は、「過去 160年間で3回」という、とにかく地震のない場所のようです。

そして、今回も、90年から 100年ぶりくらいに、それなりの規模の地震が起きたわけですが、これが過去のように単発ならそれほど問題ないのでしょうけれど、英国の気象局は、余震を含めて、今後も警戒するように述べています。

なんといっても、最近の In Deep の記事、

2014年の大地震の数は「平年の2倍以上」となっていた : そして科学者たちが探る地球規模での《地震のコミュニケーション》
 2014年07月08日

などに記しましたように、そもそも今年 2014年は「地震が異常に多い」のです。

そして、もう少し長いスパンで見ても、この100年間くらいの世界での地震の発生数は確実に増えています。


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b-2010-earthquakes-magnitude-6.gif


この傾向が今後も続くかどうかはわからないですが、特にもともと地震の多い日本などの場合は、「いつ大きなものが起きてもおかしくない」というような心構えはあってもいいのかもしれません。

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2014年06月15日


全世界の地震の連動:今度はアラスカのブルックス山脈で極めて珍しい群発地震



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アラスカ・パブリック・メディアより。



米国アラスカにブルックス山脈という場所があります。
下の位置にある場所です。

broocks.gif


そのブルックス山脈で、6月の初めから群発地震が続いています。

最大震度は、6月6日に起きたマグニチュード 5.5の地震でした。

この地域での群発地震、あるいはマグニチュード5.5という規模の地震は非常に珍しいことと共に、今回の地震で印象的だったのは、アラスカ地震情報センターのマイケル・ウェスト( Michael West )センター長の以下の言葉でした。

「この一連の群発地震は、地球に何か起きていることを示しています」



このブルックス山脈は火山ではないため、地震は火山活動とは関係なく、地質的活動のようなのですが、最近の世界中の多くの珍しい地震。

たとえば、6月はじめに起きたイエローストーンの強い群発地震。

In Deep の、

イエローストーン国立公園から動物たちが逃げ出している
 In Deep 2014年04月02日

という記事には、今年3月のイエローストーンの群発地震について記しています。

そして、イエローストーンでは、6月3日にも群発地震が起きたことが、米国のメディアで報じられていました。

他にも、アメリカでは昨年から各地で群発地震が記録されています。

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また、地震の少ないタイで、観測史上最高のマグニチュード6の地震が発生していたりもします。

タイで観測史上最大の地震が発生。飛騨高山では群発地震に紛れて「地震ではない揺れ」までも観測
 In Deep 2014年05月06日


日本も含めて、これまでなかった地震が多く起きており、これについて、ここでは長くなるのでふれないですが、ロシア空軍の司令官であるヴィクトール・ボンダレフ(Viktor Bondarev)氏により、「ロシア機が北米大陸の危険な磁場異常を感知している」ことを報告したというようなことが言われています。

そこには、

・磁場異常
・地磁気の急激な弱体化
・ポールシフト


というようなことがふれられていますが、地磁気とポールシフトには密接な関係があり、地磁気の異常にしても、ポールシフトにしても、これらは地球全体に影響を及ぼすことでもあり、今後の世界的な地震活動に懸念が持たれるところかもしれません。

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2014年05月27日


ほとんど地震のない中国とミャンマーの国境付近でマグニチュード5.6の地震が発生し、約1万棟の家屋が損壊



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▲ 2014年5月24日の人民網より。


5月23日、中国の雲南省でマグニチュード5.6の地震が発生しました。

マグニチュード 5.6 というのは、日本の感覚でいえば、それほど大きな地震といえるものではなく、日本ではほぼ被害の出ない程度の規模の地震ですが、今回の中国の地震は上の写真のように、多くの家屋が倒壊、あるいは損傷を受け、大きな被害となっています。地震後の余震は翌日までに 300 回を数えているそう。

地震が起きた場所は下の場所です。

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ここは、中国側からはミャンマーとの国境に近い場所にありますが、ミャンマーのほうでも下のように被害が出ているようです。ただ、ミャンマー側の被害は報道が少なく、詳細はわかりせん。

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▲ 2014年5月24日の mthai より。


人的被害は少なく、中国側で負傷者が十数名出た程度で、ミャンマーでは人的被害は報告されていません。


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▲ 雲南省にある小学校。他にも多くの学校が被害を受けて、休校や、あるいは学校再建について討論されているようです。 chinanews より。



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▲ このように全壊した家屋も多数だとのこと。 znews.com より。



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▲ 地震による落石した岩石を取り除く作業員たち。 4hw より。


ちなみに、災害が起きると、中国の国防部ウェブサイトには「兵士たちが被災地の人々を救う様子」がすぐに掲載されるのですが、今回もさっそく「山を越え、被災者たちに食糧を届けた」というストーリーが掲載されていました。

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▲ 被災地に食糧を届ける兵士。中国国防部ウェブサイトより。


しかし、思うのは、マグニチュード 5.6 程度の地震でここまで家屋に大きな被害が出るという状況そのものの問題で、これがマグニチュード7や8のような大地震だった場合、ほぼ「全滅」という状況になるはずです。

この地域のあたりは基本的にはふだん地震がない場所ですので、そもそも耐震設計などという概念は中国、ミャンマー共にないでしょうし、あるいはアジア地域の多くがそうです。

変化しつつある地球を考えてますと、今後は「これまで起きたことのないような場所でも大きな地震が起きる」ということが多くなっていくように思います。

そのあたりに懸念を感じます。

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