- トルコ中央部のコンヤで発生が続くシンクホール。今年春から10個目に
- ロンドン近郊で、同国史上最大のシンクホールが発生。そして、そのイギリスでは、平年の5倍の数のシンクホールが発生し続けている
- カリフォルニアの貯水池が一晩で干上がり、死んだ魚が干からびた湖底に残されるという現象が発生
- ギリシャ・テッサロニキの黙示録
- 史上最強のエル・ニーニョ(赤道海域の海水温の異常な上昇)が進行中。アメリカ海洋大気庁は異常気象の頻発を警告
- 2014年から拡大を続け、世界最大級となったロシア ・ ソリカムスクのシンクホール。大きさは10ヵ月で約4倍に
- 史上初:4つの大規模ハリケーンが「同時」に発生という異例の現象
- メキシコで黙示録的な雹(ひょう)嵐。4名が死亡
- 米国ネバダ州で、7月と8月の二ヶ月だけで原因不明の群発地震の数が「5700回」にのぼっている
- 米国オレゴン州沿岸に押し寄せ続ける「原因のわからない紫色の波」
【異常気象と現象】 の記事一覧
2015年10月10日
トルコ中央部のコンヤで発生が続くシンクホール。今年春から10個目に
コンヤで10月初めに発生したシンクホール
・BGN NEWS
トルコにコンヤという場所があります。
下の位置にあるところです。
・Google Map
ここは今年6月に「3ヶ月で9つのシンクホールが発生している」ということで、
・トルコ中部の町コンヤに3ヶ月で9つのシンクホールが開き、動揺する住人たち
2015年06月29日
という記事でご紹介したことがあります。
下のようなシンクホールが次々と発生していました。
2015年5月にコンヤに発生したシンクホール
2015年6月にコンヤに発生したシンクホール
2015年7月にコンヤに発生したシンクホール
・todays zaman
このコンヤに、10月初め、またしてもシンクホールが発生したことが伝えられていました。
これで過去2年間での発生数が「 13個」になったそうで、今年の春からだけでも 10個目となるのだそうです。
もともと、この地方はシンクホールが発生しやすい場所ではあるようですが、今年になって 10個も立て続けに発生し始めたという原因は明確にはわからないながらも、気象や地質やいろいろな原因が絡み合っているものではありそうです。
いずれにしても、シンクホールのニュースが最近またとても多いです。
トルコの BGN ニュースからご紹介します。
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Giant sinkhole forms in central Anatolia’s Konya, thirteenth in 2 years
BGN NEWS 2015.10.07
アナトリア地方コンヤに巨大シンクホールが出現。過去2年間で13個目
トルコのアナトリア地方にあるコンヤで、幅 10メートル、深さ 7メートルのシンクホールが農地の上に出現した。
これはこの地域で、過去2年間で 13個目となるシンクホールで、今年の春からだけでも 10個目となるものだ。
このシンクホールは、町の中心部から約 7キロメートルの場所にあり、最寄りの住宅地からは 500メートルほどの場所にあたる。
この地域では、いくつかの古いシンクホールの存在がある。その中には、深さが 70メートルに達するものも含まれる。
最近急にシンクホールが増えた原因としては、春の降水量が多かったことと関係あるのではないかと地元の人々は言う。
トルコ・セルチュク大学の地質工学教授であるフェトゥラー・アリク氏は、この地域では、これまで 200以上のシンクホールが確認されているという。
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異常気象と現象
2015年10月08日
ロンドン近郊で、同国史上最大のシンクホールが発生。そして、そのイギリスでは、平年の5倍の数のシンクホールが発生し続けている
▲ 2015年10月07日の英国 THE WEEK より。
ロンドンにも近いセント・オールバンズという町で、10月1日に、イギリス史上で最大クラスとなるシンクホール(陥没穴)が発生するという出来事がありました。
セント・オールバンズのシンクホール(英国 BBC より)
・BBC
セント・オールバンズの場所
・Google Map
そして、その後の 10月7日の英国メディアのザ・ウィークが特集したのが、冒頭の「なぜ、英国ではシンクホールがこんなに一般的になってしまったのか?」というタイトルの記事でした。
記事によると、英国全土では 2014年のシンクホール発生数が、それ以前の年の5倍にも上っていたそう。
世界的にシンクホールは増加していることが、その報道数などから伺えますが、イギリスでもこんなに増えていることを初めて知りました。どうやら、「荒れた気象」と関係している部分もあるようです。
とろで、どうでもいいことなんですが、このセントオールバンズのシンクホールの大きさは、
幅 66フィート
深さ 33フィート
と、「 33の倍数」で構成されているシンクホールなのでした。
メートルにしますと、幅 20メートル、深さ 10メートルとなります。
冒頭のザ・ウィークの記事の概要をご紹介します。
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Sinkholes: why are they becoming more common?
THE WEEK 2015.10.07
シンクホール:なぜそれらは、より一般的になってきているのか?
セントオールバンズで、幅 66フィート( 約20メートル)、深さ 33フィート(約 10メートル)のシンクホールが発生し、これは英国史上で最大規模のシンクホールとなり、広く報道された。
この数年間、英国全土で、深さ数メートル以上のシンクホールの発生が何例も報告されているが、しかし、シンクホールはなぜ発生するのか。
何よりも、なぜ最近になって、こんなにシンクホールの発生が増えてきているのか。
なぜシンクホールは起きるのか?
シンクホールそのものは、数千年間にわたって水が徐々に地下空洞を形成し、可溶性の岩盤を溶解する際に発生する、あくまで自然の現象だ。
英国地質学会の科学者は、雨天が持続したり、洪水が多発する期間は、この地下の空洞を露わにし、シンクホールを発生させる可能性が最も高いという。また、逆に、地下水の突然の排水もシンクホールを引き起こす可能性がある。
もうひとつのシンクホールのタイプは「クラウンホール」と呼ばれており、これは、元鉱山などの地下が崩壊するものだ。今回のセントオールバンズのシンクホールの場合もこのクラウンホールの可能性がある。
地元の考古学者は、過去の粘土採掘場が地面に亀裂を発生させたのではないかと述べている。
ヨーロッパで最も深いシンクホールは、クロアチアにある 1740フィート( 530メートル)のもので、世界最大のシンクホールは、中国の「小寨天坑」( Xiaozhai Tiankeng )と呼ばれるシンクホールで、深さは 2172フィート( 662メートル)ある。
シンクホールは、より一般的になってきているのか?
今回のセントオールバンズのシンクホールの他にも、最近、ハイウィコムのシンクホールや、ロンドンの舗装道路の爆発など、英国では地質的異変が続いているように見える。
より巨大なシンクホールが、英国の各地に出現していることは確かだ。
特に雨が多かった 2014年初めには、平年の5倍のシンクホールが発生した証拠が、科学者たちから報告されている。
今も続く長期的な気候変動は、豪雨や洪水を増加させ、あるいは、極端な気候を招き、それは、シンクホールの発生の増加につながる可能性を提起する。
英国全土には、推定で 32,000のシンクホールが点在していると見られている。
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異常気象と現象
2015年09月30日
カリフォルニアの貯水池が一晩で干上がり、死んだ魚が干からびた湖底に残されるという現象が発生
一晩で干上がったマウンテン・メドウズ貯水池
▲ 2015年09月24日の米国 CBS News より。
元のマウンテン・メドウズ貯水池の光景
・Strange Sounds
カリフォルニアにあるマウンテン・メドウズ貯水池( Mountain Meadows reservoir )という貯水池が「一晩で干上がる」という現象が起きたことが報じられていました。
魚が多数干上がった湖底で死んでいることから考えますと、逃げる間もなく、わりとあっという間に大量の水が消えたようです。
マウンテン・メドウズ貯水池の場所
・Google Map
カリフォルニアは、過去記事、
・カリフォルニアの干ばつは「過去1200年で最悪」であることがアメリカ地球物理学連合の調査で判明
などでもふれているように、極度の干ばつが進行していて、それは一向に治まる気配を見せていない上に、最近の NASA の人工衛星 GRACE による観測では、カリフォルニアの干ばつは「地下にまで及んでいる」ことがわかっています。
下は GIZMODE の記事からの抜粋です。
米国の干ばつは地中にまで及ぶ。NASA発表の地図で一目瞭然
今年米国カリフォルニア州などの西海岸地域では暑く乾燥した気候が続き、山火事も多数発生しました。でもこの干ばつの深刻さを理解するには、地中の状態まで見る必要があります。干ばつに襲われた地域では、地面の中まで恐ろしく乾燥しているんです。
NASAが人工衛星GRACE のデータと地上で計測したデータを元に、土壌と地下水の水分保有状況をマップ化しました。
このマップでは、今年9月の土壌の水分保有量を1948年〜2012年の平均値と比べており、平均値より乾燥度が高ければ高いほど赤っぽい色が濃くなっています。
とあり、その「土壌の水分保有量」を示した地図が下のものです。
カリフォルニア周辺が極端に土壌の水分が少ないことがわかります。
これを見ると、アメリカ東海岸だとかフロリダとかの土壌の乾燥もかなりのものであることもわかりますが。
このようなカリフォルニアの土壌が極端に乾燥しているという現状はありますが、だからといって、「一晩で豊富な水が消滅する」というのは、やはり、謎の現象ではあります。
また、これは単に謎の現象というだけではなく、厳しい干ばつ下のカリフォルニアで、ただでさえ非常に貴重な「水」が消えていくという現象でもあり、今後のカリフォルニアでのこの「水の現象」は気になります。
アメリカ CBS ニュースの記事をご紹介します。
California Lake Mysteriously Runs Dry Overnight, Killing Thousands Of Fish
CBS 2015.09.24
カリフォルニアの湖が「一晩で干上がる」という謎の現象。数千匹の死んだ魚が残された
北カリフォルニアの貯水池が一晩で干上がり、数千匹の魚が死んだ件に関して、住民たちはその理由を模索している。
釣りの穴場として知られるマウンテン・メドウズ貯水池では、多くの魚が干からびた湖で死亡して横たわっていた。
住民のひとりは「見てくれ。どこもまだ湿っているだろ。ここにはすべて水があったんだ」と私たちに語った。
人々は、先週の土曜日(9月19日)までは釣りをしたと言うが、その後、一晩で、貯水池の水は干上がったという。住民たちもこんな光景を見るのはこれが初めてだと言う。
魚たちが逃げる間もなく死んでしまったということは、土曜日以降に急速に水が消失したことが考えられるのかもしれない。
問題はそれだけではない。
たとえば、地元の電力会社パシフィック・ガス&エレクトリック社は、この貯水池の水の権利を所有しており、水力発電にそれを使用しているが、この干ばつの状況で、貯水池の水が失われたことは大変に厳しいという。
また、住民たちは、同じような現象が、干ばつの最中のカリフォルニアの他の地域でも起きるのではないかと懸念している。
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異常気象と現象
2015年09月15日
ギリシャ・テッサロニキの黙示録
テッサロニキで9月12日に撮影された写真
・Apocalipsis I + II
ギリシャのアマチュア写真家のサイトに、壮絶な光景が収められた写真が掲載されていました。
上と下の写真がそれです。
・Apocalipsis I + II
最初は、合成写真か何かとも思いましたが、この写真家の他の作品を見る限り、とても真面目に写真を撮影していまして、やはり、これは現実の光景のようです。
テッサロニキの場所
・Google Map
調べてみますと、この日の前後、ギリシャやイタリアなどに非常に激しい嵐が吹き荒れていたことがわかりまして、その嵐の中で起きたものだったようです。
それにしても、こんなことが起き得るものなのか?・・・と思いながら、ふと、
「同じような光景を見たことがあるなあ」
と思い出していましたら、ベネズエラのマラカイボ湖という湖の河口で、「音の出ない雷」が、たびたび発生していまして、その光景と似ているのです。
マラカイボ湖 - Wikipedia
不思議な雷「マラカイボの灯台」
この湖では音を出さない雷が度々発生しており、現在科学者の手で研究が進められている。
マラカイボ湖の南西部のカタトゥンボ川河口部でいつも雷が光る現象は、大航海時代から存在が知られており、船乗りたちから「マラカイボの灯台と呼ばれ、航海技術が未熟だった時代に航海の安全に寄与した。
この「マラカイボの雷」は下のような光景ですが、こちらもすごいものです。
マラカイボで発生する音のない雷
・nationalgeographic
・factsprofessor.com
これが発生する原因はわかっていませんが、今回のギリシャの「黙示録的」な現象と、かなり似ているように思います。
それにしても、いろんなことが起きますね。
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異常気象と現象
2015年09月13日
史上最強のエル・ニーニョ(赤道海域の海水温の異常な上昇)が進行中。アメリカ海洋大気庁は異常気象の頻発を警告
▲ 2015年09月12日の英国 BBC Met office: strongest El Nino since 1950 on the way より。
最近の関東、東北の豪雨被害は前代未聞のものとなってしまいましたが、あの台風は、8月の終わりに、太平洋上で「4つ同時に発生したハリケーン」のうちのひとつでした。
これについては、
・史上初:4つの大規模ハリケーンが「同時」に発生という異例の現象
2015年09月05日
という記事で書きましたが、下のように太平洋上で並んで、同時に発生する、という、これまでなかったことが起きたのです。
・Weather Network
こういう異例の状況が、起きた原因のひとつに、太平洋の赤道付近の海域での海水温が異常に上昇するという、いわゆるエル・ニーニョ現象があるということが考えられます。
エル・ニーニョという言葉はよく使われますが、これがどんな現象かといいますと、気象庁のページでの説明をお借りしますと、
エルニーニョ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。
図は典型的なエルニーニョ現象及びラニーニャ現象が発生している時の太平洋における海面水温の平年偏差の分布を示しています。
というわけで、現在の太平洋の海水温分布を見ますと、典型的なエル・ニーニョ現象となっていることがわかります。
2015年現在の太平洋の海水温の状況
・CNN
太平洋の赤道付近の海水温がきわめて高いことが示されます。
エル・ニーニョに今後に関しての現況は以下の報道のようになっています。
エルニーニョ、今年は史上最強か 米当局、異常気象警告
朝日新聞 2015.08.26
太平洋東部の赤道付近の海面水温が上昇するエルニーニョ現象が今年、深刻化している。米海洋大気局(NOAA)によると、過去最強だった1997〜98年の規模に匹敵し、さらに上回る可能性がある。世界各地の気温や降水量に影響し、各地で異常気象が起きる恐れがあると注意を呼びかけている。
予測では、水温は今秋から冬にかけてピークに達し、エルニーニョは来春まで続く可能性が高い。NOAAの専門家は「予測が正しければ(記録が残る)50年以降で最強となるだろう」と指摘する。
エルニーニョが起きた年は地球規模で異常気象が起きている。過去最強の97年には、米南西部や南米で記録的な大雨や洪水に、東南アジアやアフリカ南部で深刻な干ばつに見舞われた。
ということで、エル・ニーニョがどのような気候をもたらすのかということに関しては、決まった型はないですが、異常気象となりやすいのは確かなようで、先日の豪雨もそうですが、現時点で、すでに非常に荒れやすくなっているようには思います。
NOAA は、現在のエルニーニョが 2016年の春まで継続する可能性を約 85%としていて、かなり高い確率で、この異常なエル・ニーニョが続くようです。
NOAA によるエル・ニーニョのレベルの今後の予測
・CNN
NOAA は、大雨や干ばつなどの異常気象に厳重に警戒するよう、各国に呼びかけていますが、日本ではすでに壊滅的な洪水が発生したばかりではありますけれど、冬に向かって、荒れる気象と天候はまだ続く可能性の方が高くなってきているようです。
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異常気象と現象
2015年09月07日
2014年から拡大を続け、世界最大級となったロシア ・ ソリカムスクのシンクホール。大きさは10ヵ月で約4倍に
現在のソリカムスクのシンクホールの状態
▲ 2015年09月03日のロシア・トゥディより。
ロシア・ウラル地方のソリカムスクという場所で、2014年11月に「ソリカムスク陥没事件」という、巨大シンクホールの発生がありました。
この地には「廃坑」があるということで、それが原因らしいのですが、「今なお、シンクホールが拡大し続けている」ことが、最近の空からの撮影で確認されたということです。
ソリカムスクの場所
・Google Map
下は、昨年 11月にシンクホールが確認された時の写真です。
・RT
これでも、大きなものですが、2014年の写真と、今年8月に撮影された写真とを比較しますと、現在までに、どのくらい拡大したかがわかります。
左右の森と穴の距離などで見ていただくとわかりやすいかと思います。
2014年11月(大きさは縦20、横30メートル)
2015年8月(大きさは縦横共に約125メートル)
となっていまして、10ヵ月で4倍から5倍の大きさになってきています。
この後、どうなっていくのかは想像が難しいですが、さらに大きくなっていけば、このロシアのシンクホールが世界最大級のものとなるかもしれません。
なお、シンクホールで世界最大級というものの公式な数値があるのかどうかはわかりませんが、記憶にある巨大シンクホールとしては、2012年3月に、スウェーデンで発生したシンクホールがあります。
スウェーデン・マルムベリエトのシンクホール(2012年3月19日)
▲ In Deep 「スウェーデンで振動と共に地表に開いた世界最大級のシンクホール」より。
スウェーデンのシンクホールは、正確な大きさが示されていませんので、数字の比較はできないですが、写真を見る限りは、ロシアのシンクホールの方が巨大な感じがします。
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異常気象と現象
2015年09月05日
史上初:4つの大規模ハリケーンが「同時」に発生という異例の現象
▲ 2015年09月03日の米国ウェザー・ネットワーク Four raging tropical storms all at the same time より。
8月30日に、太平洋上で、「ほぼ同時に4つの熱帯低気圧が発生」して、それらがすべてハリケーンに発達するという異例の事態となっています。
これまで、同時に2つのハリケーンが発生したことはありましたが、3つ以上のハリケーンの発生はなかったとのこと。
しかも、それらの勢力は、アメリカの分類で「カテゴリー4」(上から2番目)という大変に強い勢力で、今までの観測史上でも、この規模のハリケーンが同時に3つ以上発生したことなどなく、気象関係者から驚嘆の意見が伝えられています。
ハリケーンの名前は、冒頭の地図では、左から「キロ( Kilo / 台風17号)」「イグナシオ( Ignacio )」「ヒメナ( Jimena )」「ケビン( Kevin )」です。
地球規模の地図で見ますと、下のような配置となると思います。
・Mark Tarello
上のうちの「ヒメカ」を衛星から撮影したのが下の写真です。
近影すると、かなり迫力があることがわかります。
・Kjell Lindgren
この異例ともいえる現象の原因としては、ナショナルジオグラフィックの記事では、エルニーニョ現象のせいということと同時に、太平洋の大気の状態が、「嵐を生み出す細い大気の帯から、複数の渦が同時に生まれる傾向になっている」とのアメリカ海洋大気庁( NOAA )のコメントを載せています。
また、太平洋は全体的に海水温が異常に高いままですので、そういうことも関係しているのかもしれませんが、いずれにしても、2つを越えて同時に発生したことのなかったハリケーンが、3つを飛び越えて、史上初の「4つ同時に」というのは、何だか示唆的な夏の終わりです。
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異常気象と現象
2015年09月03日
メキシコで黙示録的な雹(ひょう)嵐。4名が死亡
メキシコのコアカロ市の様子 8月30日
▲ 2015年08月30日の Noticieros Televisa より。
メキシコで、壊滅的な雹(ひょう)の嵐による、被害が出ていることが報じられています。メキシコでは、今年5月にも、激しい雹が降りましたが、今回の雹はその時よりも激しいもののようです。
[参考記事]メキシコ北部に降った過激な雹(ひょう)嵐で甚大な被害
2015年5月26日のメキシコの報道
・CNN Mexico
下の写真が、今回、雹が降ったメキシコのコアカルコなどの町の風景です。
・Apocalyptical hailstorm kills 3 and floods Ecatepec and Coacalco, State of Mexico
メキシコ政府は、この雹により、少なくとも4人の方が亡くなったと述べています。
また、雹のあとの「洪水」もすさまじく、下の動画は現地の人が携帯かスマホで撮影したものだと思われ、画質は良くないですが、車が次々と流されていく光景が収められています。
世界的にも、大気の気温の状態、海水温の状態など、「ぶつかりやすい」ことになっている場所が多く、日本も含めて、まだこのような現象は起こりそうです。
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異常気象と現象
2015年09月02日
米国ネバダ州で、7月と8月の二ヶ月だけで原因不明の群発地震の数が「5700回」にのぼっている
▲ 2015年09月01日の Strange Sounds より。
アメリカのネバダ州の北部で、7月以来、原因不明の群発地震が続いていて、その数が、8月19日の時点で、5700回という非常に激しいものとなっていることが、カリフォルニアのキャピタル・パブリック・ラジオで報じられていました。
8月19日までの2週間のネバダ州の群発地震の状況
・Capital Public Radio
場所に関しては、リノという町の名前や、シェルドン・ナショナル・アンテロープ保護区(シェルドン国立野生動物保護区)の内外ということが書かれています。
米国ネバダ州
・Google Map
ネバダ州では、2014年にも激しい群発地震が発生しています。
米ネバダ州で群発地震、4カ月続く 活動強まる兆候
CNN 20104.11.09
米西部ネバダ州の地震観測当局などは9日までに、同州北西部のシェルドン国立野生動物保護区内外で今年の7月12日以降、小規模の地震が続き、最近になりその活動が強まっていると報告した。
この兆候は必ずしも大地震の発生の前触れを意味しないとしながらも、事前の備えを講じることを勧告した。
米地質調査所(USGS)もこれらの群発地震を定期的に観測している。小さな振動は数千回に達しているという。
今回の群発地震でも、科学者たちは、「大地震の前兆を意味するものではない」というようにしています。
巨大地震との関係はともかくとしても、2年連続して、この地域ではあまり例のない群発地震が続いているということには、何らかの地質の変化は伴っているのだとは思います。
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異常気象と現象
2015年09月01日
米国オレゴン州沿岸に押し寄せ続ける「原因のわからない紫色の波」
▲ 2015年08月26日のアメリカ Beach Connection.net より。
アメリカのオレゴン州の海岸の比較的広範囲の場所で「紫色をした波」が押し寄せていて、その原因がまったくわからないということで、話題となっています。
オレゴン州沿岸のいくつかの場所で撮影された海の様子
オレゴン州 ネスコウィンで撮影された写真
フォートスティーブンス州立公園で撮影された写真
フォートスティーブンス州立公園の場所
・Google Map
各地の観光客などが撮影した写真には、上のように、海水が紫色になっていることを示すのですが、その原因が、地元の科学者たちにはわからないとのことです。
ちなみに、これらの紫色は、実際に見ると非常に美しいものだそうです。
水質サンプルの試験から、以下のものは関係ないことがわかっているとのこと。
・カツオノカンムリなどのクラゲ
・バクテリア
・原生動物
・植物プランクトン
・藻類
これらは検出されなかったということで、一般的に海の色が変色する微生物関係が原因ではないということのようです。
また、地元では、放射能だとか、ケムトレイルだとかの噂も出ているとのことですが、関係ないようです。
思えば、自然現象では「紫の現象」というのはなかなか珍しくて、たとえば、大気の色でも、赤やオレンジはよく見かけますが、「空気が紫に染まった」という例は、私が知る限りでは、2010年のにハンガリーのヴェスプレームという町で、朝の大気が紫に染まったという例しか思い浮かびません。
2010年2月のハンガリー・ヴェスプレームの朝
・In Deep
この紫は、霧の拡散と日の出の太陽の光線の組み合わせによって発生したと説明されていました。
日本では紫は縁起の良いほうの色でもありますので、紫が増えるというのは悪いことではないのかもしれないですが、ただ、オレゴン州は、もうずっと、海の生き物の大量死が続いていて、どんなものなんでしょうかね。
関連リンク:オレゴン州の大量死
また、このあたりは昨年以来、異常ともいえる海水温度の上昇が続いていて、そういうあたりもあるいは関係あるかもしれません。
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異常気象と現象