- インド北部で過去 30年で最悪の壊滅的な猛暑。47度を記録した地域も
- チリのビーチリゾート「ピチレム」で季節外れの6月の吹雪
- イランの首都で発生した「終末の日のよう」と地元の人たちが語る砂嵐
- 過去、一滴の雨も観測されていない南米チリ・カラマを見舞った「5月の雪」に驚く住民たち
- 米国ミシガン州に出現した「壮絶な霧」
- モスクワで5月としては120年ぶりに最高気温記録を更新
- 荒れるタイ:落雷によってビルが倒壊し、一方では度重なる強風によって次々と電柱がなぎ倒される
- 米国コロラド州の「母の日の暴風雪」。そして近隣のカリフォルニアでは今世紀最悪の干ばつが継続中
- 中国各地で記録的豪雨により 500万人が影響を受ける
- 米国の3分の1の面積で竜巻が発生。ロシアでも広範囲で激しい暴風が数日間吹き荒れ続けている
【異常気象と現象】 の記事一覧
2014年06月09日
インド北部で過去 30年で最悪の壊滅的な猛暑。47度を記録した地域も
▲ 摂氏 47度の猛暑の中を歩くインド北部アーメダバードの女性。 2014年6月6日のタイムズ・オブ・インディアより。
カナダでは「6月の雪」に驚いたりしている中、インドの特に北部では、同時期としては過去最大級の「猛暑」に見舞われています。
インド北部の位置は、その中心都市がデリーとなっていて、その周辺地域全体が今回の猛暑に見舞われているようです。
インド北部は、昨年の冬は極端な寒波が続きましたが、現在は地獄のような暑さとなっているようです。
下は6月6日のインド北部の気温状況です。
・Tribune India
都市名は上から、
Hisar ヒサール
Bathinda バシンダ
Baddi バディ
Ludhiana ルディヤーナー
Amritsar アムリトサル
Delhi デリー
Ambala アンバラ
Chandigarh チャンディーガル
です。
大都市デリーも、45度まで気温が上がっているようで、他の地域も、下の地図のように、かなり広い範囲で、北インド全体が 45度前後の激しい気温となっていることがわかります。
いかな暑さに強いインドの人たちでも、今回のこの気温は、熱中症により搬送される人が続出しているようで、死亡した方も数名いるようです。
▲ 熱中症で運ばれた女性患者を診察するアーメダバードの病院の様子。
このアラハバードという町は、 47.2度という過去数十年で記録がないほどの猛暑となりました。
それに加えて、電力使用制限がおこなわれているようで、ニューデリーなどの都市でも頻繁に停電が起きているようです。
これは日本の夏での「クーラー使用」などの理由ではなく、猛暑による過度の熱によって、変電所や変圧器で破損や事故が発生しているためとのことで、気温の先行きはどうなるのかわからないですが、インドでは予期せぬ猛暑で、かなりの混乱が起きているようです。
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異常気象と現象
2014年06月08日
チリのビーチリゾート「ピチレム」で季節外れの6月の吹雪
▲ 2014年6月6日のチリ nacion より。
▲ ツイッターに投稿された写真のひとつ。tercera より。
チリのピチレムというビーチリゾートを中心に、6月6日に「大雪が降った」ということが現地で報じられていました。
ピチレムの場所は下です。
チリは南半球で、このピチレムのあたりの6月の気候がどのようなものか正確なところは知らないのですが、
・現地のメディアが「驚きの」という言葉を入れているということ
・チリの気象局の専門家たちも降雪の報告は考えられないとしたこと
などから、時期としてはそれなりに普通ではない降雪だったのかもしれません。しかも、報道では単に降っただけではなく、一時、吹雪になったとのこと。
そして、ツイッターにも現地の人たちからの写真が次々とアップされています。
▲ 共にツイッターより。
数日前には、カナダでも雪が降ったことなどが報じられていて、どうも現在の気候は世界的に不安定なまま進行しているようです。
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異常気象と現象
2014年06月07日
イランの首都で発生した「終末の日のよう」と地元の人たちが語る砂嵐
▲ 2014年6月2日の米国 THP 'Freak' Sandstorm Blankets Iran's Capital, Kills At Least 4 より。
イランの首都テヘランで「前例のない嵐」が吹き荒れたことが報道されています。
6月 2日の午後5時過ぎ、突然、下の写真のような砂嵐がテヘランを通過していったのです。砂嵐の大きさは、写真下の建物などの大きさと比較するとわかりやすいかと思われます。
このような嵐は、中東の砂漠地帯で起きることはあるらしいのですが、テヘランのような都市部では、かつてなかったことだそうです。
砂嵐の速度は、時速換算で 100キロ以上に達し、そして、その時のテヘランの気温は 37度だったのですが、嵐が過ぎた午後6時には気温は 18度まで下がっていたとのこと。
下は地元の住民が撮影した動画です。
少し音が大きいですが、人々の興奮というか驚きが伝わります。
この砂嵐により、結局、4名の方が亡くなり、30名の方が負傷しました。
砂嵐から逃げて、テヘラン市内のショップの店内へと逃げ込んだ女性は、 AFP の取材に、
「ハリウッドの地球最期の日を描いた映画の光景のようで怖かったです」
と答えていました。
このような、「これまでなかったことが起きる」ということ。
これは今後のあらゆる自然現象のキーワードになるかもしれません。
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異常気象と現象
2014年05月28日
過去、一滴の雨も観測されていない南米チリ・カラマを見舞った「5月の雪」に驚く住民たち
▲ 2014年5月24日のチリ Cooperativa より。
南米チリにカラマという街があります。
ここはどんな街かというと、Wikipedia の文章でご紹介しますと下のような街のようです。
カラマは、チリ北部、アタカマ砂漠にある市。
今まで一滴も雨の観測はされていない。
という街のようで、世界で最も雨の降らない場所のひとつであるようです。
そこに先日の 5月24日に雪が降ったのですね。
上の報道のタイトルに「驚くべき」とつけられているのは、そのような理由があります。
▲ チリのメディア La Tercera などより。
チリは南半球ですので、私たちの考える5月の気候とは気温なども違うと思いますので、通常のカマラの5月の平均気温と平均降水量を見てみますと、下の通りでした。
▲ MSN天気予報 チリ・カマラの5月の平均値より。
「降水量 0 mm」と並ぶ光景は圧巻ですが、気温も、通常の5月では気温も雪の降るようなものではなさそうで、突然起きた普通ではない気象イベントだったようです。この日のチリでは、他にアタカマなどでも雪が降ったそう。
カラマは、インカ帝国時代の遺跡などを含めて、多くの観光スポットへの旅の入口となっている観光地でもありますが、今回の雪で、この日のすべての観光ツアーは中止になったとか。
さらに、この日、カラマでは空港が閉鎖されました。
まあ、雪対策(タイヤなど)をしている車もなどないでしょうし、空港にも雪対策の設備があるようにも思いませんので、車中心のツアーになるカラマ周辺での旅行は中止せざるを得ないということのようです。
雪対策どころか、「雨が一滴も降らない街」なのですから、街には傘も一本もないかも。
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異常気象と現象
2014年05月25日
米国ミシガン州に出現した「壮絶な霧」
アメリカのミシガン湖とその周辺で、まさに「ものすごい」という表見がぴったりの「霧」が出たことが報じられています。
本当に霧という表現でいいのかどうかわかりませんが、その様子を動画でご覧いただきたいと思います。
米国ミシガン州に発生した壮絶な霧
ミシガン湖で釣りをしていた人たちによっても写真が撮影されていて、それが AOL で報じられていました。
Stunning fog bank rolls in over Lake Michigan
最近のアメリカではこういう霧の事例をわりとよく目にします。
以前はほとんど見られなかったものですので、何らかの気象条件の変化を現しているものなのかもしれないですけれど、原因としてはもっと複雑なものなのかもしれません。
タグ:ミシガン湖の霧
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異常気象と現象
2014年05月22日
モスクワで5月としては120年ぶりに最高気温記録を更新
▲ 2014年5月21日のイタル・タスより。
前回の記事、
・南極の海氷が観測史上の過去最大量を日々更新。日に約7万平方キロのペースで氷面積が拡大中
2014年05月21日
では、南半球で海氷量が増えており、気温が一貫して低い傾向を見せているということを記しましたが、一方で、北半球では地域的に「異常な暑さ」を見せている場所があります。
そのひとつがロシアのモスクワとその周辺地域です。
上のイタルタス通信の記事にありますように、5月21日に、モスクワ市内では最高気温が 31度を記録し、これは、この時期としては、1897年の記録を破る高い気温となっているようです。
5月21日に31度を表示したモスクワ市内の電光掲示板
▲ 2014年5月21日の newsmsk より。
あまりにも早い「猛暑」にモスクワの人々は一斉に公園のプールで水浴びをしている様子が伝えられています。
▲ 2014年5月21日の mk.ru より。
ロシア水文気象環境監視局の発表によれば、しばらくこの 30度近い最高気温の日が続く見込みのようです。
ただ、暑いのは日中だけで、この 31度を記録したモスクワ州では、夜には気温は 10度近くまで下がった場所もあったそう。
ロシアの夏が暑いのは最近ずっと続いていますが、今年はどうなのでしょうね。
その一方で、アメリカのコロラド州では、「 5月22日の雪景色」の様子が、現地の住民の Facebook に載せられていました。
米国コロラド州カークウッド リゾート 2014年5月22日
▲ Good Morning Kirkwood より。
この夏はかなりカオスな天候状況となるかもしれないですね。
タグ:モスクワの高温
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異常気象と現象
2014年05月15日
荒れるタイ:落雷によってビルが倒壊し、一方では度重なる強風によって次々と電柱がなぎ倒される
▲ 2014年5月14日のタイ字メディア Post Today より。
タイ東北部にあるスリン県のスリン市という町で、突如としてホームセンタービルが倒壊するという事故が起きていますが、どうやら原因は「落雷が直撃したもの」だということのようです。
タイ・スリンの場所
newsclip.be では下のように報じられています。
タイ東北でホームセンター倒壊、6人死亡 雷が直撃?
newsclip 2014.05.14
13日午後4時30分ごろ、タイの地場系ホームセンター「グローバル・ハウス」の東北部スリン市の店舗の入口付近が倒壊し、客と従業員の計6人が死亡、従業員1人がけをした。死亡したのは客の夫婦(32歳、33歳)と娘(13歳)、従業員3人。
事故当時、現場周辺は激しい雷雨に襲われていた。グローバル・ハウスを運営するサイアム・グローバル・ハウスは雷が建物を直撃し、倒壊したとしている。
現地の写真も掲載されています。
確かに何らかの外圧によって破壊された感じはいたします。
タイは最近、天候が荒れていて、5月6日には、タイ中部アユタヤなどで、強風によって、電柱や照明等が倒れたりといったことが起きています。先月の4月11日にもタイ東北部では強風が吹き荒れ、多くの屋根や電柱が倒されてました。
▲ 強風で軒並みなぎ倒された電柱。タイ東北部ナコンラチャシマ県の町。2014年4月14日の newsclip.be より。
電柱は強い台風等でもそう簡単に倒れるものでもないですので、かなりの強風だったようです。
風が荒れる傾向はタイだけではなく、日本などでもそうですが、「地球は風が強くなってきている」というようなことはが言えそうな感じもないでもありません。
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異常気象と現象
2014年05月14日
米国コロラド州の「母の日の暴風雪」。そして近隣のカリフォルニアでは今世紀最悪の干ばつが継続中
▲ 2014年5月12日のロイターより。
日本の最近の天候は比較的気温も含めて穏やかで、というより、穏やかを越えて暑い状況だったりもいたしますが、アメリカでは、4月になっても5月になっても雪の報道のない日がありません。
最近も、 5月 11日の「母の日」にコロラド州などを中心に、道路が閉鎖となるほどの大雪が降ったニュースが幅広く報じられていました。
コロラド州のロッキー山脈の近く
▲ 2014年5月12日の米国 AP 通信 より。
コロラド州スプリング
▲ 2014年5月12日の Nationより。愛犬を雪から守るように抱いて歩く女性。
今回、吹雪となったふたつの州は下の赤で囲んだ場所にあります。
しかし、その比較的近いカリフォルニアでは、昨年から「史上最悪」とされている干ばつが続いていて、それは現在もなお続いています。
カリフォルニアの干ばつの原因は雨が少ないこともあるのですが、最大の原因は、「熱波」なのです。
▲ 2014年4月25日の news24 より。
確かにアメリカは広い国とはいえ、あまりにも土地ごとに「季節性を無視したかのような」ムチャクチャな気象の状況が出現していて、竜巻などもすでに多く発生しており、そして、この後、今年はエルニーニョが発生する可能性が高くなっています。
アメリカの天候・・・というより、世界の天候が今年はどこまでカオス化するのか、むしろ興味深い部分さえあります。
雪のニュースは、ロイターの報道を要約させていただきます。
Mother's Day snowstorm blankets parts of Colorado, Wyoming
Reuter 2014.05.11
母の日の吹雪がコロラド州、ワイオミング州の一部を雪で覆い尽くした
母の日、コロラド州とワイオミング州の一部では、吹雪により各地で道路が閉鎖を余儀なくされた。
アメリカ国立測候所は、コロラド州とワイオミング州に、大規模な帯状の暴風雪の警告を発し、5月12日までの運転状況の危険性についてドライバーたちに警告を発した。
デンバーでは気温が氷点下にまで急激に下がり、マイナス 1.1℃を記録した。デンバーでは、高速道路のいくつかは雪のため閉鎖となった。
コロラド州の国立測候所では、5月12日まで 10センチ程度の積雪があるだろうと語った。デンバーでは都市部でも 20〜30センチの積雪が見られた。また、国立観測所は、ネブラスカ州、アイオワ州とイリノイ州の一部では、この母の日の午後は竜巻が発生しやすい状況だとした。
デンバー公共事業局は、月曜の朝に 70台の除雪車を配備することを声明で述べた。
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異常気象と現象
2014年05月13日
中国各地で記録的豪雨により 500万人が影響を受ける
そして、予想される「エルニーニョ」で世界各地で今年は荒れた気象となる可能性
▲ 2014年5月12日の hk.apple より。
5月11日から12日にかけて、中国の南部や東南部などで、壊滅的な豪雨が降り続けていたことが報じられています。上は深センの様子ですが、「3時間で 100ミリの雨」が降り続いたそうです。
この香港の報道によりますと、江西省、湖南省、広東省、広西、貴州省などで、約 500万人が影響を受けたとのこと。5月12日時点での死者は 18名。
青島(チンタオ)でも過去最大級の豪雨に見舞われた模様。
▲ 2014年5月12日の半島網より。
被害については、VOR によりますと、
中国民政部の情報によると、中国南部では洪水により9万3100ヘクタールの作物が被害を受けた。また、およそ1500棟の住宅が崩壊、9200棟が損傷を受けた。直接的経済損失は、9300億元(約150億円)とみられている。
とのことです。
また、雲南省にある福貢県(ふくこうけん)という山岳地帯では、大規模な土砂崩れが発生したりもしていて、被害の全貌はまだわからない部分もあるようです。
▲ 2014年5月12日の中国網より。
このような大雨による被害は、もしかすると、今後、日本を含めて多くなる可能性もあります。
その理由としては、今年は6月頃から「エルニーニョ現象」が発生する可能性が高いと言われていたのですが、
日本の気象庁は 5月12日にそのことを正式に発表しました。下のような日本の報道も出ています。
エルニーニョ現象、秋まで続くか 九州は7月豪雨に警戒
西日本新聞 2014.05.13
気象庁は、南米・ペルー沖の太平洋赤道海域で今夏に5年ぶりの発生を予測している「エルニーニョ現象」が、短くても秋までは続く可能性が高いと発表した。
エルニーニョが発生すると世界的に異常気象がもたらされるとされる。福岡管区気象台は「九州地方では7月の豪雨への警戒が必要になる」としている。
天候には太陽活動も大きく関与しますが、それも含めて、今年はかなり激しい気候となる可能性があります。
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異常気象と現象
2014年04月30日
米国の3分の1の面積で竜巻が発生。ロシアでも広範囲で激しい暴風が数日間吹き荒れ続けている
この1週間ほどの中で起きているアメリカの竜巻の被害については、日本でも多く報道されているのでご存じの方も多いかと思います。
▲ 2014年4月30日の新華ニュース「アメリカの竜巻被害、死者30人に増えた」より。
AP 通信などによると、今回のアメリカの竜巻の規模は、
「今まで竜巻の発生で死者が既に30人にまで増え、200余人が怪我をした。アメリカの6州は竜巻で被害を受けた」と報じた。
大規模な竜巻は少なくとも全米の7500万人に影響を及ぼした。五大湖からメキシコ湾沿岸まで、中西部から東海岸までのアメリカの領土面積の3分の1に相当する広範囲で竜巻が発生した。
という非常に広範囲なものだったようです。
ロシアの悪天候も激しさを増している
いっぽうで、ロシアでも実はここ数日、特にシベリア地方などで、大変な強風被害が出ています。ロシアの報道では、これを「ハリケーン」と記しています。
▲ 2014年4月26日のイタル・タス通信より。シベリアの中心的都市であるノヴォシビルスクで屋根が飛ばされた家屋。
シベリアのオムスクという町の被害は特に大きく、2名が死亡した他、多くの建物が損傷しました。
オムスクの広場には下のような象徴的な巨大な球体のオブジェがあります。
▲ オムスク - Wikipedia より。
これがどのくらいの重さなのかはわからないですが、今回のハリケーンで下のように移動してしまい、修復作業がされています。
▲ 2014年4月28日のイタル・タス通信より。以下同じ。
作業車との比較でも、相当な重さのものだと思うのですが、それを移動させてしまった風速というのはかなりのものだったのではないかと考えられます。
このように倒壊したり、屋根を飛ばされた家屋はオムスクだけで 550棟にあたり、被害の総面積は 12200平方メートルに及んだと報じられています。オムスクの 31の地域のうち 26地域で停電が発生。
また、倒壊したレンガの壁が直撃して、 23歳の女性が死亡し、やはり飛ばされてきたものが東部にあたった 85歳の女性が亡くなったと報じられています。
▲ オムスクとノヴォシビルスクの場所。
シベリアは強い風が吹くことも多いとはいえ、最近続いている突風やハリケーンは、想定を上回る激しいもののようで、しかも、それは数日間続きました。
ロシアにしても、アメリカにしても、世相を反映しているかのように自然も荒れています。
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異常気象と現象