2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2015年08月28日


北朝鮮で台風により甚大な被害。国営通信の発表では、死者40名、被災者1万人超。農業にも深刻なダメージの可能性



8月26日の羅先市の様子
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New Zealand News


日本でも九州などを中心に大きな被害を出した台風 15号(アジア名:コーニー / Goni )は、九州に接近する前に、フィリピンで 26人の死者を出すなど、今年の台風では最も大きな被害を出している台風のひとつですが、これが、8月26日頃、北朝鮮を直撃して、極めて深刻な被害が出ています。

特に、北朝鮮の特別経済区域である羅先(ラソン)市では、壊滅的な被害となっている光景が、北朝鮮の国営通信で公開されています。

朝鮮中央通信が公開した羅先市の様子

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YONHAP NEWS


朝鮮中央通信によれば、この洪水により、40名が死亡し、羅先市だけでも 1万1千人の住民と、484人の中国人観光客が避難している他、1000棟近くの住宅が全半壊しているそう。

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Play TV


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Globalfloods


洪水での被害と共に、強風によるものなのか、部分的に崩壊している高層住宅などの写真が多く見られます。

台風により崩壊したマンション

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RFA


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edaily.co.kr


世界気象機関( WMO )によれば、今回の台風で、北朝鮮の一部地域では、8月25日から 26日の 24時間で 300ミリメートル以上の猛烈な雨が降り続けたと見られているそうです。

まあ、北朝鮮は、6月まで「 100年に1度」とさえ言われたような同国史上最悪の干ばつに見舞われていたのですが、その後、一転して、豪雨などに見舞われることが多くなっていまして、今回の台風による農業被害も、おそらくは深刻なものだと思われます。

北朝鮮の深刻な干ばつについては、6月に記事にしたことがあります。

北朝鮮で「過去100年で最悪の干ばつ」が進行・拡大していることが判明
 2015年06月18日


このあたりを考えますと、今年の北朝鮮の収穫状況が良くなるとは考えにくく、今後の北朝鮮の食料事情はあまり良くない状況になることも予想されます。

北朝鮮は今でも十分に政情が不安定ですが、食料問題が深刻化すると、民衆の不満を逸らすための軍事力などで挑発が多くなりますし、いろいろと不安定要素にはなりそうです。

先日まで、北朝鮮は韓国を挑発していましたが、ロイターの「コラム:北朝鮮が韓国を挑発する本当の目的」という記事には、


北朝鮮で6月に起きた干ばつは、世界食糧計画(WFP)が推測していた以上に同国に打撃を与えただろう。北朝鮮は過去100年で最悪の干ばつだと表現していた。

さらに、北朝鮮政府がエボラ出血熱の水際対策として数カ月にわたって実施した国境閉鎖は、同国の観光業に深刻な打撃を与えた。観光業は小さいとはいえ、貴重な外貨獲得源だ。

こうしたことに加え、中国の習近平国家主席が北朝鮮の金正恩第1書記に冷たい態度を取ってきたことも、今回の暴発につながったとみていいだろう。資金と食料の不足に中国から愛想を尽かされたとの感情が重なれば、北朝鮮が挑発的行動に出ても驚くには値しない。



というようなことで、今回の台風により、農作事情の悪化が明らかになれば、政情の不安定さにもつながっていくものなのかもしれません。

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2015年08月20日


中米グアテマラの干ばつで100万人近くが飢餓に陥っている



完全に枯れたグアテマラのバジャ・ベラパズにあるトウモロコシ畑
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Voice of America


中米グアテマラで、まったく雨が降らない激しい干ばつが続いていて、100万近くの人々が食料不足に陥っていることを国連が発表したことが報じられています。

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▲ 2015年08月14日のトムソン・ロイター財団ニュースより。


現在、大きなエルニーニョ現象が続いていて、それが原因だと述べられていますが、来年の3月頃までは、この干ばつが終息する目処も立っていないようです。グアテマラは、地図では下の位置にある比較的小さな国で、人口は 1500万人ほどです。

グアテマラの場所
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Google Map


このエルニーニョは、これからの世界各地に様々な影響を与えていくことになると思われますが、最近の中南米のニュースでは、寒波や地殻変動のものが多かったのですが、場所により極端な干ばつも進行しているということのようです。

ペルーの寒波によるアルパカなど動物の死亡数は「100万頭」に達し、同国史上、最悪の被害に
 2015年08月14日

南米の近く変動ラインでさらに起きる異変:「エクアドルの富士山」が大噴火し、ホンジュラスで地殻崩壊で住宅が次々となぎ倒される
2015年08月17日


グアテマラの干ばつと食糧危機について、トムソン・ロイター財団のニュースよりご紹介します。



Nearly 1 million people face food emergency in drought-hit Guatemala - U.N.
Thomson Reuters Foundation 2015.08.14


干ばつに見舞われたグアテマラで、ほぼ 100 万人が食料の緊急事態に直面している - 国連発表


中米グアテマラで、極端な少雨による干ばつにより、農産物の収穫状況が悪化しており、約 100 万人が飢餓に苦しんでいると国連食糧農業機関( FAO )は述べた。

エルニーニョ現象と関係すると思われる今年の干ばつは、中米のグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアなどの乾燥地域で農業に大きな被害を出している。

特に小さな農家では壊滅的な被害を受けている人たちも多い。

食糧農業機関によると、3年連続で干ばつの被害を受けたグアテマラでは、17万世帯の約 90万人が食料備蓄がまったくない状態だという。

「事態はゆっくりと進行しているように見えますが、すでに子どもたちの慢性的な栄養失調が増えているのです」と、食糧農業機関の職員は述べる。

農村部の最も貧しい先住民コミュニティの家族では、現在、1日に一食程度しか食べることができていない。

国連世界食糧計画( WFP )は、この干ばつが、グアテマラのの主食である豆、トウモロコシに壊滅的な被害を与えているとして、また、この日照りが 2016年の3月まで持続すると予測されており、大幅な収穫の減少につながると警告している。

いくつかの農家では、今月末までにトウモロコシの収穫量において、 50%から 100%を失うおそれがあるという。

グアテマラは、もととも中央アメリカで最も貧しい国の一つだ。人口 1500万人の約半数が貧困の中で生活し、同国は世界で4番目に高い慢性栄養失調率を持つ。

現在でも多くの世帯が、政府と国連の食糧配布に頼ることを余儀なくされている。

グアテマラ政府は、ブラジルからの寄付を使用して、121,000世帯の干ばつの影響を受けた家族に 4000トンのトウモロコシと小麦粉、豆の配給を 8月17日から開始すると発表した。

中央アメリカの乾燥地帯で繰り返し発生する干ばつの問題は、気候変動によってもたらされる極端で不安定な天候によって悪化していると援助機関は言う。

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2015年08月07日


サイクロンとモンスーンにより、インド、パキスタン、ミャンマー等で数百万人が洪水で避難を余儀なくされている



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CNN


南アジアで、サイクロンとモンスーンによる豪雨が続いていて、洪水による大きな被害が出ています。

この地域は洪水は多いですが、しかし、これほど広範囲の国と地域に渡り大規模な洪水が継続することは、それほどないことだと思われます。

CNN が写真つきで報道していましたので、ご紹介したいと思います。



Flooding in Asia displaces millions; death toll rising rapidly
CNN 2015.08.06


アジアの洪水が数百万人を移動させ、また、死者の数は急速に上昇している


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▲ インド・マニプール。2015年8月1日。インドでは、少なくとも 1000万人が洪水の影響を受けたと見られる。


サイクロン「コーメン( Komen )」の余波と、激しいモンスーンでの雨が、インド、バングラデシュ、そして、他の南アジア諸国で激しい洪水を引き起こし続けており、現在までに数百人が死亡し、数百万人が避難を余儀なくされている。


インド

インドでは、マディヤプラデシュ州で、乗客1,600名が乗った登校中の電車が洪水で脱するなど、インド当局によれば、少なくとも 192人が亡くなっている。


脱線した電車
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BBC


西ベンガル州では、数十万人の人々が、救援キャンプに移動した。
コルカタでは、83人が洪水で亡くなった。




パキスタン

洪水は、パキスタンでも大きな被害を出している。
人道援助団体の発表によれば、パキスタンでは、洪水のために 86名が死亡したという。


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▲ パキスタン・ペシャワール近くの村。2015年8月2日。この地域では、数百万人が洪水の影響を受けた。



ミャンマー

国連人道問題調整事務所( OCHA )によると、ミャンマーでは、8月6日までに、25万 9,000人が洪水の影響を受け、69名が死亡している。


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▲ ミャンマー・カレー。2015年8月2日。


国連によれば、各国とも、モンスーンの影響が今後も継続することもあり、時間の経過と共に、死者、被害状況が深刻化することが懸念される。

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2015年07月30日


ベトナムで過去40年間で最大の降水量を記録した豪雨により歴史的な洪水が発生



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▲ 2015年07月29日のベトナム LAO DONG より。


ベトナム北部で、過去 40年で最大降雨量を記録する豪雨により、現地のメディアの表現をお借りすれば、「歴史的な」洪水が発生したことが報じられています。


洪水発生時のクアンニン省チラン地区の様子

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tuoi tre


被害が大きかったのはクアンニン省という一帯で、人的な被害、家屋などの被害、経済的な被害を含めて、非常に大きな被害が出ているようです。

クアンニン省
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・Google Map


水没した高速道路の上を走る救出ボート
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Vietnamnet


ベトナム軍による装甲車での救出活動
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DATVIET


被害は産業にも及んでいるようで、この地の石炭産業は 5000億ドン(約 29億円)にのぼる壊滅的な打撃を受けたと報じられています。

壊滅的な被害を受けた石炭採掘現場

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tienphong


気候の極端化の傾向が続きます。

マレーシアの英字メディア Sun Daily の記事をご紹介します。



Death toll rises to 11 in northern Vietnam floods
The Sun Daily 2015.07.28

ベトナム北部の洪水での死者数は 11人にのぼる


ベトナム北部で発生した歴史的な洪水によって、クアンニン省を中心として、少なくとも 11名が亡くなり、6名が行方不明となっていることを当局が明らかにした。

クアンニン省の長官は、「行方不明者が救出される可能性は非常に低いだろう」と述べた。

豪雨によって引き起こされた今回の洪水では、3,000あまりの家屋が破壊され、何万人もの人々が安全のために避難した。

今回の洪水は 7月27日からの3日間で 500ミリメートルという記録的な豪雨が降り続いて起きたもので、この雨量は 40年間で最大のものだ。

また、1500人以上の観光客が、豪雨で船を出せなかったことにより、ベトナムで人気のリゾート地のコト島で孤立した。

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2015年07月10日


タイで過去60年で最も激しい干ばつが進行中



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▲ 2015年07月09日のタイラットより。


現在、タイで近年では前例のない干ばつが進行しています。

タイというと、 2011年の 7月から 10月にかけて、前代未聞の大洪水に見舞われたことが思い出されますが、今度は一転して前例のない干ばつとなっていて、環境の変化の激しさを思います。

2011年のタイの大洪水
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▲ 水没したホンダの工場。 「バンコクを死守せよ: 全土の3分の1が災害地域となったタイで首都に迫る未曾有の大洪水」より。


この干ばつは6月から続いているそうで、現在、タイで最大規模の4つの貯水池の貯水率は下のような状況になっているようです。

タイの代表的な4つのダムの7月8日の貯水率
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NOW26


干上がったダム
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・CCTV


このまま雨が降らない状況が続きますと、農業への影響はもちろんですが、飲料水や都市部でも様々な用途で使われる「水」そのものが、首都バンコクを含めて多くの場所で不足するという予測も説明されています。

干ばつと極端な水不足は7月いっぱい続くと予想されていますので、夏休み的なもの近い時期ですが、タイに旅行などを計画されている方は、水のリアルタイム情報を取得したほうがいいかもしれません。首都バンコクを含めて、タイは水不足だと、少しレジャーには厳しい場所です。

英字メディア CCTV の報道をご紹介します。



Drought Causes Water Shortage in Thailand, Affecting Crop Output
CCTV 2015.07.08


タイで干ばつによる水不足が発生。農業の収穫にも影響


タイの干ばつは、この6月からタイ中部と北部で水不足を引き起こしており、貯水池では水が不足し、農業での作物の収穫に影響を与える可能性が高くなっている。

タイの4つの貯水池のうちの最大の貯水池「パ・サク・チョラシット」の水量は、極端な雨不足の天候により、過去 20年間で最も低いレベルである7パーセントにまで落ちている。貯水池は、水不足により河床が露出している。

「今年の干ばつは非常に深刻です。過去にも干ばつはありましたが、こんなに深刻なものではなかった。今は、もうずっと雨が降っていないのです」と、地元住民は言う。

最も乾燥している地域は、重要な米の生産地として知られる中部タイのノンタブリ県だ。

農家の1人は、「このまま干ばつが続けば、あと 10日もすれば、水田は干上がります。もう、すでにイネのいくつかは枯れています。ここにあるような黄色くなったものは、その後枯れるのです」と述べた。

干上がりつつある水田
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タイ王立灌漑局による統計では、全国の米の栽培面積は 64万ヘクタールであることを示すが、そのうちの5分の1程度が干ばつの影響を受けている。

当局は、気候変動を監視するために、気象部門と緊密に協力している。しかし、7月の降雨量は依然として低いことが予測されており、当局は厳しい天候に対処するためのさらなる対策を検討している。

タイ政府は、人工雨で雨を降らせることを試みる他、乾季に水を節約するために、農家に田植えを延期することを求めている。

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2015年06月18日


北朝鮮で「過去100年で最悪の干ばつ」が進行・拡大していることが判明



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▲ 2015年6月17日の韓国 NewDaily より。


北朝鮮が深刻な干ばつ状況にあることが、北朝鮮の官営メディア、朝鮮中央通信や、国連世界食糧計画( WFP )の声明で明らかになりました。

その干ばつの状態は「100年ぶり」と表現されているほどのものです。

冒頭の韓国の報道では、見出しを「大干ばつ」としましたが、実際には、ハングルで「王干ばつ」と「王」という字が始めにつく表現となっています。

北朝鮮の黄海(ファンヘ)南道では、田植えした面積の約80%が乾いた状態になっていて、黄海北道でも、60%程度が乾いているそうで、北朝鮮の穀物状況が深刻になることは避けられないのかもしれません。

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韓国 NewDaily の報道をご紹介します。



NewDaily

北 "100年ぶりの「大干ばつ」で深刻な被害"

朝鮮中央通信が、北朝鮮の干ばつ被害地域の状況を報告
被害面積は 13億 5,069万平方メートル。主に黄海道、平安​​南道、咸鏡など穀倉地帯が被害


北朝鮮が 100年ぶりの大干ばつを経験しているとして、被災地の状況を紹介したことが注目を集めている。

朝鮮中央通信は 16日、「朝鮮各地の農村で 100年来の大干ばつにより重度の被害を受けている」と伝え、「6月8日現在、全国的に 44万1,560の田植えした水田で 13万6,200件の被害情報を受けている」とした。

朝鮮中央通信によると、干ばつの被害が最も深刻なのは黄海南北道、平安南道、咸鏡だという。

朝鮮中央通信は、「特に黄海南道では、田植えした面積の80%、黄海北道では58%の水田が乾いた状態に置かれている」とし、北朝鮮の他の地域には雨が降ったが、黄海道地域には雨がほとんど降らなかったと伝えた。

朝鮮中央通信は、「貯水池の水位が低くなり、川、河川がほとんど乾いた状態なので、コメだけでなく、トウモロコシなどの他の穀物作物にも大きな影響を及ぼしている」と主張した。

官営メディアの朝鮮中央通信が「 100年ぶりの王干ばつ」と喧伝し、干ばつの被害を深刻だと伝えた理由として、2014年以来、干ばつが続いている北朝鮮の穀倉地帯である黄海道と江原北部などで大きな干ばつ発生し、食糧供給が困難となったせいだと思われる。

気象庁によると、2014年から最近まで、黄海道と京畿北部、江原道をつなぐ朝鮮半島中部地域には、深刻なレベルの干ばつが続いているという。

一方、平壌 - 元山ラインの北朝鮮北部の地域は平年並みの降雨量を示しており、一部の地域では、昨年よりも多くの雨が降ったことがわかっている。


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2015年05月25日


中国の天候のカオス:北部は気温35度、南部は各地で歴史的な豪雨と大洪水



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▲ 2015年05月22日の人民網より。


中国の天候が、先週以来、カオス的に荒れまくっています。

上の人民網の報道にありますように、普通は涼しい中国北部では、この時期にしては大変に珍しい猛暑に見舞われていまして、中には 35度などを記録した地域も出てきているようです。

しかし、実際の被害が大きく出ているのは、中国南部を中心に降り続く豪雨による洪水の被害で、これまでに、50名以上の方が亡くなっているとのことです。

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▲ 2015年05月24日の英国ガーディアンより。


貴州省、江西省、湖南省、広東省、広西チワン族自治区、福建省などの一部などで、少ないところでも、累積雨量が 100ミリ、多いところでは、雨量が 800ミリにまで達しているということで、今後も洪水被害が拡大する可能性があるようです。

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▲水没した江西省の古い建物。中国気象局より。


洪水もかなりの被害を出していますが、中国北部、西北部の猛暑のほうもかなりのもので、いくつかの地域では、「平年より 10度から 12度高い気温が続いている」のだとか。

中国は、ここ数年は、毎年、地域によって、「大洪水か激しい干ばつ」のどちらかの被害に見舞われている感がありますが、5月というのは少し早いです。

中国の気候や自然災害については、なぜか日本ではほとんど報道されないのですが、今年もすでにかなり荒れています。

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2015年04月04日


二極化する地球の気候 : 中国山東省で観測史上最悪の少雨と危機的な干ばつ



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▲ 2015年3月25日の新唐人より。



前回の記事「過去100年で最も多い雨量を記録したインド北部」などのように、大雨や洪水に関してのニュースが世界中から伝わってくる一方では、干ばつの報道の激しさも例年にないものとなっています。

先月の記事、

ブラジルで続く深刻な干ばつにより、首都サンパウロで6月にはすべての水が枯渇する可能性を政府が発表
 2015年03月17日

でご紹介しましたように、ブラジルのサンパウロでは水不足が限界にまで達しようとしています。

激しい干ばつが筒尽くアメリカのカリフォルニア州では、4月1日に、住民に25%の節水を義務付けるという「行政命令」が発令されましたが、CNN によれば、カリフォルニア州知事は「前例のない対応をせざるを得なくなった」と語ったことが記されています。

カリフォルニア州では、地域によっては、歴史上最悪の干ばつとなっています。

そして、今回ご紹介する中国の山東省も地域的に危機的な干ばつに見舞われていて、冒頭の「イ(さんずいに維)坊市」という地域では、過去 56年間で最も雨が少なくなっています。


山東省イ坊市の場所
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Google Map


その他にも、山東省は全域で雨不足が著しく、下の報道のように、400以上の貯水池が枯渇していて、200以上の川が干上がった状態なのだとか。


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▲ 2015年3月30日の鳳凰より。


大雨や洪水にしても、少雨や干ばつも気候の二極化が本当に激しくなってきているように思います。
日本はどうなりますでしょうかね。

山東省の干ばつについて、newsclip の報道からご紹介します。



中国:山東省の各地で干ばつ深刻化
newsclip 2015.03.31


山東省の各地で干ばつが深刻化している。

なかでも中部のイ坊市では、2013年8月以来の累計降水量が足元まででわずか561ミリ。1952年の統計開始以来、最も少ない雨量を記録した。市内の大型ダム6カ所のうち、4カ所で水量が前年比で半分以下に落ち込んだという。そのうち、イ坊市昌楽の馬宋ダムでは、過去56年来で初めて干上がっている。

多くの地域では、住民の飲料水が足りていない。小麦の生育にも打撃が及んだ。山東省では、済陽、商河、臨邑、荏平などの各県で麦畑が大規模な干ばつに見舞われている。


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2015年03月17日


ブラジルで続く深刻な干ばつにより、首都サンパウロで6月にはすべての水が枯渇する可能性を政府が発表



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▲ 2015年3月16日の RYOT より。


ブラジルでは地域により、過去 100年ほどで最悪の干ばつに見舞われています。

先頃、ブラジル政府は、今の状況が続いた場合、首都サンパウロで「今年の6月までには使用する水がなくなる」という推定値を発表しました。

サンパウロ市は周辺を含めて人口 2000万人の大都市です。

それだけの人口を抱える地域の「水がなくなる」というのは、かなり深刻な事態と言えそうです。

現在、サンパウロ周辺の貯水池はことごとく貯水率が低下していて、特に最大のカンタレイア貯水池では、貯水率が 10%以下にまで落ちています。

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▲ サンパウロ州のカンタレイア貯水池( Cantareira reservoir )の現在の状況。PRI より。


このサンパウロの水不足の状況について報じている RYOT の記事をご紹介します。



Sao Paulo, South America’s Largest City, Will Run Out of Water by June
RYOT 2015.03.16


南米最大の都市サンパウロは、6月までに水が枯渇するだろう


米国カリフォルニアの干ばつのひどさは、 NASA の科学者たちが「あと1年しか水はもたない」と推定しているほどだが、ブラジルのサンパウロはもっとひどい。

今の状況が続いた場合、サンパウロでは、6月頃に水がなくなるだろうと予測されているのだ。そして、今から2年半はその状況が続くという。

これは、ブラジル政府が独自に計算した推定値だ。

サンパウロ州では、過去 80年で最悪の干ばつが発生している。

AP 通信は、「サンパウロ周辺の 2000万人へ水を供給する貯水池は、今年2月に驚くべき水量の低下を示し、現在は 8.9%しか貯水されていない」と報じた。

このカンタレイア貯水地は、サンパウロとその周辺に住む人々の約3分の1に水を供給している6つの貯水池の中で最大の貯水池だ。

政府は、雨不足と暑さが継続した場合、事態はさらに深刻になる可能性があるという。

良いニュースとしては、2月の終わりに雨が降り、貯水率が 11%にまで上がったということだが、根本的な問題の解消には程遠い。

また、水力発電のダムの水量も低下しており、多くのエネルギーを作ることができないため、電気出力に影響を及ぼしている。

政府は、計画停電を発表し、同時に、電気を節約するための水の配給制を実施することを発表した。

2014年8月にも、サンパウロ市は地域の家庭への給水の停止をおこなっている。
住民たちは公衆の水道に群がり、隣人同士が戦う事態となった。

この状況は9月まで数週間続いた。

最終的に、給水車を市に派遣し、水の配給を始められたが、スラム街などには給水車は来なかった。スラム街に住む住民によれば、彼らは使われていない古井戸の水を使用せざるを得なかったという。

住民の女性のひとりは、「それは長い時間沸騰させなければ飲めないような水でした。しかし、沸騰しても、飲むと胃の痛みや嘔吐がありました」と語る。

今のサンパウロでは、入浴に関しても、雨が降った時にその雨で体を洗うという人たちが普通になっているほど、その水不足は深刻だ。


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2014年12月28日


マレーシアとタイ南部で過去数十年で最悪の大洪水が発生



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▲ 2014年12月27日の Aljazeera より。


マレーシアとタイ南部が、歴史的な洪水に見舞われています。

これまで、タイとマレーシアで 18人が死亡したとされていますが、大雨は今後も降り続ける見込みで、被害はさらに拡大しそうな勢いです。

これについては、日本でも報じられていますが、現地の写真や動画などを見ると、その惨状がわかります。

下の写真はマレーシアのコタバル近くにある、ケンパラン・チェパという町を上空から撮影した様子ですが、住宅街がほぼ全域で水に使っていることがわかります。

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Channel News Asia


下から見た光景は下のようになっています。

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YouTube


下の動画はクランタン州で、避難する住民が撮影したものだと思われますが、水没した車の上で救助を待っている人なども見えまして、水位が上がりますと、さらに危険な状況になるような雰囲気があります。




今回の洪水は、通常と違うモンスーンの動きによって起きたようですが、これなどを見ましても、「地球の大気の大きな循環のシステムが変化しているのかもしれない」ことを感じます。

11月のアメリカなどの記録的な寒波も北極からの大気が北米大陸に向かったためですが、日本でも爆弾低気圧などがわりと多発していますが、このような「これまでなかったような大気の循環や移動」によるカオスな悪天候は今後も続きそうです。

マレーシアの洪水については NHK の報道を抜粋しておきます。



マレーシアで洪水 避難16万人超
NHK 2014.12.28

東南アジアにこの時期に吹くモンスーンと呼ばれる季節風の影響で、マレーシアやタイでは記録的な大雨が続き、多くの町が水につかるなどして、マレーシアではこれまでに16万人を超える住民が避難しています。

東南アジアでは1週間ほど前から、モンスーンと呼ばれる北東の季節風が吹き、マレーシア北部やタイ南部を中心にこの時期としては数十年に一度しかないような記録的な大雨が続き、各地で町ごと水につかるなどの被害が広がっています。

現地の報道などによりますと、このうちマレーシアでは、北部クランタン州など5つの州を中心にこれまでに少なくとも5人が死亡したほか、住宅への浸水の影響で、16万人を超える住民が避難したということです。

また、タイでも南部を中心に住宅への浸水などの被害が広がり、これまでに少なくとも13人が死亡し、8000人近い住民が避難したということです。

マレーシアでは孤立した住民を軍や警察などがヘリコプターやボートを使って救助を進めていますが、広い範囲で交通網が寸断されているほか、停電や断水が起きていて、避難した人たちに水や食料が十分に供給できない状況が続いているということです。

マレーシアやタイの気象当局によりますと、今後、数日間にわたり大雨が続くおそれがあるということで、さらに被害が広がることが懸念されています。


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