- 中国で進行する砂漠化:中国最大の淡水湖「ハ陽湖」(ポーヤン湖)がこの2ヶ月間で水面積が半分に
- カリフォルニアの干ばつは「過去1200年で最悪」であることがアメリカ地球物理学連合の調査で判明
- 中国の各地で「歴史的な大干ばつ」が進行。遼寧省など複数の省では63年ぶりの少雨
- 中国貴州省など続く大洪水で500万人以上が被災。観光名所「鳳凰古城」も水没
- パラグアイを中心に過去最悪の被害の洪水が発生中。南米3カ国で36万人が避難し、ブラジルの一部では非常事態宣言
- ブルガリア北東部で過去最大級の豪雨による洪水。歴史ある古都でも非常事態宣言
- ブラジル:ワールドカップの開催地で記録的な洪水による非常事態宣言。イグアス滝は水量が平時の30倍に達している
- 中国南部で繰り返す豪雨と洪水。数日前に洪水被害が出た貴州省でふたたび洪水により20万人が被災
- ロシア極東地域でまたも激しい洪水が発生中
- 北朝鮮が 30 年ぶりの干ばつに見舞われている
【洪水と干魃】 の記事一覧
2014年12月27日
中国で進行する砂漠化:中国最大の淡水湖「ハ陽湖」(ポーヤン湖)がこの2ヶ月間で水面積が半分に

▲ 2014年12月24日の guoqing.china より。
中国最大の淡水湖である江西省のハ陽湖(ポーヤン湖/中国語表記:鄱阳湖)という湖があります。

この湖の水が最近急速に減少して、「湖だったところが大草原になってしまった」という報道がされています。この湖は、これ以前にも、この数年間ものすごい「干上がり」を見せていまして、3年以上前の In Deep の、
・今世紀最大の中国の干ばつで枯れ上がる揚子江と中国最大の淡水湖
In Deep 2011年05月27日
という記事で、アメリカの Epoch Times の「中国で進行する世紀の大干ばつ」という報道をご紹介したことがありました。
これは中国全体の干ばつについての記事でしたが、そこにポーヤン湖についての記述もありますので、その部分を抜粋します。
枯渇していく中国最大の淡水湖
中国最大の淡水湖であるポーヤン湖の水位は、 現在続いている「 100年で最悪の干ばつ」の影響を大きく受けた。現在のポーヤン湖の水位は昨年の水位のわずか 10分の1しかない。湖の一部は完全に干上がった。
この干ばつにより、「ポーヤン湖では多くの水生植物、魚類、カラスガイが消えた」と言うのは、28年間、ポーヤン湖で自然保護にあたってきたワン・カオロンさんだ。現在は渡り鳥も消えつつあるという。
この地域の米作も危機的な状況となっており、ほとんどの貯水池や湖が干上がっていると、ポーヤン郡の郡政府職員は当紙に語る。
「揚子江が干上がり、ポーヤン湖の水位も極端に下がっている。この先、雨が降らなければ、コメの収穫はまったく見込めないだろう。江西省は中国の主要な穀物生産地域のひとつだが、今年はほとんど見込めないだろう」。
職員はそう言った。
このように、ただでさえ、干ばつが進んでいたポーヤン湖ですが、この2ヶ月で、急速に「水が消えた」ことが判明したのでした。
下のように、水域の面積が、2ヶ月間で半分程度に減ってしまったのです。

・jiangxi.jxnews
12月27日の newsclip の「中国最大の淡水湖が“大草原”に、天然魚は7割減少」という記事には、
(ハ陽湖では)乾季が続く中で、特産のエビや魚の死骸が至るところで見られるなど、生態系が危機に瀕している状態。周辺の住民らの飲料水不足も深刻な問題となっている。
統計によると、ハ陽湖は2000年から水位が低下し続けており、それに伴って天然魚の量が大幅に減少している。魚の量は2007年時点で、2000〜2006年の年間平均のわずか4割。この1〜2年では3割にも満たなくなっている。魚の減少によって、これをエサとする渡り鳥もハ陽湖を避けるようになった。
また砂漠化状態という点から見ると、江西省全体で7万2500ヘクタールの砂漠化が見られるが、そのうちハ陽湖で3万8900ヘクタールと半分以上を占める。
とあり、中国の江西省全体は、全体として「砂漠化」が進んでいるようです。
先日書きました、
・中国 : 北京は大気汚染で「じきに人間が住める場所ではなくなる」という研究結果が発表される
2014年12月22日
という記事などにもありますけれど、本当に、中国は環境的に厳しい状態となっていて、このままでは本当に、中国は「人が住むことのできない大国」になりかねないかもしれません。
まあ、そういう場合、何億人の中国の人々がどこに押し寄せるのかと考えますと、なかなか気が滅入る部分もあります。
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洪水と干魃

2014年12月18日
カリフォルニアの干ばつは「過去1200年で最悪」であることがアメリカ地球物理学連合の調査で判明

▲ 2014年12月16日の Epoch Times より。
米国カリフォルニア州の干ばつは、今年の夏にはすでに「史上最悪」のレベルに達していました。例えば、下は今年9月の報道からの抜粋です。
カリフォルニア州の旱魃が過去最悪のレベルに達している
THP 2014.09.24
干ばつ情報を提供するウェブサイト、アメリカ干ばつモニターが7月31日に発表したデータによれば、カリフォルニア州の58パーセントが「異常な旱魃」状態にある。これは、アメリカの国立旱魃軽減センターが定める基準のうち最も深刻な段階にあたり、州の記録史上最悪の状況だ。
「今年は旱魃の記録が次々に更新されている状態です」と、センターの気候学者、マーク・スヴァボーダ氏はロサンゼルス・タイムズに語った。カリフォルニアでこれほどの旱魃が記録されたのは、連邦政府が1990年代に旱魃状況を発表しはじめてから初のことだという。
しかし、その後も干ばつの状況は悪化し続けていて、アメリカ干ばつモニターでも下のように、カリフォルニアでは「極めて厳しい干ばつ」の地域が広がっています。

・U.S. Drought Monitor
この干ばつ状況マップは、今のアメリカが、東部と西部でまったく違う気候となっていて、東部は雪と寒波、西部は干ばつ、という状況となっていることもわかります。
写真検索などをしますと、カリフォルニアの末期的な様子を示す写真が数多く見出されます。

・O’CONNELL
そして、上の THP の記事には「過去最悪のレベルに達している」とありますが、それ以降もさらに悪化を続けていまして、地球物理学分野での世界最大の学会であるアメリカ地球物理学連合(AGU)の調査によって、この干ばつが、「過去 1,200年間で最悪」のものだということが判明したことが報じられていました。
その記事を簡単にご紹介いたします。
California Mega-Drought Worst in 1,200 Years Say Scientists (And It’s Still Getting Worse)
Epoch Times 2014.12.16
カリフォルニアの大干ばつは過去 1,200年で最悪だと科学者は言う(そして今なお悪化し続けている)
南カリフォルニアの一部では最近豪雨が降ったにも関わらず、最新の研究データによれば、過去数世紀で最悪の干ばつに陥っていることがわかった。
気温の影響について研究しているアメリカ地球物理学連合( AUG )の科学者たちは、降水量などの低さや、その他の状況と照らし合わせて、この干ばつが、過去 1,200 年で最悪のものであることを見出した。
また、科学者や気候学者たちは、この最悪の干ばつは今後も続くか、あるいは将来的にまた繰り返すことがほぼ確実であるという。
研究者たちは、カシの木の年輪などから、過去の降雨、河川や貯水地の状態などを計算した。
カシの木はの年輪は、過去の雨量に対応して正確な紋様を描く。そのため、カシの木は自然の雨量計にも近いと言われている。
この研究では、過去の干ばつは現在より激しいものもあったという。
そして、研究でわかったことは、過去の歴史は、「干ばつは続く」ということだった。そのため、今回のカリフォルニアの干ばつも同じように今後も続可能性がある。
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洪水と干魃

2014年08月16日
中国の各地で「歴史的な大干ばつ」が進行。遼寧省など複数の省では63年ぶりの少雨

▲ 2014年8月14日の NTDTV の報道より。
中国の東北地域を中心とした広い範囲で、記録的な干ばつが発生しています。
原因は「異常な少雨」で、冒頭に載せました遼寧省では、1951年以来、63年ぶりに異常な少雨となっていることが報じられています。
また、河南省でも記録的な少雨により、下の記事の見出しにあるようように、貯水地などが次々と干上がっていることが報じられています。

・news21cn
現在、中国で厳しい干ばつが起きている地域は下で赤丸で囲んだ省にわたるようで、かなり広範囲な干ばつに見舞われていることがわかります。

日本ではこの夏、台風や洪水などで、多くの田畑が被害を受けまして、野菜などは現在、価格が高騰している状態ですが、中国では渙発により収穫にかなりの影響が出るものと思われます。
輸入の多い日本にも野菜の供給や価格に影響が及ぶ可能性もありそうです。
newsclip の記事から現在の状況を抜粋しておきたいと思います。
中国:遼寧省でも63年ぶり大干ばつ、農産物の生育に「黄信号」
newsclip.be 2014.08.15
東北エリアを中心に、中国各地が深刻な干ばつに見舞われている。
気象台によると、遼寧省の降水量は今年7月以来、極端に少ない状態が持続中だ。1951年以来、63年ぶりの少雨異変が起きているという。
農地に水が行き渡らない中、大連、瀋陽、鞍山、錦州、阜新、鉄嶺、朝陽、葫蘆島(コロ島)などが干ばつ被害に直面。被災面積は3010万ムー(約2億アール)に拡大した。収穫が絶望的な畑も多い。
降水不足が秋まで持続した場合、農産物の収量が大きく減少する見通しだ。
中国ではこのほか、吉林省、河南省、内モンゴル自治区、新彊ウイグル自治区、陝西省などでも干ばつ被害が報告されている。
吉林省や河南省の一部でも、63年ぶりの大干ばつに遭遇。吉林省気象台によると、省内の平均降水量は7月1日から足元まででわずか113.1ミリにとどまる。これは例年比で48%も少ない水準。
すでに629万ムー(約4000万アール)の農地が被災した。当面は少雨が持続すると予想されるため、被災面積は拡大する可能性が高いとされる。
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洪水と干魃

2014年07月18日
中国貴州省など続く大洪水で500万人以上が被災。観光名所「鳳凰古城」も水没

▲ 7月16日の貴州省の松桃自治県という場所にある町の様子。警察とレスキュー隊が住民たちを救出しています。2014年7月16日の国家経済門戸より。
中国は、この数年、必ずといっていいほど、この時期に大きな洪水に繰り返し見舞われますが、今も貴州省という場所を中心として、非常に規模の大きな洪水が発生しています。

・Wikipedia
被害は貴州省だけにとどまらず、周辺の多くの地域で豪雨が続いています。

▲ 2014年7月16日の ews.qq より。
7月16日の時点では、上の報道のように、十数名が死亡行方不明となっていて、被災者の数は 500万人を超えています。
また、湖南省鳳凰県という場所の山間部にある観光地として名高い「鳳凰古城」という景勝地も洪水の被害に遭っていることが報じられています。

・kaixian.tv
鳳凰古城というのは、ふだんは下のような、実に美しい場所です。

▲ 周辺風景-鳳凰古城より。
上の報道写真で、水没している橋の下は市街となっていて、古い街並みなどが並んでいる場所なのですが、ほぼすべて水没してしまっている状態のようです。

▲ 鳳凰古城の様子。7月16日の kaixian.tv より。
現在、住民たちはほとんど避難していて、洪水後にどのような状態となっているかが判明するまでには、まだ時間がかかりそうです。豪雨による洪水ですので、その豪雨が収まれば洪水の水も引くのでしょうけれど、中には修復の難しい古都の風景の一部なども含まれているかもしれません。
最近は洪水で世界の様々な文化的遺産や宗教的聖地が被害を受けることが多いです(洪水以外の自然災害での被害も多いですが)。

▲ 2013年6月に発生したインド北部での洪水の際の、聖地リシケシのシヴァ神の巨大な像。 In Deep 「世界中で止まらない黙示録的な洪水の連鎖」より。
そして、どうにもこの連鎖はまだまだ収まる気配を見せていない感じです。
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洪水と干魃

2014年07月02日
パラグアイを中心に過去最悪の被害の洪水が発生中。南米3カ国で36万人が避難し、ブラジルの一部では非常事態宣言

▲ 6月30日のパラグアイ infobae より。
ブラジルではW杯の開催中ですが、6月下旬から降り続く豪雨により発生した洪水で、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの3カ国に大きな被害が出ています。
洪水の被害が最も大きいのは、パラグアイで、首都アスンシオンなども壊滅的な状態になっていて、首都からの避難した人の数は、7万 5800人にのぼると伝えられています。今回の洪水は、パラグアイの首都近郊で起きた洪水としては過去最悪の被害だそう。

▲ 6月30日のパラグアイの首都アスンシオン。infobae より。
ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの3カ国の位置関係は下のようになります。

つまり、パラグアイを中心として起きた大洪水といっていいようです。
今回の洪水は集中豪雨で発生したものですが、この地域の雨量が増えるのはこれからの季節だということですので、今後数ヶ月にわたり洪水が発生しやすい状況は続くと地元の気象局は述べています。
そのため、避難した人々が自宅にいつ帰宅できるかはわからないとしています。

▲ 6月30日のパラグアイの首都アスンシオン。infobae より。
被害はブラジルとアルゼンチンにも及んでおり、ブラジルではサンタカタリーナ州で4万人が避難。リオ・グランデでは、川の水位のレベルが警報レベルを越える9メートルに達していているものの、これ以上の洪水の危険性はないとしています。
アルゼンチンでは北部の州で、1万2千人が避難していて、一部の地域で緊急事態宣言をしています。
パラグアイの大臣は、「降り止まない雨と相まって、あっという間に増水したパラグアイ川の異常な洪水などの複雑な要素が、今後のシナリオを悪化させている」と語り、政府当局は、事態を打破する緊急の第三者委員会を作るための動いているほど深刻な状況のようです。
ちなみに、関係ないですけど、アルゼンチンは、今、「デフォルトの危機」に直面したりもしています。

▲ 6月28日の NHK 「アルゼンチン 再び債務不履行のおそれ」より。
今回の洪水に限ったことではないですし、また、どの国でもそうかもしれないですが、仮にそういうデフォルトのようなことになると、災害などへの予算支出などにも支障が出るものかもしれません。
自然災害は増えて、国家経済の危機も増える。
そういう状況が今後も様々な局面において他にもありそうです。
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洪水と干魃

2014年06月22日
ブルガリア北東部で過去最大級の豪雨による洪水。歴史ある古都でも非常事態宣言

▲ 6月20日のブルガリア英字メディア novinite より。
ブルガリア北東部で、6月 19日から降り続いた豪雨により大規模な洪水が発生し、6月21日の時点で、14名の死亡が確認され、また、消息のわからない人も複数存在しています。
6月22日現在、洪水は収まっていて、住民たちとレスキューチームは、下のような状態と化した町の復旧活動を始めているようです。

▲ weather.com より。以下の写真も同じ。
今回のブルガリアの洪水では、冒頭に貼りましたように、いくつかの地域で非常事態宣言が発令されましたが、上の「ヴェリコ・タルノ」という町のことを知らなかったですので、調べてみますと、下のような歴史ある場所でした。 Wikipedia からです。
ヴェリコ・タルノヴォはブルガリア北東部の町。第二次ブルガリア帝国の首都として多くの観光資源で知られている。
ヴェリコ・タルノヴォはブルガリアでも最古の集落の一つであり、5千年紀を超える歴史を有する。この地域に人間が居住していた最古の痕跡は紀元前3千年紀のものである
ということで、上のような街並みと、多くの観光要素を持つところのよう。
このヴェリコ・タルノヴォを含めて、今回の洪水では、まさに「壊滅的」な被害を受けました。

▲ 洪水の中、住民同士が救助し合っている光景。

▲ 洪水の濁流にながされる車。
ブルガリアのプラメン・オレシャルスキ首相は、6月23日を「国家としての追悼の日とする」としました。
なお、今回ブルガリアに洪水をもたらした「豪雨」ですが、6月21日には、
・24時間で1ヶ月の平均の総雨量を越える雨が降った
そうで、一日のうちに1ヶ月分の雨が降ったことにより、各地の河川などが氾濫して大洪水となったようです。
日本でも、本日(6月22日)九州などで猛烈な激しい雨が降るおそれが報道されたりしていますが、最近の洪水報道の多さにはものすごいものがあり、時期的な部分で考えましても、まだしばらくの間、世界は洪水と向きあうことになっていくような気がします。
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洪水と干魃

2014年06月11日
ブラジル:ワールドカップの開催地で記録的な洪水による非常事態宣言。イグアス滝は水量が平時の30倍に達している

▲ 2014年6月10日の WID Apocalyptic Brazil Flood: Thousands Flee From World Cup Host City より。
ワールドカップの開催が近いですが、そのブラジルのサッカーワールドカップの試合会場があるパラナ州のクリチバという場所で豪雨による洪水が発生しており、数万人の住民が避難しています。
また、現在までに9名の方の死亡が確認されているということです。
このクリチバには現在、非常事態宣言が出されています。

▲ 6月10日のクリチバの様子。 Epoch Times より。
また、この豪雨で、ブラジルのイグアスの滝は、1993年7月に記録した2870万リットルの水量を大幅に上回り、水量が平時の 30倍の毎秒4500万リットルという大増水となっている模様。

▲ Epoch Times より。
NHK の「ブラジル南部で水害 9人が死亡」という報道によりますと、
クリチーバには、まもなく開幕するサッカーワールドカップの試合会場がありますが、洪水被害があった地域からは離れているため、大会に直接の影響はないということです。
ということで、大会には支障がないということですが、このように非常に不安定な天候となっていることを踏まえて、現地に行かれる方は十分に現地の天気予報などにお気をつけられるのが懸命かと思います。
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洪水と干魃

2014年06月05日
中国南部で繰り返す豪雨と洪水。数日前に洪水被害が出た貴州省でふたたび洪水により20万人が被災

▲ 2014年6月4日の中国 NTD TV より。
中国の南西部では、5月の下旬から繰り返し豪雨に見舞われています。
最近の記事の、
・中国の広東省で記録的な豪雨で25万人が被災。死傷者も多数出ている模様
2014年05月25日
では、広東省での洪水について書きましたが、その頃、貴州省でも下のような洪水に見舞われていました。
中国の暴風雨で26人死亡、10人不明
AFP 2014.05.27
中国の国営新華社通信は26日、同国の南部と中部を襲った暴風雨で、少なくとも26人が死亡し、10人が行方不明となっていると報じた。当局は、被災地に救援物資を届けるなどの緊急対策に着手したという。
5月25日の貴州省の洪水の様子

▲ 2014年5月25日の sina より。水没した貴州省の街並み。
貴州省の位置

そして、その貴州省は 6月 2日から再び激しい豪雨に見舞われ、大規模な洪水が発生しています。

▲ 救助隊に危険エリアから運ばれる子どもたち。 hinews より。

▲ 洪水の後の貴州省遵義市。sohu より。
6月3日の時点で、貴州省全体で 20万人が被災し、一名が死亡が確認されているとのこと。他に、湖南省、四川省など、中国南部の各地で非常に激しい豪雨が降り続けているようです。
湖南省では、2万人以上が避難しています。

▲ 湖南省の鳳凰川。増水により周囲はほぼ水没。sina より。
日本も順次、梅雨入りしていますが、中国の豪雨を見ていますと、日本でも今年もかなりの豪雨が連続しそうな気配もあります。大雨警報などが出た場合は、「現在の豪雨は過去の豪雨とは違うかもしれない」という感覚をいつもお持ちいただくのもよろしいかと思います。
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洪水と干魃

2014年06月01日
ロシア極東地域でまたも激しい洪水が発生中

▲ 2014年5月31日のロシア ampravda より。
ロシアでは一昨年以来、各地で激しい洪水が起き続けています。
昨年8月には、ロシアの極東地域で非常に大規模な洪水が発生しました。
特にアムール州という地域では、過去 120年間で最悪の被害を出した洪水が発生しました。

▲ 2013年8月22日の過去記事「ロシア極東での洪水は過去 120年で最悪の被害に」より。
今年はまだ5月だというのに、同じような地域で洪水が発生し、昨年、壊滅的な被害を受けたアムール州に洪水が迫っている可能性があることがロシア非常事態省により発表されています。

▲ 2014年5月31日のインターファクス通信より、アルタイ地方の洪水の様子。
昨年の洪水は、下の地図のアムール川上流の氾濫から始まり、次第に下流のハバロフスク州などに拡大して、極東地域全域が洪水に見舞われました。

アムール川は、中国の遼寧省、吉林省、黒竜江省などにも繋がっていて、昨年の洪水では、中国でも大きな被害を出しました。

▲ 2013年8月の中国のアムール川の増水による洪水報道。新華社より。
そして、今年も、シベリアやロシア極東の各地で豪雨による洪水が発生しています。

▲ 洪水かに家畜を守るために、場所を移動させている光景。piter.tv より。
ロシア政府と非常事態省も、最近の洪水被害の激しさのこともあるのでしょうが、かなり早い段階で、今後の方針を検討しているようですが、洪水がどのように拡大していくかは予想できない面があり、状況に応じて、非常事態宣言なども含めて、住民の安全確保に当たるというようにことを述べています。
今年の洪水の特徴は、とにかく「発生時期が早い」ということに尽きます。
そして、ロシアでも、他の北半球の地域でも、本格的な豪雨や荒れた天候が訪れるのは、本来ならこれからの季節ですので、今年は本当に洪水が多くなりそうです。
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2014年05月29日
北朝鮮が 30 年ぶりの干ばつに見舞われている

▲ 韓国 NEWSis より。
韓国の複数の報道で、5月のはじめより「北朝鮮の深刻な干ばつ」について報じられていましたが、現在もそれは進行しているようです。
最近は笑顔も多い北朝鮮の指導者、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記。

▲ 5月21日の中国日報より、麦わら帽子をかぶり、教育施設の建築現場を視察する金さん。
しかし、不作による食糧難はこれまでも北朝鮮にとって、もっとも困難な危機と関係してきたことでもありますので、あまり楽観もできない感じかもしれません。
なお、水不足は韓国でも地域的に広がっているようです。
下は韓国の京畿道(キョンギド)の農業用水の不足を報じている記事からの写真です。

▲ 5月27日の韓国 kgnew より。
北朝鮮の干ばつについて、冒頭の記事を翻訳したものをご紹介します。
北、春の干ばつでの食糧の非常事態に備えて総力
北朝鮮労働党機関紙の労働新聞は、深刻な干ばつによる食糧難に赤信号が灯ったとして、干ばつの被害を防ぐための事業に総力を傾けなければならないと農村部の労働者たちを督励した。
労働新聞は、「日照りによる干ばつ被害を徹底的に防ごう」というタイトルの記事において、「現在、私たちの国家の全域で日照が不足している」とし「今年に入って西海岸と東海岸地域で少雨が続き、2月下旬から4月中旬までの降水量は平年に比べて数十ミリ少ない。西海地区では過去数十年ではじめて見るような少雨となっており、農業に非常に不利な影響を及ぼしている」と伝えた。
労働新聞は、「労働者は、今年の農業の運命が自分たちの肩の上に負われているということを深く自覚し、干ばつの被害を防ぐための事業を戦闘的に展開しなければならない」と促した。
同紙はまた、 「各地農村で干ばつの被害を防ぐための事業にすべての力を集中しなければならない。すべての水源を見つけ、干ばつの被害を防ぐために効果的に水を使用しなければならない。また、地下水を積極的に利用するとともに、水を一滴も無駄に流さないようにしなければならない」と強調した。
続いて、 「農業部門労働者と勤労者は、干ばつの被害を防ぐことが今年の穀物確保のための重要な任務の一つであるということに留意して、気象、気候条件に合わせて作物管理に取り組んでいかなければならない」と助言した。
それ以前の北朝鮮の朝鮮中央通信は 5月 2日に「我が国のほとんどの州で深刻な干ばつ現象が続いている」とし、 「2月中旬から3月末までに、全国の平均降水量は 23.5 ミリメートルで、平年の 35 パーセントの雨量しかない」とし、 1982年以降、 32年ぶりにの最低の雨量だと報道していた。
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洪水と干魃

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