2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2013年07月13日


今年最大級の台風ソーリック(台風7号)が現在すでに洪水被害が甚大な中国に向かっている



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▲ 台風ソーリック(台風7号)の中国と台湾の被害への懸念について書かれた 7月12日の中国語版
国連ニュースより。





先日の記事、

四川大震災の被災地を含む中国西部で「過去 50年間で最悪の洪水」により大きな被害が発生
 2013年07月11日

のその後については、昨日のロイターに下の記事がありました。


四川省洪水の死者・行方不明者は計200人超、台湾は台風直撃へ
ロイター 2013.07.12

中国国営通信の中国新聞社によると、四川省で発生した豪雨で洪水が発生し、週末からの死者数が少なくとも36人に上り、166人が行方不明となっている。

一方、台湾では12日に台風7号(ソーリック)が直撃する見通しで、翌13日に中国の福建省と浙江省に進むとみられる。



ということで、今回は、台湾と中国に大きな被害をもたらすかもしれないと言われている、この台風7号(英名ソーリック)についてです。


日本では「台風7号」のように連番で呼ばれますが、日本を離れれば、名称はアジア名となりますので、ここからは「ソーリック」と記載します。

この台風のアジア名の由来については、Wikipedia の台風 - アジア名に説明されています。全部で 140個のアジア名が決められていて、順番につけられ、140番目までいくと、また 1からアジア名がつきます。

ソーリックの意味は、ミクロネシアの言葉で「伝統の酋長の称号」を現すものだそうです。

solik-name-02.png

台風 - アジア名 より。


すでに中国の一部では上のロイターの記事にありますように、激しい洪水被害に見舞われているのですが、台風ソーリックは、今後、台湾を経た後、中国本土と向かっていき、予想される進路は現在、大洪水が起きている四川省などの地域と重なる可能性があります。



▲ 先週末からの豪雨で発生している四川省での洪水。


進路は下のようになります。
日本気象協会からのものです。

soulik-direction.jpg



この台風ソーリックは、勢力がものすごく大きく、上の天気図のある日本気象協会の説明では、


予想される最大瞬間風速は65メートル。
樹木が根こそぎ飛ばされ、屋根が吹き飛び、走行中のトラックが横転するくらいの風が予想されています。



と記されています。

英国のガーディアンでは「中国と台湾に洪水の犠牲のカオスをもたらす」というようなタイトルの記事を載せていましたので、ご紹介します。



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2013年07月11日


四川大震災の被災地を含む中国西部で「過去 50年間で最悪の洪水」により大きな被害が発生



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▲ 濁流に飲み込まれていく建物。四川省の北川。崩壊しつつある大きな建物には「北川大酒店」とあるので、食堂かレストランのようです。
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最近は洪水の記事を取り上げることが多く、7月に入ってからだけでも、

たった2時間のあいだに「1ヶ月分以上の雨量」が降ったカナダ・トロントの猛烈な雨と洪水
 2013年07月10日

パラグアイで洪水により無期限の非常事態宣言
 2013年07月07日

インドで再び大規模な洪水:300の村が洪水で流される
 2013年07月05日

と、カナダ、パラグアイ、インドの洪水をご紹介していますが、今年の洪水の際立っているところは、これまで経験したことのないような大量の雨が「短時間の間に降る」というところにあります。

今年はいろいろ自然現象に対して、「経験したことのない」とか、「観測記録史上最大」というような形容がつきます。

これは雨だけではなく、たとえば、身近なところでは日本の気温もそうです。

東京では今日 7月 11日に気温が 35度を越えると猛暑日の連続記録を更新するのだそう。


7月11日の予想“35度”東京「猛暑日」連続記録更新か
ANN ニュース 2013.07.10

東京・大手町の気温は7月10日までで、4日連続して35度を超えました。これは1876年に統計を開始して以来、最も長く、これまで1978年、1994年と猛暑だった2010年に2回記録しただけです。11日も35度に達すると、連続記録を更新します。



少し前までは、日本でも各地で降水量の記録を作りましたが、世界中で、さまざまな「自然の記録」が更新されています。


そして、今回の記事も洪水に関係するものですが、中国の西部です。

数日間続いているようで、まだ収束していないですので、被害の全貌はわかっていませんが、数十万人が被災しているとのこと。

英国のミラー紙が写真での特集を組んでいましたので、そこからご紹介します。




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2013年07月10日


たった2時間のあいだに「1ヶ月分以上の雨量」が降ったカナダ・トロントの猛烈な雨と洪水



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▲ 運航中に洪水に巻き込まれて、乗客を乗せたまま止まってしまったトロントの旅客車。救出活動は夜まで続きました。 Extinction Protocol より。




カナダのトロントで、カナダの歴史の中で最も極端かもしれない洪水が発生しています。

どのように「極端」かと言いますと、「あっという間に洪水になった」のです。上の走行中の電車の水没や、下に載せます走行中の自動車が水没している様子を見てもおわかりかと思いますが、気象局さえ予測さえできなかった豪雨が一気に降り落ちたということのようです。

その雨量はタイトルにしました通り、トロントの1ヶ月分の降水量が「2時間ほどのあいだに降り注いだ」とのこと。

今回は、現時点(7月10日)で比較的新しい報道をご紹介したいと思います。

ちなみに、カナダのトロントの場所は、私自身が曖昧にしか把握していなかったですので、地図で調べてみますしたところ、下のの位置で、アメリカとの国境に近い街のようです。

toronto-map-01.jpg


では、ここからです。
カナダの「ザ・スター」より。

写真はカナダのいくつかのメディアから拝借しました。





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2013年07月07日


パラグアイで洪水により無期限の非常事態宣言



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▲ 川の氾濫で、現在までに 1500世帯の約 15000人が家を放棄して避難しているとのこと。パラグアイのメディア より。
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つい、先日、

南米のふたつの大河が観測史上最高の水位を記録し、パラグアイ、ブラジル、アルゼンチンに大洪水が発生する懸念
 2013年06月27日



という記事をご紹介しました。


上の記事の中で、「現在はこの洪水は進行中であり、このまま収まるかもしれないですし、被害が拡大するかもしれない」と書いたのですが、被害が拡大している地域も多いようです。

7月5日に、パラグアイでは国家非常事態宣言が発令され、今のところ、事態の収束するような見通しも立っていないようです。


その記事をご紹介します。

パラグアイは、地図では下の位置にある国です。




写真などは、現地の各メディアのものをいくつか入れさせていただいています。



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2013年07月05日


インドで再び大規模な洪水:300の村が洪水で流される



最近は洪水の記事が多く、

ノルウェー南部を中心に大洪水が発生
 2013年05月23日

という記事や、

壊滅的な洪水に襲われている中央ヨーロッパ
 2013年06月03日




などについて記したことがありますが、最近の洪水で「死者」という意味で、もっとも被害の大きかったものが、6月中旬に起きたインド北部での洪水です。


holly-statue-2.jpg

▲ 洪水に飲み込まれそうになっているインド北部のウッタラーカンド州にある聖地リシケシのシヴァ神の巨大な像。


このインドの洪水に関しては In Deep の、

世界中で止まらない「黙示録的な洪水」の連鎖
 2013年06月20日

などで、書いたことがあります。



そのインドで、また大規模な洪水が起きています。

これはまだ進行中の災害ですが、現時点での報道をご紹介しておきます。300の村が流されたとあります。




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2013年06月27日


南米のふたつの大河が観測史上最高の水位を記録し、パラグアイ、ブラジル、アルゼンチンに大洪水が発生する懸念



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▲ アルゼンチンの現地メディア Radio Salta より。豪雨によりイグアスという川とパラナという川が観測史上で最高の水位を記録していて、パラグアイではすでに洪水となっています。
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最近の洪水の多さと、その規模の激しさ、そして、今までにはないタイプの洪水などが起きていることは最近の In Deep の記事、

世界中で止まらない「黙示録的な洪水」の連鎖
 2013年06月20日

holly-statue.jpg

▲ 洪水に見舞われるインド北部ウッタラーカンド州にある聖地リシケシのシヴァ神の巨大な像。


黙示録的な洪水(2): 川のない山間にある「インド有数の聖地」が鉄砲水に飲み込まれる時
 2013年06月22日


などに記したことがありますが、今度は南米で大きな洪水が発生して、その地域を拡大させようとしているようです。



氾濫しつつあるイグアス川というのは、 Wikipedia の説明では下のような川です。

iguas-2.jpg




パラグアイでは、すでに川の氾濫で洪水が発生していて、最大で6メートルの浸水に見舞われている場所もあるそうで、現在、3000人の住民が避難している模様。

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Prensa Latina より。

パラグアイは下の位置にある国です。

para-map2.jpg


南米のほぼ中央といってもいいのかもしれません。

現在はこの洪水は進行中であり、このまま収まるかもしれないですし、被害が拡大するかもしれないですが、いずれにしても、後日、記事にしたいと思います。


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2013年06月03日


壊滅的な洪水に襲われている中央ヨーロッパ



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▲ 6月2日、中央ヨーロッパの多くの地域が洪水に見舞われました。写真はオーストリアのザルツブルグ。 BBC より。
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現在、アラスカソマリアなど、様々なところで大規模な洪水が発生していますが、欧州も広い地域で激しい洪水に見舞われています。


チェコ、ドイツ、オーストリアなどの中央ヨーロッパの広い地域で、先週から大規模な洪水が続いており、日曜日の6月2日にそれまでの時点では最大の洪水被害となっているようです。

それにして、文字ニュースは「ロシアの声」から短い記事をご紹介します。
また、英国 BBC でこの洪水についての写真特集をしていましたので、そこからもピックアップしています。



欧州:洪水で3名が死亡、8名が行方不明
VOR 2013.06.03

欧州の数カ国で、長期にわたって雨が続いたことによる洪水で、状況は緊張の度合いを増している。

チェコでは昨日、2名が死亡したほか、オーストリアではさらに1名が死亡している。AP通信によれば、チェコで4名、オーストリアで2名、ドイツ南部で2名がそれぞれ行方不明になっているという。

チェコでは日曜日、パルデュビツキー地方を除く、すべての地方で非常事態が宣言されている。プラハでは浸水地区から住民の避難が行われている。オーストリアでも数百人が避難させられているほか、西部の鉄道および自動車道路では交通が乱れている。

ドイツではバヴァリア地方が最も洪水の被害が多く、他の地域も合わせて警報が出されている。南部および東部に洪水が広がっているほか、学校も多くの地域で休校になっている。

ポーランドでも水位が危険なレベルにまで上昇しているため、11の地域で警戒が出されている。

予報でも天気は予断を許さず、引き続き雨が降り続けるという。



ここから BBC の報道です。



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2013年05月23日


ノルウェー南部を中心に大洪水が発生



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▲ ノルウェーのメディア TV2 より。
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ノルウェーの南部で、数十年間経験したことのないような洪水に見舞われているようです。

報道では主に被害が多いのは、クヴァム地方という場所のようで、地図では下のあたりに位置する場所の模様。

kvam-map1.jpg


現地の報道がノルウェー語ですので、翻訳は要約的なものとなってしまいますが、現地メディアより現在の状況を記しておきたいと思います。




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2013年05月03日


ソマリアで飢饉により 260,000人の餓死者が発生していることが明らかに



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▲ こう数十年で最悪の干ばつに続いて、極端な飢饉と飢餓に見舞われるソマリア。写真はソマリアの農民。 Extinction Protocol より。




東アフリカにあるソマリアは、現在の地球上で最も長く「無政府状態」が続いている国のひとつですが、そのソマリアで2010年からの現在までに 26万人近くの、特に5歳以下の子どもたちが餓死しているという報告が報道されていました。

下は Wikipediaの冒頭です。


ソマリア

ソマリア連邦共和国は、東アフリカのアフリカの角と呼ばれる地域を領域とする国家。ジブチ、エチオピア、ケニアと国境を接し、インド洋とアデン湾に面する。

1991年勃発の内戦により国土は分断され、事実上の無政府状態が続き、エチオピアの軍事支援を受けた暫定政権が首都を制圧したものの、依然として内戦状態が続いている。



場所はアフリカ大陸の北東の下の位置です。

somalia-map-01.jpg


人口については、不正確だとは思いますが、2008年の統計で 913万人とのことです。

このソマリアでこの数十年来最悪の飢饉と飢餓が続いていることが、最近になってはじめて西側の報道で伝えられました。米国 CNN の記事をご紹介します。



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2013年04月26日


中国雲南省の干ばつが極めて深刻な事態に: 被災者は 1200万人を越える



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▲ 2010年の雲南省の干ばつの際の報道写真。より。今回は、前回より干ばつ被害がひどいはずなのに、なぜか現地の写真がほとんど中国のメディアに載っていません。
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最近の中国は、鳥インフルエンザ、四川省での地震と、海外のメディアを賑わすような出来事が多いですが、実は「最も困っている中国人の数が多い災害」は雲南省の干ばつかもしれません。

newsclip.be に、亜州IR産業ニュースからの抜粋として以下の報道がなされていました。




中国:雲南省の干ばつ深刻化、被災者1245万人に拡大
newsclip.be 2013.04.26

雲南省の水利庁は 4月24日、省内の11州で干ばつ被害が一段と深刻化しつつあると報告した。河川 323本で流れが止まり、ダム 331カ所が干上がったという。被災者の総数は 1244万 8900人。うち 269万 7700人が援助を必要としている。 342万 3800人の飲み水が足りていない。

家畜 168万 9100頭も飲料水不足に陥っている。

被災農地の面積は 1173万ムー( 1ムー=6.67アール)。うち 128万ムーは収穫が絶望視される。森林 2331万 1100ムーも被災した。干ばつによる被害額は、直接分だけでも 100億元(約 1500億円)近くに膨らんだ。

雲南省は4年連続の少雨。

2009年 10月以降、降水量が目立って減少している。森林火災も頻発する傾向にある。 2012年の森林火災数は、前年比 160%増の 299件、焼失面積は 260%増の 2500ヘクタールに達した。






あるいは何らかの報道管制のようなものもあるのかもしれないですが、農地の現状の写真はネットにはほぼ皆無です。

ただ、雲南省の昆明という場所にる「千年古寺」と呼ばれる(正式名お寺の名前ではないです)池と緑に囲まれた美しい寺院の水が干上がったことは大きく報道されていました。


1000nen-temple-1.jpg

浙江新聞網 より。


ちなみに、上のお寺の「水のあった時」の風景は下のようなものだったようです。

1000nen-temple-2.jpg



水ってのはその存在そのものがすごいなあと改めて思います。

飲むだけ生きるためのもの以上に、「見るもの」であるということを上の写真の比較で感じます。


旧ソ連の『惑星ソラリス』という映画のラストシーンは地球が「意志を持つ海」に飲み込まれていく様子で終わるのですが、

・水がなくなる

のと

・水に覆い尽くされる

のとどっちがいいかなあ・・・あるいは、どっちがイヤかなあ、などと考える次第でした。

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