2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2012年06月12日


中国で深刻な「薬剤耐性結核」の大流行が起きている



中国では新しく発症した結核患者の3分の1以上が薬物に耐性のある結核菌を持つ


(訳者注) 中国で、「薬剤耐性結核」が大流行の兆しを見せているという報道です。

薬剤耐性結核、あるいは、多剤耐性結核というのは、「薬が効かない結核」のことで、「多剤耐性結核の性質と発症原因について」というページでの説明によりますと、


WHOによると、薬剤耐性結核は以下のように分類されています。

多剤耐性結核: 第1選択薬であるイソニアジドとリファンピシンの2剤に対して抵抗性を持っている結核。

超多剤耐性結核: 上記2剤に加え、フルオロキノロン系製剤に耐性を持ち、かつ注射剤であるアミカシン、カナマイシン、カプレオマイシンの3剤のうち、少なくとも1剤に耐性を持つ結核。



とのことです。

In Deep のこちらの記事の最後にも書きましたが、今でも、毎年、世界中で年間に940万人が新規に結核に発病し、130万人が結核で亡くなっているという事実があります。

tb-2009.jpg


これは、「薬の効く結核が多い現状」での死者数であり、もし、薬が効かないほうの結核の比率が大きくなった場合はかなりの脅威ではないかという気もします。

以下、それについての AFP の記事です。



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2012年06月09日


2012年のアメリカの春は記録の上で最も気温の高い春だった



(訳者注) 「今の世界の気温は、平年と比べて果たして暑いのか寒いのか」ということが今ひとつわからないのですが、少なくとも、米国においては今年の春は「記録上で最も暖かい春」だったようです。

下の図は、アメリカ海洋大気庁( NOAA )が昨日発表した 2012年3月から5月のアメリカの気温状況にこちらで日本語を入れたものです。

赤が「記録的な高温」で、「青になるほど低温」ですが、青の方はほとんどありません。


us-temp-2012-spring-02.jpg


まあ、これはあくまでアメリカの気温の報道であり、世界全体に当てはまるものではありません。しかし、In Deep の記事でもふれましたが、北極でも急速な温暖化による氷解が進んでいて、局所的には気温は確かに上がっているようです。

もちろん、一方で気温が下がっている場所も多くあります。

そのあたりは、日本の気象庁の、

全球異常気象監視速報

というページで確認できます。

erath-2012.jpg

上は5月30日から6月5日までの週のものですが、「赤が平年より高温」、「薄い青が平年より低温」と場所で、全体を見るとどちらかがほぼ存在します。地球は全体が一方的に「温暖化」したり、「寒冷化」するというものではないようです。


そんなわけで、ここから米国の「記録の上で最も気温の高かった春」についての報道記事です。



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2012年05月01日


タイで何が起きているのか: プーケットの地震、陥没する土地、そして、燃え上がる大地



世界的にみれは、数十万分の1程度の地震発生率のプーケットで頻発する地震

4月11日に「タイの首都バンコクで次々と街中の道が陥没していく」という記事を書いたのですが、どうもタイがいろいろとおかしい感じです。

上の「バンコクの陥没」に関しては、最近、バンコク都庁は、あらたに 114カ所の陥没の危険のある場所を発表しています。

バンコクの道路陥没危険地点、プルンジット交差点など114カ所

また、下のようなことも起きています。
昨日4月30日のタイのニュースより。


イヌが焼死 タイ北部に燃える大地
newsclip.be 2012.04.30

Nakornthai-01.jpg

タイ北部ピッサヌローク県ナコンタイ郡の荒地で地表が燃える現象が確認された。現場では毒性の二硫化炭素、二酸化硫黄などが検出され、県当局が立ち入りを禁止し、原因などを調べている。

ナコンタイ郡当局によると、現場は200平方メートルほどで、午後の暑い時間帯に炎が上がる。
2週間ほど前、村人1人が足に火傷を負い、その後、イヌ4頭が焼け死んだ。



そして、それまでほぼ地震など起きたことのないプーケットという島で地震が頻発しています。



プーケットの地震

このプーケットは、スマトラ沖の地震の際に津波被害を受けたりしたこともあり、地震があるようなイメージがあるかもしれないですが、震源となることはほぼなく、それは、かつてこのブログでも紹介した、「358,214回分の震源の分布の記録」を見てもわかります。

その図は過去記事「深度10.0km 地震と36万回分の地震MAP」にあります。

小さくてわかりにくいかもしれないですが、下の黒いドットが 1963年から 1998年までの 35年間に記録された「すべての地震」の 36万回の震源です。



地図のプーケットのところを拡大すると、下のようになります。

phuket36.jpg

黒いドットがありません。

つまり、少なくとも「30万回に1度以下」などの極端に少ない地震の発生しかない場所だということが言えそうな場所なのです。


プーケットの地震について書かれたバンコクポスト英語版の記事を翻訳しておきます。

学者たちは、2004年のスマトラ島沖地震によって、断層が変化したことにより、タイ南部の地震を引き起こしていると考えているようです。



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2012年04月13日


「 4.11 」に集中発生したマグニチュード6以上の地震[メキシコ、米国オレゴン州、スマトラ沖]



4月11日にスマトラで発生した地震は、マグニチュード 8.6 という巨大な地震でしたが、この2012年の「 4.11 」とその翌日は、世界中で他にも集中的に大きな地震が発生していました。

米国の Extinction Protocol というブログにその地図が掲載されていましたので、日本語を添えて掲載します。


411map.jpg


上の地図にあるのは、マグニチュード5以上のものだと思いますが、この2日間は、スマトラの余震などを含めて、48時間の中でマグニチュード 5以上の地震が50回以上発生したという日でした。

その48時間のうちで起きたマグニチュード6以上の地震は、USGS(アメリカ地質調査所) のデータでは以下のようになります。


» マグニチュード 8.6 スマトラ(インドネシア) 震源の深さ22.9キロ

» マグニチュード 8.2 スマトラ 震源の深さ16.4キロ

» マグニチュード 6.9 カリフォルニア湾(米国) 震源の深さ10.3キロ

» マグニチュード 6.5 ミチョアカン(メキシコ) 震源の深さ20キロ

» マグニチュード 6.2 カリフォルニア湾(米国) 震源の深さ10.1キロ

» マグニチュード 6.0 北インド洋 震源の深さ9.8キロ



カリフォルニアの沿岸でわりと大きなのが起きていたりします。

わりと、全世界的に大きめの地震が発生した2日間だったと言えそうです。

スマトラで心臓麻痺などで亡くなった方がいる以外は、目立った被害の報告はないようです。

こういうように、「集中的に起きる」というような日が増えていくのかどうでないのかというのは観察していてもいいのかもしれませんね。地震の予測などはできませんので、もし仮に今後、短い時間の中で世界的に集中して地震が起きる傾向が続くということがあるのなら、どこかで大きな地震が起きた時には、心とか備えの準備をしておくのは悪いことではないと思います。

そういう準備は機械的にやればいいことで、怖がるようなことではないです。

来る時は来るし、来ない時は来ないのですから。

地震で大事なのは、変な予知や予測は気にしないことだと思います。

では、上の地図の掲載されていた記事をご紹介しておきます。



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2011年10月17日


カナリア諸島に「新しい島」が誕生しようとしている?

カナリア諸島というのは、「なんとなく聞いたことがある」ような気はしても、その場所がわりとすぐに出てこない場所ですが、調べると、下の地図の場所にある諸島です。

canary-map.png

Google Map


アフリカ大陸の西側にありますが、ここはスペイン領で、現在では観光地として有名なようです。
カナリア諸島の紹介ページによりますと、

豊かな自然が残り、ハワイとガラパゴス諸島に並ぶ自生種が生息、4つの国立公園があります。 15世紀の旧都ラ・ラグーナとガラホナイ国立公園の2つの世界遺産があります。


とのこと。
そのサイトにある地図(下)で、一番左側に「エル・イエロ」という島があります。

canary-map-02.jpg


このあたりが最近、群発地震が続いており、火山噴火の前兆ではないかと言われてきましたが、ついに先日(10月初旬)、エル・イエロ島の近辺海域の海底から「巨大な泡」が吹き出していることが確認されました。

「これは新しい島の誕生を示唆している」というような意見もあり、実際にどうなっていくのかはわからないですが、確かに巨大な泡が海中から吹き上げており、何らかの地殻の変動のようなものが起きていることは間違いないように思われます。

噴火などの際の影響はよくわからないですが、わりと世界中でこのニュースが取り上げられているので、観光産業だけではない影響のある噴火になる懸念を含んでいるのかもしれません。

海中からの泡の写真を含めて掲載されている記事を短くご紹介します。

詳しくは、英語ですが、「The Earthquake Report(地震報告)」というサイトで随時、動きがアップされています。

ここから翻訳です。



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2010年08月26日


「超」細菌 NDM-1 の登場

翻訳記事です。





Scientists find new superbug spreading from India
ロイター US 2010年08月11日

抗生物質に耐性をもつ新しい「超」細菌がインドから拡大していることを科学者が発見

tp-superbug-ndm1.jpgすべての抗生物質に耐性をもつ「スーパーバクテリア」が最近、新たに発見された。この細菌はメディカルツーリズム(医療と観光旅行を兼ねたパッケージツアー)を介してインドからイギリスに渡り、その後、世界中に拡大する可能性があるという。これらの「超」細菌に対しての治療薬はほとんど存在しないと科学者たちは言う。

ニューデリー・メタロベータラクタマーゼ-1、あるいは NDM-1 と呼ばれる新型の遺伝子を南アジアとイギリスの患者から発見したことを研究者たちが発表した。

NDM-1 は、最強クラスの抗生物質に属するカルバペネムにも高度な耐性を持つ細菌を作り出す遺伝子で、これに効果のある薬は存在せず、今後、効果のある新薬が出てくる可能性も今のところないと専門家たちは言う。

最近、メディカルツーリズムという、整形や美容外科を安く受けられる国を探して世界中を回る旅行をする人たちが多く、この増加によって、スーパーバクテリア NDM-1 が世界中に拡大してしまう懸念があると NDM-1 研究の第一人者、ティモシー・ウォルシュ博士は言う。

「これは世界的なレベルで懸念される事態だ」と、英国カーディフ大学から電話インタビューでウォルシュ博士は語った。

「メディカルツーリズム、そして普通の海外旅行も一般化しており、これらの耐性細菌は恐ろしいほど早いスピードで全世界に拡大する可能性がある。今のところ、これらに対しての薬剤開発のパイプラインは何もできていない」

1940年代に最初の抗生ペニシリンが登場すると、すぐに細菌は薬の効果に対しての耐性を持ち初めた。そのために、研究者たちは次々と新しい世代の抗生物質を開発しなければならなかった。

しかし、現代医療における抗生物質の濫用と誤った使用法は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 ( MRSA ) のような、薬物に耐性のある「超」細菌感染症を増加させることとなった。

8月11日に、医学雑誌ランセット・インフェクション・ジャーナルで発表された研究論文で、 NDM-1 が、バングラデシュ、インド、パキスタンで広まってきており、現地での治療患者が英国に戻ってきた際に英国にも入ってきていることがわかったという。

インドは、アメリカやヨーロッパの人々に美容外科手術を提供している国のひとつだが、これによって世界中に NDM-1 が広まるかもしれないという。


「シンデレラ」ビジネス

治療法の発見の難しさと、抗生物質の売り上げは多くの利益を生み出すという2つのアンバランスな要件を反映して、抗生物質の研究開発は医薬品産業の「シンデレラ」セクターだった。

しかし、スーパーバクテリアの脅威が増加しているという事実は、ファイザー、メルク、アストラゼネカ、グラクソスミスクラインとノバルティスなどの大手製薬会社へ再考を促している。

ウォルシュ博士と彼の国際研究チームは、2007年から2009年に、インドのチェンナイとハリヤナの2つの地点での病院の患者と、イギリスの国立実験研究施設から細菌のサンプルを集めた。

研究チームは、チェンナイで NDM-1 に対して陽性の細菌を持っている患者を 44 人、発見した。ハリヤナでは 26 人、また、英国でも 37 人見つかった。バングラディッシュ、インド、パキスタンの他の地域では 73 人、確認された。英国での NDM-1 の陽性患者は、美容外科手術を含む病院での施術のためにインドとパキスタンに旅行したという。

NDM-1 が作り出す細菌は非常に多くの抗生物質に耐性を示すが、もっとも厄介なことは 、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 ( MRSA ) や、クロストリジウム・ディフィシル ( C-Difficile ) を含む多剤耐性菌による症状への救急治療の現場で「最後の手段」とされているカルバペネム系抗生物質にさえ耐性を示すことにある。

大手製薬会社アストラゼネカの薬剤開発部長のアンダーズ・エクブロム氏は、メレム抗生物質がカルバペネム系抗生物質に取って代わりつつあり、この新しい抗生物質への投資には「大きな価値がある」と語った。

「我々は長年、新しい抗生物質の開発の必要性を認識していた。細菌は、我々の持つ抗生物質に対して絶えず抵抗性を高めている。 NDM-1 はその最新の例だ」

ウォルシュ博士の調査結果にコメント寄せた専門家は、この新しい細菌の警告を発して、なるべく早くこの細菌に対してのスクリーニングを始めることが重要だと述べた。

同じ医学雑誌ランセット誌には、カナダ・カルガリー大学のヨハン・ピッタウト氏も寄稿しており、「もし、この新しく出現した衛生上の脅威を無視したなら、遅かれ早かれ、医学界はカルバペネム系抗生物質に耐性をもつ細菌との対決に晒される。それらは、様々な感染症を引き起こし、結果として、医療コストの膨大な増加によって治療不能の状態に導かれる可能性がある」と書いている。





翻訳はここまでです。

それにしても、世界全体で、すごい天候になってきましたね。
あと、メキシコ湾でも新種の石油を分解する微生物が出現したという報道もあり、何年か単位だとは思いますが、何となくまずい方向に向かっているような気もしないでもないです。報道では「細菌の繁殖によって海中の酸素濃度が低下する心配はない」とのことですが、そんな微生物が果たしているのかどうか・・・。どんな生き物でも多量に繁殖すれば、海中酸素濃度は低下するのが普通に思ったりもします。

確かに、いろいろなことが起きていますが、心配になるようでしたら、あまり気にせずに気楽に生活することも大事なことのようにも思います。

それでは、また何か資料的な記事がありましたら、アップさせていただくこともあろうかと思います。



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2010年06月07日


地球の今後

いろいろと身辺の関係などもあり、あまり記事を更新できないこともあると同時に、何よりコメントへのご返信がなかかなできないことが続いています。今の状態は続くと思われまして、コメントを放置しておくことは私にはあまりできないことで、そういうこともあり、しばらくコメント欄を閉じることにしました。昔からコメントをくださった方々には本当に感謝しています。お陰様でいろいろと知ったり考えることができたと思います。


ブログをやめるわけではないですが、今後、記事の更新自体減るとも思いますので、途中のまとめ的な感じで、この一年ほどで感じた懸念のようなものを書いておきたいと思います。

ちなみに、昔から読んで下さっている方はご存じかとも思いますが、私は環境保護的な観点は特に持っていませんし、「こうしたらいい」という意見も特にはありませんでしたし、今もないです。タイトルの「地球の記録」という通りに、地球の行く末を見てみたいと思っているだけなのかもしれません。

地球自体は今後もしばらく安泰かもしれないですが、地球というより人類の行き先としては、直近としては次のような懸念があると思っています。
大きくわけると、

1. 太陽系の異常が地球へもたらす影響
2. 生態系の崩壊
3. 食糧の枯渇


というような感じです。

最近よく取り上げていた「原油流出」は「2」と「3」の両方に関係すると考えています。そして、「決定打のひとつ」とも考えます。原油流出に関してはいろいろと難しく書いてしまったのですが、以下のような流れが最大の懸念ではないでしょうか。いろいろな国の科学者たちの意見を合わせたものです。

・原油の生物的分解が招く(微生物の増加による)海中の生態系の崩壊

・原油分解剤が気化して大気に乗り、雨と風に乗って地上に降り注ぐ


この2つです。
上はメキシコ湾から大西洋の海の生態系を根本から変えて、下は、特にアメリカの沿岸部と、偏西風でわりと近いヨーロッパの農作と人体そのものに影響するかもしれません。

23792678_240X135.jpg関係はないでしょうが、アメリカのフロリダ州のセント・ジョーンズ川という川で、5月の下旬から魚の大量死が続いていて(ソース)、現在、調査が進められています。川の全域にわたる大量死です。

関連記事の訳です。

米国フロリダの川で魚の大量死が続いている

この大量死は原油分解剤とは関係ないと思いますが、「このようなこと」がアメリカと欧州の各地で今後起きるのではないかというような懸念はあります。

これは、アメリカのハリケーンシーズンの頃から顕著になりそうな感じがあります。気化した分解剤が、ハリケーンによってアメリカの沿岸部に大規模に分散され、また、海でも海水と原油と分解剤が波により大規模にミックスされるので、近辺のカオスはさらに進むというような感じでしょうか。

なお、アメリカの研究チームは、夏には原油はアメリカの東海岸の全域に到達し、一部は欧州にまで進むと見ています。下のは Environment News にあった記事の抄訳です。

メキシコ湾の原油流出はこの夏にも米国の大西洋側を襲う

mapatlanticoil-200.jpg

なお、今、私の友人がアメリカへ仕事で行っているのですが、アメリカの現地の人たちの間では「原油流出に核爆弾を使用するのか」といった話題が多いと、昨日言っていました。6月3日のニューヨークタイムスの記事に、核使用のことが書かれたせいもあるようですが、かなり話の本気度は強まっているようです。この場合、核使用が問題というより、「本当にそれで止められるのか」ということかもしれません。

そんなこともあり、原油流出は今後の地球にそこそこの影響を与えると考えます。
何か手立てはあるのかというと、「時間」以外にはあまり思いつかないです。「生物ポンプ」という海洋の生物循環のことについて書きたいと思っていて、書かずにきてしまいましたが、放っておいても、いつかはバクテリアの原油分解能力が海を浄化します。

その「いつか」という時間の問題ですが、1989年のエクソン・バルディーズ号の原油流出事故での原油は今年2010年の調査では、まだ海底に大量に残っていることがわかったそうで、エクソン・バルディーズ号での流出量(24万バレル)で20年で消えないのでしたら、今回の流出では、数百年から数千年単位ということになりそうですが、それでも、いつかは分解されるはずです。

原油流出で長くなってしまいましたが、

1. 太陽系の異常が地球へもたらす影響
2. 生態系の崩壊
3. 食糧の枯渇

のポイントをリンクなどご紹介して、それぞれ簡単に書いておきます。

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2010年06月04日


小麦のサビ病菌 Ug99 に突然変異種が出現

以前、「世界の小麦を全滅させるのではないか」と騒がれたこともある Ug99 という、感染した小麦畑を全滅に近い形で破壊していく病原菌(真菌)のことが報道されていたことがあったのですが、先日、「その突然変異種がアフリカで発見された」という、なかなか衝撃的なニュースがありましたので、ご紹介させていだたきます。

知ったのは、農業情報研究所の記事で、このページに各種報道記事のリンクもされていますが、これに関して日本語の報道はないようですので、この中のひとつを訳しました。海では原油と分解剤で海の生態系と海産物の問題、欧州では火山噴火での農作低下の懸念、・・・というような状況下で、アジアとアフリカで小麦サビ病の新たな懸念が発生したということになるようです。

「病原菌の突然変異」というのは、個人的にとても気になります。他の植物、動物、人間の病原菌でも「突然変異」というのは多々あり得るような気がしないでもありません。
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タグ:Ug99

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2010年05月29日


科学者たちが原油流出事故を「人類史での最大の破局」と呼ぶ理由

Update - 分解剤の成分について、安全シートにあるのは Corexit EC9527 という、9500と同時に使われているほうの分解剤の成分のようですので、追記で訂正しておきます。





BP 社が使用している化学分解剤 Corexit 9500

原油流出に関して、私個人としてはバクテリアの異常繁殖などによるデッドゾーン=死の海域が広がることを最大の懸念と思っていたのですが、ロシアの科学者たちの懸念はその程度のものではないようです。

そのポイントは、現在、PB社が原油流出現場で大量に使用している「 Corexit 9500 」という化学分散薬品に関してのことで、この特性が「異常にまずい」らしいのです。毒性自体もですが、この薬剤の分子レベルでの「相転移」という現象により、海だけではなく、アメリカを初めとする地上の多くに影響するということのようです。

Corexit 9500 に関しては日本語での読み方がネット上にはなく、わからなかったのですが、YouTube で Corexit 9500 の毒性について話している人がいて、その発音をきくと「コレキシト」のように聞こえますので、読みにくい単語を原語で書くのもアレですので、正確ではないにしても、訳文では、コレキシト 9500 (Corexit 9500) と表記することにします。ちなみに、上の YouTube の人は何度も「 fuck 」を連発して「この薬剤のヤバさ」を語っていて、知っている人にはかなりのもののようです。

中東のPress TV でこの Corexit 9500 に関するロシア天然資源省の発表の内容を短くまとめていましたので、ご紹介しておきます、

(ここから)


Oil spill threatens 'total destruction'
Press TV 2010.05.28

原油流出は「完全な破壊」をもたらす

ロシア天然資源環境省が「BP社の原油流出は、北米大陸の東半分のすべてを "完全な破壊" に導くだろう」と発表した不吉なこのレポートは、メキシコ湾で起きているBPの原油流出とガス漏れから生じる差し迫った災害を警告している。欧州の連合タイムズは、「これは人類の歴史の中で、最悪の環境の大災害と呼べる」と報じた。

ロシアの科学者たちは、BP社がメキシコ湾での原油の流出の程度を隠すために、何百万ガロンもの化学分散薬品の「 コレキシト9500 (Corexit 9500) 」を注入していると確信している。

専門家によると、 コレキシト9500は、石油より4倍有毒な溶剤だという。

この 2.61ppm のレベルの毒性を持つ溶剤が、メキシコ湾の暖水と混ざることによって、その分子が「相転移」すると科学者たちは考えている。

この転移は、液体をガス状に変える作用があり、ガス化した後には雲に吸収される場合がある。そこから、地上に「毒性を持つ雨」が放たれ、あらゆる生き物たちの生態系を滅ぼす「想像もつかないような環境の破滅的災害」を引き起こすかもしれない、とレポートにはある。




(ここまで)


要するに、この Corexit 9500 という原油の分解のための化学薬品の持つ特性が「ガス化しやすい」ということで、そのガスは雲となり、最終的に「毒の雨」を降らせて、それが地上の広範囲の生態系に影響を及ぼす可能性、だと思います。

正直、訳していて少し恐怖を感じてしまいました。
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2010年05月27日


死の海域:バクテリアに海が支配される時

YouTube で、石油流出を起こしているPB社の石油プラットフォームのあるメキシコ湾で、「現場から32キロ離れた地点の水中を撮影した」という映像がありました。

このあたりの海の中の様子を知っているわけではないので、これを見てどうだこうだとは言えないのですが、生き物が消えた海中の様子はなんとなく胸につまるものがあります。動画自体は埋め込み無効ですので、リンクを貼っておきますが、海中ほとんどが茶けて、たくさんの小さな流氷物が漂っていて生き物の姿が見えないというような感じです。

gulf-1.jpg

http://www.youtube.com/watch?v=uh8H-7AnTT8


このあたりの元の様子に関して、ほんの少し参考になるかもしれないものとして、昨年2009年の8月に、「メキシコ湾にある天然ガスのプラットフォームの下の海域」を撮影した映像がありました。今回流出を起こしたPB社のものではないでしょうが、リグという意味では同じ人工物です。昨年のこの映像では海面下でこれらの施設が人工の岩礁となって、そこでたくさんの生き物たちが生きている風景が撮影されています。

これはウミガメが石油パイプで休んでいる光景だと思います。
魚もたくさん泳いでいます。

gulf-2.jpg

http://www.youtube.com/watch?v=HHk1cgORSAI

このように何とかリグと共存していたウミガメたちも、今回ばかりはダメだったようで、ロイターによると、一昨日5月24日の時点で、150匹以上のウミガメが死んで打ち上げられているようです。また、300羽以上の海鳥やイルカなども日々死んで漂着しているようです。これらを含めたいくつかの大型生物は今回のことで絶滅することが避けられないというようなことも書かれてあります。

それ以下のサイズの小動物たちはカウントされていないので不明ですが、「食物連鎖の上位グループ」は軒並みやられているようです。

2010-05-13t222505z_01_btre64c1i8e00_rtroptp_3_environment-oil.hlarge.jpg

msbcの記事より。死んだウミガメ。まだ小さいです。
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タグ:原油流出

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