2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2010年05月23日


東アジア最大級の火山である白頭山に不穏な兆候

Update! - 追記いたしました。 05.24


最近は朝目覚めた時に少しネットでのニュースを眺める程度で、他はプライベートでのいろいろや、子どもと遊んだりといったような関係での「しておくべきこと」が多くて、何だかあっという間に毎日が終わります。

まあ、これも最近漂う「終末感」との関連かもしれないです。くつろげて楽しめるうちにたくさん楽しんでおきたいというような本能的な問題かもしれません。最近思うんですが、明日や未来の準備よりも、「今が楽しい」ということのほうがいろいろな意味で大事かと思います。

さて、プライベートなことを書いてしまいましたが、早朝に眺める主に海外のニュースで、気になったものは訳して(どれもいい加減な訳です)、こちらのブログに自分のメモも兼ねてアップしています。今回の韓国での「白頭山で噴火の兆し」というニュースもその中のひとつだったのですが、「ああ、それもあったか」という意外感というか、知らなかった懸念というものが台頭してきましたので、こちらに記載しておきます。


朝鮮半島が持つ真の懸念

朝鮮半島では、今、戦争の懸念が出ていますが、この白頭山がもし噴火したら、朝鮮戦争というものが小さなイベントに見えるかもしれません。白頭山の過去の噴火に関しては、Wikipedia の白頭山の歴史・信仰に少し記述があります。

そこには、

白頭山は10世紀に過去2000年間で世界最大級とも言われる巨大噴火を起こし、その火山灰は偏西風に乗って日本の東北地方にも降り注いだ。また最近9世紀にもかなりの規模の噴火があったことが明らかになりつつあり、この噴火と渤海滅亡との因果関係が指摘されている。



とあります。
18世紀のアイスランドのカトラ火山の噴火の時にヨーロッパに起きたこと(こちらに翻訳)。そして、以前、アイスランドの火山噴火が導くかもしれない未来にある「偏西風による気候への影響」は、共に、日本のすぐ隣にある超巨大火山の噴火から想像できる脅威に比べると小さいような気はします。

白頭山の位置はこの「1」のあたりです。

mt-pek.gif

これを見る限りは、白頭山が噴火した場合、北朝鮮や韓国そのものへの影響より、偏西風の影響などでむしろ日本への影響が大きいように感じます。東北はもちろんですが、北海道なども厳しそうです。
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2010年05月22日


ノルウェーの国営石油会社の石油採掘所で事故が発生し、作業員たちが避難している

さきほど悪夢を思わせるニュースをロイターで見かけました。
PB社とは別の、石油リグの事故に関するものです。

今度はノルウェーの海域の北海で、 Stat オイル社というノルウェーの国営石油会社の石油プラットフォーム(石油採掘施設)に異常が起きて、現在、作業員約90名が施設から避難しているというものです。今のところ重大な事故や流出は起きていないようですが、どうも読むと、今回もメキシコ湾での PB 社の時と似たような原因、すなわち、「油田からの原油の制御できない圧力の変化」などにより機材などが壊れてしまったようです。実際はどうかわからないですすが、2つあるバブルのうち、1つが破損してなくなっているということも記事には載っています。

このガルファクスCという石油プラットフォームがある場所は、こちらのサイトの地図ではこうなります。「Gullfaks」と書かれている海域です。

gullfaks_e.gif


今回はとりあえず翻訳だけをアップします。
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2010年05月18日


米国とメキシコの海岸に漂着し始めた大量のイルカとウミガメの亡骸

Update - コメントで、「メキシコ湾の原油流出を核爆弾で止める」というような記事があると教えていただきました。最初はロシアのタブロイド紙から出た話でしたが、オバマ大統領も核使用の検討を始めているようです。いろいろな意味で困ったことになってきましたね。 下にリンク等を追記しておきます。




今日は、さきほど、1997年の台湾の口蹄疫という記事をアップしたばかりなので、ちょっと慌ただしいペースなのですが、ロシアの通信社プラウダで興味深い記事を見つけましたので、翻訳してアップすることにしました。

dolphin1.jpg

原油流出が続くメキシコ湾の周辺の海岸に100匹以上のイルカとウミガメが死んで打ち上げられているというものです。実は、昨日、中国の新華社のニュースでも「メキシコのアカプルコに50匹以上のウミガメが死亡して打ち上げられている」という写真報道がありました。下のは翻訳されたものです。

アカプルコの海岸に50匹以上のウミガメの亡骸が打ち上げられる


下のプラウダの記事の書き方では原油流出と関係があるというような感じですが、ただ、昨日のアカプルコの打ち上げられたウミガメたちの死体の写真を見ると、非常に傷ついていて、中には体が千切れた状態で打ち上げられたものもあり、単純に「原油が原因」というようなことではない可能性もあるかもしれません。

ttl-0517.jpg

・5月17日にメキシコ・アカプルコに打ち上げられたウミガメ。すべて死んでいて、体の破損が激しい。


あるいは死んだ後、長いこと海を漂っているうちに波などで体がズタズタになってしまったというようなこともあるかもしれません。

そんなわけで、原因は不明ながらも、いずれにしても、「海で何か起きている」ということは間違いないことだと思います。
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タグ:メキシコ湾

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1997年の台湾の口蹄疫

台湾で1997年に発生し、380万頭の豚を含む総数で500万頭の家畜が処分され、事実上、台湾の養豚業が崩壊した際の口蹄疫に関しての論文がありましたので翻訳しました。

宮崎での口蹄疫に関して、報道を見ていると、初動がどうしたとか「誰々の責任」とか、そういう問題になっているようですが、メキシコ湾の原油流出もそうですが、そういう問題ではないように思います。なぜなら「今まで家畜の口蹄疫の封じ込めに殺処分対応でまともに成功した国などない」からです。つまり、責任も何もまだ終わりは見えていないと思われます。

やることは責任の問題よりも「もう一度、この病気のことと妥当な対策を考え直してみる」ということではないかと思います。

そもそも「口蹄疫」という伝染病への対策の本筋は昭和26年に制定された家畜伝染病予防法という、60年前にできた制度(家畜伝染病予防法第3条の2第1項)を少し手直ししながらそのままで来ているようです。私個人としては、「口蹄疫に対しての殺処分」という対処法は果たして妥当な対策なのだろうか? (本当は無意味ではないのか)とは思ってはいます。しかし、現実にはこれからも殺処分は進んでしまうのでしょう。


過去に口蹄疫対策として同じ家畜の殺処分政策を行った歴史の結果として以下のようなものがあります。果たしてこの殺処分という方法が「唯一の」効果のある対策と言えるのかどうか。

まず、「政府の初動対策が遅れた」として非難された、台湾の例です。

・1997年、台湾で口蹄疫発生。380万頭 (3,800,000頭)以上の豚が殺処分

という事例があります。
台湾はそれまで豚肉の輸出国でしたが、この件で台湾の養豚産業は消滅しました。

では、政府が素早く「殺処分」対策に動いた場合はどうだったでしょう。2001年のイギリスでの発生では政府素早く対策に乗り出しました。その結果。

・2001年、イギリスで口蹄疫発生。1000万頭 (10,000,000頭)の牛と羊が殺処分

というように、対策の早かったイギリスでは、もっとひどい惨事となってしまいました。

殺処分の行方はこんな感じです。

同じ方法(殺処分)を続ける限りは、多分、どの国も(日本でも)同じような経緯を辿ると思います。基本的には誰も本当の口蹄疫対策を考えないまま、たとえば、日本では、 60年前の制度にたまに改変を加えて今でも適用としているというのが現実のようです。

ちなみに、2001年のイギリスでの口蹄疫の説明にこういう部分があります。

同時期にはオランダでも小規模の口蹄疫が発生したが、予防接種によって拡大を食い止めることができた。



とあります。
このワクチン接種が一番適切な方法なのはあきらかなのに「しない」のに理由があるようですが、それは微妙な問題ですのでここではふれません。


前振りが長くなりましたが、1997年に台湾の養豚産業を壊滅させた時の台湾の口蹄疫に関しての興味深い論文がありましたので、部分的に翻訳して載せておきます。1997年の3月17日に発生して、4日目で「台湾西部全域に感染宣言」がなされ、2週間後に台湾の養豚業を壊滅させた伝播の威力がわかります。

ウイルスやワクチンの種類などの専門用語はわからないので除外しています。
下の原文にすべて書かれてあります。

UPDATE ON FOOT-AND-MOUTH DISEASE OUTBREAKS IN TAIPEI CHINA (MAY 22, 1997)

(ここから)



台湾の口蹄疫発生の最新情報 (1997年5月22日)

1997年3月、台湾で口蹄疫が発生した。1997年3月14日新竹県の養豚場での疑わしい症例を最初として、3月17日に同県で二例目、3月18日に桃園県で三例目が報告された。

二例目、三例目も養豚場で発生したものであった。すべての発症豚の蹄冠部と鼻鏡に水疱が見られた。蹄の多くは脱落した。発症した母豚から生まれたすべての新生仔豚は授乳後すぐに死亡した。これらの症例は3月19日に台湾家畜衛生研究所で口蹄疫と確認された。

3月末までには、台湾西部の15の県と市の1,300の養豚場に伝播した。台湾家畜衛生研究所は診断作業でパニック状態になった。

台湾を南北に走る中央山脈に妨げられて、台湾の東部には口蹄疫は広がらなかった。また、離島でも発生しなかった。3月21日には、台湾西部のすべての県と市が感染地域であると宣言された。

牛、豚等の偶蹄類とその生産物の輸送は禁止された。

汚染農場のすべての感染する可能性のある動物は殺処分され、農場は消毒された。口蹄疫の広がった範囲があまりに広かったので、感染群の殺処分に加え、すべての牛、豚等の偶蹄類家畜に全国的に予防接種がされることが決定された。

軍隊が豚の死体の廃棄に派遣された。

豚の死体の廃棄の方法としては埋め立てと焼却などが採用された。埋め立てが一番有効な方法だった。死体は農場、ごみ処理場、または、感染農場に近接する公有地等に埋却された。死体の処理は一日20万頭に達した。

3月中旬に政府はワクチンを300万ダース確保した。このワクチンは、台湾東部の口蹄疫に感染する動物のすべての種、他の地域の乳牛や価値の高い種豚で使用された。残りのワクチンは農家に配布された。

これが緊急事態であることと、病気を伝染させる危険性から、政府は獣医の監督の下で、畜主が自分の家畜に予防接種をすることを許可した。合計1,300万ダースのワクチンが政府から無償で生産者に提供された。

台湾東部では、ワクチンの供給が遅れたために豚を口蹄疫から守れなかった。4月21日に宣蘭県、24日に台東県、5月3日に花蓮県でそれぞれ口蹄疫の報告があった。この東部3県では病気の伝播を制御するための手段として感染農場の全ての豚を殺処分して廃棄した。

また、感染農場から周囲半径3kmを防御帯に定め、感染農場から周囲半径6kmの監視帯を設定し、全ての動物の移動制限を行った。5月22日まで、この3県では新たな発生はなかった。
今回の流行では豚だけが感染した。WRL(材料標準試験室)で行われた伝達試験の予備的な結果では、台湾の流行株を人工的に感染させた発症豚と同居した牛は発症しなかった。



(ここまで)


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2010年05月15日


公開された石油流出現場の映像から推定する原油流出量

石油流出事故を起こした石油メジャーのBP社から、石油流出現場のビデオが5月14日に公開されました。現在、少なくとも2箇所が破損していて、そのうちの1箇所のものです。




そして、 今朝、Fire Earth に Gulf of Mexico Oil Disaster – Oil Leak Estimate という記事、すなわち、「メキシコ湾の原油流出の推定量」というタイトルの記事がアップされていました。

そこにこのビデオの噴出具合から推定できる「パイプの破損面積」や「破損箇所にかかる圧力」などから、原油の流出量を試算するというようなことが書かれてあります。

この記事での計算が正しいのかどうか私にはわからないですが、目安としては面白い分析ですので、書いておきます。ちなみに、以前の石油流出が引き起こす最悪のシナリオという記事で書いたものとして、現在は流出量についてはこういう意見が出ています(1バレルは酒の樽と同じで、約160リットル)。

・米国政府やBP社など公式の見解・・・1日 5,000 バレル

・米国立大気局(NOAA)の試算・・・1日 25,000 バレル

・BP社から政府に提出された書類・・・最悪で1日 162,000 バレル


となっています。

どの試算でも、事故からすでに25日が経過していますので、「史上最悪」の原油流出量の更新は避けられないと思われますが、公式見解とその他では相当の開きがありますので、ある程度事実に近いところを知りたいという気持ちはあります。
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2010年05月10日


海洋の生態系の将来

Update! - アイスランドで群発地震の数が急増しています。追記しました。 2010.05.11




メキシコ湾で起きている原油流出に関して言えることのひとつとして、「原油の流出はこれまでにも起きていた」ということと、そして、「それはある程度は回復してきた」ということで、その回復の部分は多くが海の微生物による分解によるもののようです。

そもそも「原油」というものは、こちらのサイトを見ますと、次の4つの成分からなる物質のようです。

・飽和分
・芳香族分
・レジン分
・アスファルテン分


私にはそれぞれ何のことだかわからないですが、これらのそれぞれの成分に対して、それぞれの分解や、分解に類する能力を持った微生物が海には存在していて、そのことによって海は自浄能力でまた元に戻っていく、ということになるようです。

様々な物質を「個別に」分解できるおびただしい種類の微生物の個々の活躍により、結果的には「いつかは」海は綺麗になっていく。

「いつかは」と書きましたが、ここが問題なのだと思います。

今回のような人類の近代文明史の中で経験したことのないような大量な原油の流出の場合、確かに海の微生物たちはいつかは海の状態を回復させてくれるのでしょうが、上のサイトの石油分解の専門家らしい方も「私たちが生きている間かもしれませんし、孫の時代かもしれませんが、こういう作用によってきれいになっていく」と書かれているよう、「いつか」というのはわからないわけです。

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2010年05月06日


石油流出が引き起こす最悪のシナリオ

Prison Planet というサイトに、今回の石油流出事故について、いくつかの報道をまとめた上での「最悪のシナリオ」が書かれています、先日の記事の追記でも書きましたが、こちらも流出した石油が世界的な海流に乗ってしまう懸念の話で、最悪、それは海流の循環の停止と、天候の大きな変動を引き起こすというようなことを、「それは起こらない」と否定しつつ書いています。

今回、この文章を全文翻訳しました。

石油の掘削に関しての専門用語が多く、今回、私もずいぶんと勉強させていただきました。特に、わかりにくいと思われる、ライザーパイプ、ディープウオーター・ホライズン、石油リグ、ブローアウトプリベンター、エクソン・バルディーズなどは、翻訳の後に参考リンクを載せました。

ここからです。


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2010年05月03日


アメリカの史上最悪の石油流出と報道のバイアス

Update ! - Earthfilesの5月3日付けの記事に、流出した原油がメキシコ湾を流れる暖流から大西洋に抜けていく予想と、その図が掲載されていました。短い記事ですので、全文訳して掲載します。 2010.05.05




アメリカのメキシコ湾で起きた石油採掘所の爆発水没から始まった原油の流出事故は、結局、「史上最悪の石油流出事故へ」となってきているようで、海外のサイトでは非常に多くの報道がなされています。

私自身、石油流出が自然環境や人間生活に具体的にどう影響がかかってくるのかがよくわからないですので、当初はこのことは記事にするつもりではなかったのですが、どうして記事にしたかというと、「日本語での報道と他の言語(特に英語)での報道量に開きがありすぎる」ことが気になったからです。今に始まったことではないのですが、最近は、日本語の報道に強いバイアスがかかることが多く、「海外報道とは扱いが違う」という報道が散見されます。経済、政治、環境と多岐に渡りますが、いくらなんでも、「誰それが離婚してワイワイ」というニュースよりは報道する意味がありそうなものも多いようには思います。

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2010年04月27日


文明と自然環境の共存の限界

Fire Earth にエイヤフィヤトラヨークトルの爆発は壊滅的なイベントの連続の前兆というような記事があり、そこにはその理由として、

・最近の世界的な昔の火山の活動開始の復活と時期が一致している。

・これまでエイヤフィヤトラヨークトルの噴火はカトラ火山などの噴火と連動している。


などが書かれていて、さらに、

・ 火山噴火は、自然の防衛機能だ。

というような部分がありました。

この自然の防衛機能 ( Nature’s Defense Mechanisms ) というのは、Fire Earth の過去の記事によると、難解に書かれていてよくわからないですが、彼らが言いたいこととしては、多分、「繰り返し起きる環境変化や自然災害などにより、それらの一連の大きな出来事が終わった後には、それまでとはまったく違う自然環境が地球に生まれている。」というようなことのようです。

しかし、自然の防衛機能という言い方は曖昧な感じで、一体、自然は「何から自分たちを守ろうとしているのか」ということに関しては、どうやら、 Fire Earth では、それが「人間の文明」と言いたいようです。つまり、「自然は今後、人間の文明を破壊することによって、自分たちの自然環境を守ろうとしている」ということらしいです。

なるほどねえ、と、何となく納得しつつも、まあ、納得している場合でもないのかなと思ったりと、気持ちは様々ですが、でも、このブログにもたまにふれるようなこともありましたが、いろいろな意味で私もこうは思っています。

「人間の文明と自然の協調はそろそろ限界にきている」と。


これは今の人間の行いが悪いとか、そういう単純で情緒的な問題ではなく(「だから、環境を守りましょうね」というような単純な話ではないということです)、これは、産業革命から発展していく中で、その方向性を一度も変えなかった現在の「搾取型の文明」の宿命だと思います。

ejafjalla16apr2010-mfulle4142j.jpg

エイヤフィヤトラヨークトルの噴火の写真サイトより。


生活は快適なほうが確かに誰でも嬉しいと思います。

なので、快適を求めて、人類は一生懸命いろいろと発展させてきたわけですが、しかし、その方向は産業革命以降、一貫して、「自然からの搾取」という一点に凝縮していて、石油にしろ水にしろ、農地にしろ肥料にしろ、肉や魚にしろ、還元はほとんどなく、ひたすら搾取するだけだったことに気づきます。このタイプの文明が今後も続いていくとするなら、それでも地球は未来永劫大丈夫、と考えるのは少し無理な考え方で、やはり、必然的に、資源も食べ物もいつかはなくなります。

確かにそうなってくると、「地球も自分を守りたくなるかもなあ」と。
単にその時期が来たのかなという気はします。

自分の周囲、つまり、私は日本に住んでいますので、日本の様々な場所での生活や文明を見てみても、今の生活基盤の方向を少し変えた程度では、現在の「搾取型」の環境の問題を軌道修正できるとは思えないです。

実際、たとえば、今の私が、電気も下水道もティッシュも石けんもガス台も小麦粉もない生活ができるかというと、多分できないと思います。でも、そういう時は、今後いつかは来るわけで、それは世界の多くの人が次第に考えていかないといけないことなのかもしれません。

とはいえ、生活インフラの軌道修正(エネルギーの獲得方法を今と違う方法にする)なんてことがすぐできるわけもなく、小手先の対処では、もうどうにもならないかもしれないですね。

なので、 Fire Earth の言うように、本当に自然が防御システムとして(人類の文明を停止させるために)噴火や災害を繰り返しているかどうかはわかりませんが、自然がやらなくても人間は自滅するのかもしれないという気はします。人間自身も地球のリソース(資源)のひとつですから、地球の資源として、地球を守るために自発的に消えていくことはあり得るかなと。

暗い話でしたが、わりと最近思っていることです。


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2010年04月22日


バックミンスター・フラーの忠告

ヘリウム (Helium) という海外の参加型ニュースサイトに、今起きているアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトルとカトラ火山の噴火の連動に関して、わかりやすく書かれているものがあったので、訳してみました。

その前に、それらとは関係ないですが、太陽が変ですね。

黒点は最近急速に減っているのに、プロミネンスなどが誘発する CME 活動はむしろどんどん大きくなっている。4月19日と4月20日の両日に見られた太陽のプロミネンスは NASA によると、「太陽直径の4分の1程度もある、かつてない巨大なものだった」とあります。

参考記事
太陽に何が起きているのか? (2010.04.19)
太陽で超巨大プロミネンスが連日で発生(2010.04.20)

sun-0421.gif

▲ 黒点の数自体はここに来て急速に減っていて、現在は無黒点状態。


普通に考えると、太陽活動は活発になる時には全体的に活発になると思われるので、黒点がどんどん減っていっているのに、爆発活動はどんどん増えているって変では? という気はします。とはいえ、これが今の現実。どんな変なことでも受け入れないといけないようです。

ところで、NASA は3月30日のプロミネンスの動画をNASA サイエンスニュースというサイトで公開しています。

YouTube にアップしたので、ここに貼っておきます。
4月19日と4月20日のはこれよりさらに大きいプロミネンスでした。





エイヤフィヤトラヨークトルとカトラ火山の連動の歴史

ここからが本文です。
エイヤフィヤトラヨークトルとカトラ火山の過去の連動の歴史や、メカニズムについて書かれています。訳はわりと適当ですので、大意程度にご解釈下さい。

Scientists warn Eyjafjallajokull could trigger the Katla volcano to erupt
Helium 2010.04.22

エイヤフィヤトラヨークトルはカトラ火山の噴火の引き金となるかもしれないと科学者は警告している

エイヤフィヤトラヨークトルは、3月前半の最初の爆発以来、アイスランドの住民たちを避難させ、その火山灰によりヨーロッパの各地の空港を閉鎖させるような打撃を与えているが、しかし、アイスランドは、現在もっと大きな爆発の危機に直面しているかもしれない。それは、より強力で恐ろしい火山であるカトラ火山の噴火だ。

アイスランドは火山によって形成された火山島で、頻繁に噴火が起きる。1783年のラキ火山の噴火の際には、1億2000万トンの亜硫酸ガスが放出され、アイスランドの人口の4分の1を死亡させ、また、飢饉と干ばつを引き起こした。そして、毒性の雲をヨーロッパの各地に拡大させて、なんと、エジプトとアメリカ合衆国の気候までも変えてしまったのだ。

しかも、記録の上では、これがもっとも主要な火山の1つであると考えられているわけでもないのだ。 ヨーロッパ泥炭湿原では、1755年のカトラ火山の噴火の残りがいまだに見つけられているという。 これらと比べると、エイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山は比較的小さなものだが、問題は、エイヤフィヤトラヨークトルの過去1000年間での3回の噴火は、すべて、強力な火山であるカトラ火山の噴火の引き金となっているという点だ。

火山の噴火が他の火山噴火のトリガーになるメカニズムはどういうものなのか。
エイヤフィヤトラヨークトルとカトラ火山は12マイル(約20キロメートル)しか離れていない。そして、岩盤の下では、エイヤフィヤトラヨークトルからカトラ火山にマグマが流れていて、爆発のシステムを共有していると思われる。

エイヤフィヤトラヨークトルは、今年すでに2度噴火していて、3月20日が最初の噴火で、4月14日には2度目の噴火が起きている。以前の 1821年12月の噴火では、噴火は約1年間続いた。現在、溶岩の流れは、3月20日の最初の爆発の後から比べると、約10倍速くなっているので、より多くの圧力を形成しているかもしれない。

報道によると、ビーク村の近隣の住民たちは、カトラ火山の噴火によるミルダルス氷河氷冠への影響による荒廃と洪水を警戒して、現在、それぞれの避難プランを描いているという。

カトラ火山は、アイスランドの中で最も活発である火山の1つであり、氷河の融解による洪水を定期的に発生させている。噴火の際に現れるカルデラの縁の氷の厚さは数百メートルもある。最近では、1999年にも洪水を引き起こしている。

洪水、そして、失われる農地、何カ月もの間、変動し続ける気候 --- それらの問題の多くはアイスランドだけの問題ではないかもしれない。有毒な火山ガスが、ヨーロッパや北部アフリカ、および、アメリカにまで影響することが知られているからだ。



バックミンスター・フラーの忠告

最近の自然の異変を見て、以前、WebBot で、クリフ・ハイがエッセイに書いていた、バックミンスター・フラーという、1963年に「宇宙船地球号操縦マニュアル」という著作を書いて、地球を包括的・総合的な視点から考え理解することが重要であることを解いた人がいたんですが、彼は「自然の力とは戦ってはならない。使うのだ」と言っていたそうです。

WebBot からその部分を抜粋してみます。




2009年3月配信の ALTA レポート 1309
クリフ・ハイ巻末エッセイより

ところで、太陽系全体で大きな変化が起こっている。ここで思い出して欲しいのは、「自然の力とは戦ってはならない。使うのだ」というバッキー・フラーの忠告だ。

2009 年は変容が始まる年である。太陽系のこの変化によって人間性の変容のプロセスは加速されるのである。その意味では、まさにいまわれわれは巨大な転換点に立っていることになるのだ。

春から 2009 年いっぱいは様々な意味で混乱するだろう。その中でわれわれは変容することを積極的に選択しなければならないのだ。いずれにせよわれわれは変容せざるを得ないのだから。先ほどのバッキー・フラーの言葉を言い換えるなら「自然の力をこちらから捕まえてそれを使うべきだ」ということになろう。

今年は選択と意思決定、そしてリスクを伴う行動のときだ。変容の過程が進行中であることをあなたは感じるだろうか?  もしまだなら、感じるまでの時間はわずかである。待っていないで変容の過程に飛び込んでゆくべきなのだ。





ここでは、「2009年」となっていますが、これを「2010年」と置きかえると、とても納得できるような気がします。


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