- 青ではなく真っ赤だった2015年の「プルームーン」
- 寒暖が極端な5月の世界:グリーンランドでは記録的な「雪解けの遅さ」が進行中
- アメリカの春の大雪:コロラド州で5月に観測史上の降雪記録が更新される
- 米国オレゴン州沿岸で海底火山が噴火。地震の回数も 8,000回を超える
- 世界中で地震と火山噴火が一貫して増え続けている
- オーストラリアで「広島型原爆の58億倍」の衝突のエネルギーがあった直径400kmの世界最大の小惑星クレーターが発見される
- ハワイ島に「暴風雪警報」発令中
- 急増する米国オクラホマの地震:M2.5以上の地震の数は5年前の20倍に
- トンガの海底火山「フンガ・ハーパイ」の噴火によって「新しい島」が形成されていることが判明
- バルダルブンガの溶岩流の量がアイスランドの過去200年間の火山噴火で最大に
【これからの地球の変貌】 の記事一覧
2015年08月03日
青ではなく真っ赤だった2015年の「プルームーン」
ギリシャで撮影されたブルームーン
・Spaceweather Realtime Image Gallery
2015年7月31日は、いわゆる「ブルームーン」が見られた日でした。
ブルームーンとは、THP の説明をお借りすれば、
7月31日は、数年に一度の「ブルームーン」だ。国立天文台によると、午後7時43分頃に、最も丸い満月が見られるという。
ブルームーンとは、ひと月に2度現れる満月のこと。実際に青い月が見られるわけではないが、「Once in a blue moon」という英語の慣用句が「非常にまれな」という意味を表すように、次にブルームーンを見るには、3年後の2018年1月まで待たなければならない。
というわけで、「青」を意味するわけではないですが、それにしても、今年のブルームーンは、世界のどこでも「赤い月」ばかりだったようです。
ブラジルで撮影されたブルームーン
・Blue Moon Rising Over The Southern Atlantic
ハンガリーで撮影されたブルームーン
・Spaceweather Realtime Image Gallery
米国ワイオミング州で撮影されたブルームーン
・Blue Moon
ギリシャのアテネ国際空港で撮影されたブルームーン
・Full Moon And The Air Traffic Control Tower
米国ニュージャージー州で撮影されたブルームーン
・AFP
ふむふむ、と何となく納得して赤い月の数々を眺めたのでした。
2015年05月28日
寒暖が極端な5月の世界:グリーンランドでは記録的な「雪解けの遅さ」が進行中
2015年05月28日のグリーンランドのタシーラクの様子
・webcam
ここのところは「暑い」話題が多いです。
日本では、東京の5月の夏日が過去最高を記録しています。
5月の東京「夏日」19回目 過去最多
朝日新聞 2015.05.27
東京都心では午前8時前に最高気温が25度を超え、5月に入って19回目の夏日となった。
気象庁が1876年に観測を始めてから5月としては過去最多。
正午前には30度を超え、「真夏日」となった。
あるいは、インドでは、先日の記事、
・インドで過去数十年で最高の「 50 度」の熱波の進行
2015年05月26日
のように、記録的な猛暑が続いています。
暑さでアスファルトが溶けたニューデリーの道路
・Daily Mail
こういうのを見ますと、世界全体として「暑い」というイメージがありますけれど、実際には、世界は相変わらず両極端です。
カナダ、そして、アメリカの一部では、季節外れの寒波で農作物などが被害を受けています。
▲ 2015年05月26日のカナダ am980 より。
イタリアでは、5月20日に、アルトアディジェという場所で大雪が降るという、これもこの季節としてはちょっと考えにくい天候となったりしています。
▲ 2015年05月20日の expert.ru より。
そして、グリーンランドでは、観測史上で最も「遅い」雪解けとなっています。
冒頭の写真は、グリーンランドのタシーラクという町のウェブカムの中継画像ですが、6月も近いというのに、いまだに雪景色となっているようです。
下の図は、デンマーク気象研究所( DMI )にある、グリーンランド全域の 2015年の雪解けの進行と、平年の雪解け状況を比較したものです。
・DMI
2015年は真っ白ですが、これはまだ雪解けによっての融解物質が出ていないことを示していて、1990年からの記録の上では、もっとも遅い雪解けとなっていることがわかります。
世界の気候もいろいろですが、各地で、洪水や豪雨が増えてきていて、アメリカ、中国、トルコなどでは大きな被害が出ています。
日本も今は穏やかですが、この先はいろいろとあるのかもしれませんね。
2015年05月12日
アメリカの春の大雪:コロラド州で5月に観測史上の降雪記録が更新される
▲ 2015年05月11日の Not All Alleged Is Apparent より。
5月も中旬に近づいていますが、アメリカのコロラド州、ワイオミング州などでは、「冬を含めて、観測史上の記録を更新する積雪」があったようです。
下は、NOAA (アメリカ海洋大気庁)の 5月9日の積雪状況を示した図です。
2015年5月9日のアメリカの積雪状況
・NOAA
アメリカの州との位置を見てみますと、ワイオミング州、コロラド州、ユタ州、モンタナ州、カリフォルニア州などの一部で積雪があったようです。
しかも、単に「5月の雪」というだけではなく、コロラド州南部では、年間を通しての積雪量が更新されるという大雪となりました。
コロラド州南部のクレストン観測所によれば、これまでの最大積雪量は、2013年に記録した 7.6センチだったのが、今回、40センチの積雪となり、大幅に記録が更新されることになりました。
冒頭のサイトには、5月8日から5月10日までの「変化した光景」の写真が掲載されています。
日本では、今日あたり台風6号が通過することになっていて、その後、連続するかりのように台風7号も接近するかもしれないという、こちらはこちらで荒れた天候となっていますが、アメリカも別の意味でカオスが継続しているようです。
2015年05月06日
米国オレゴン州沿岸で海底火山が噴火。地震の回数も 8,000回を超える
▲ 2015年05月04日の ZME Science より。
アメリカの西海岸にあるオレゴン州とワシントン州の沖合で、海底火山が噴火しているようです。
その海底火山は、アキシャル火山、あるいはアキシャル海山( Axial Seamount )と呼ばれる海底火山で、オレゴンの海岸から約 480キロ沖合にあります。
アキシャル海底火山の場所
わりと頻繁に噴火する海底火山だそうで、現状では特に危険なことはないということですが、何だか陸も海も火山活動が活発な感じです。
ZMEサイエンスの記事からご紹介します。
Underwater volcano erupts off the coast of Oregon
ZME Science 2015.05.04
オレゴン州の沖合で海底火山が噴火
オレゴン州沿岸から約 480キロメートル沖合にある海中火山が、その眠りから目覚め、数多くの地震を誘発し、多くの溶岩を噴き出している。
そこには差し迫った危険はないとされるが、地質学者たちは、リアルタイムで海底火山の噴火を観測できることに興奮している。
地震は 8,000回を超える回数が観測されている。
今回の海底火山の噴火は、オレゴン州の沖の海底のに備え付けられた監視機器によって感知することに成功したものだ。
リアルタイムで海底火山の噴火を捉えたというのは前例のないことでもある。
▲ 噴火を感知した観測機器 OOI ( Ocean Observatories Initiative )。
今回、噴火しているのは、オレゴン州キャノンビーチから約 480キロメートルの西のファンデフカ海嶺に位置するアキシャル海山で、1970年にその山頂が感知された海底火山だ。
アキシャル海山は、衛星高度計によって 1980年代に調査されたが、現在、科学者たちは、高度な観測機器オーシャン・オブザーバトリーズ・イニシアティブ( OOI )により次のレベルに進んだ調査をおこなう準備を進めているところだった。
2015年04月30日
世界中で地震と火山噴火が一貫して増え続けている
▲ 2015年04月27日のコスタリカ・ニュースより。
地震と火山噴火は、「何となく増えているような気がする」ということは、どなたでも感じていると思うのですが、先日、コスタリカのメディアで、地震が、実際のデータとしても増えていることが報じられていました。
特に「大きな地震」が増えています。
世界全体では、マグニチュード6以上の地震に関して、
1980年から 1989年までの年間平均地震発生数は 108.5回
だったのに対して、
2000年から 2009年までの年間平均地震発生数は 160.9回
と、4割近くも増加しています。
特に、下の、「 M3 以上のアメリカ本土での地震の累積数」のグラフを見ますと、少なくとも、アメリカでは1年間で発生する地震の数が、年を追うごとに増えていることがわかります。
1970年から2014年まで → 地震の年間平均発生数は 21回
1990年から2014年まで → 地震の年間平均発生数は 31回
2008年から2014年まで → 地震の年間平均発生数は 151回
となりまして、2008年からの地震の数が「度を抜けて多い」ことが、はっきりします。
この傾向が今後も続くのかどうかはわかりませんが、ただ、地域によっても違うでしょうけれど、世界全体でいえば、地震は過去 100年で増え続けています。
・2014年の大地震の数は「平年の2倍以上」となっていた
2014年07月08日
という記事にありますように、昨年 2014年の世界の地震発生回数は、平均の「倍」だったことが報じられたことがあります。
そして、そこにいたるまでも少しずつ地震は増え続けていました。
特に規模の大きな地震は、この 100年間で一貫して増えているようです。
西暦1900年からのマグニチュード5〜5.9の地震の統計
・Modern Survival Blog
西暦1900年からのマグニチュード6〜6.9の地震の統計
コスタリカ・ニュースの記事では、火山噴火の増加についても述べられていますが、これもこの数年は増加の傾向があり、最近は特に、世界の火山活動の活発化が報じられることが多いです。
つい最近も、ペルーにあるウビナス山が噴火し、非常事態宣言が発令されています。
▲ 2015年04月28日のボリビアのメディア la Razon より。
火山噴火の増加は、長期間では気象や日照に影響しますし、さらに世界の火山噴火が増加しますと、日照不足や寒冷傾向など気候への影響も大きくなるかもしれません。
日本でも噴火は増えていますが、富士山や、あるいは北朝鮮の白頭山など、巨大火山が噴火した場合は直接的な被害もそれなりにあるはずで、さまざまな「変化」に結びつく可能性もあります。
2015年03月24日
オーストラリアで「広島型原爆の58億倍」の衝突のエネルギーがあった直径400kmの世界最大の小惑星クレーターが発見される
▲ これはアメリカ・アリゾナ州にある巨大クレーターです。直径1.2キロメートル。 今回、オーストラリアで発見されたものは、このクレーターの約 400倍の直径があります。pi.usra.edu より。
オーストラリア国立大学が「世界最大の隕石(あるいは小惑星)クレーターを発見した」というニュースリリースを発表しました。
▲ 2015年3月23日のオーストラリア国立大学 ニュースリリース より。
これは、衝突跡の直径が 400 キロメートルという、とてつもない巨大なクレーターです。
これまで見つかった中で、世界最大だった隕石クレーターは、南アフリカにあるフレデフォート・ドームというものでした。
フレデフォート・ドーム - Wikipedia
フレデフォート・ドームはヨハネスブルグの南西120kmの位置にある。隕石の衝突跡の直径は約190kmと世界最大。隕石の衝突跡は、中央のドーム(直径約50km)とそれを取り囲むリングからなる。
今から約20億2300万年前に直径10から12kmの小惑星が速度約20km/sで衝突し、フレデフォート・ドームが生成されたと考えられている。衝突時のエネルギーはTNT火薬に換算して87Tt(テラトン、広島型原爆が約15kt、即ち58億倍) にのぼる。
ということで、今回、オーストラリアで発見された 400キロメートルというクレーターの巨大さがどれほどのものかおわかりになるかと思います。
ちなみに、400キロメートルというのは、日本を例にとりますと、下のような範囲に及ぶような広さです。
オーストラリアで発見されたクレーターのサイズ
これが現代社会での出来事なら、壊滅的な出来事になってしまうことがわかります。国土面積が小さな国なら、その国すべてが一瞬にして全滅するほどのものでもあります。
そして、そのエネルギーもすごいです。これまで世界最大のクレーターだった南アフリカのフレデフォート・ドームの衝突時のエネルギーが、
広島型原爆の 58 億倍
単位が「億」倍です。
そのようにすさまじいものだったと予測されていますが、今回のオーストラリアのクレーターはその倍ほどの大きさを持つわけで、衝突時のエネルギーは予想できないほど、すさまじいものだったことが予想されます。
詳細は調査中ということのようですが、概要としては、
・クレーターの衝突跡の直径は 400 キロメートル
・2つの小惑星(ひとつの小惑星がふたつに割れたと考えられる)の衝突によってできている
・小惑星の大きさは 10 キロメートルを越えていた可能性がある
・衝突の年代は今のところわからないが3〜6億年の間と推測される
・ところが、その時期の「生物の絶滅事象」が見当たらない
・なので、衝突時期はさらに古いかもしれない
となるようです。
まあ、ここまでの天体事象は、数千万年〜数億年に一度程度しか起こりえないものではあるとはいえ、「現実にかつて起きていた」という事実を知らされることになりました。
2015年03月12日
ハワイ島に「暴風雪警報」発令中
2015年3月9日のハワイ島マウナケア観測所
・HAWAII NEWS NOW
下の天気予報はアメリカ海洋大気庁( NOAA )の天気予報で、日本時間の 3月12日から13日にかけてのハワイ州の予測をしています。そして、オレンジ色の部分は「暴風雪警報」となっています。
▲ 2015年3月11日のアメリカ海洋大気庁国立気象局ウェブサイトより。
以下は、3月9日から10日にかけてのハワイ島にあるマウナケアという火山の観測所周辺の写真ですが、北極圏あたりをイメージさせる風景ですが、ハワイです。
・HAWAII NEWS NOW
どれもハワイっぽくない光景ではありますが、今回の暴風雪警報は、マウナ・ケア火山の周辺の高所に限ったもので、決してハワイ島の全域が雪に包まれるというようなことではないです。それでも、ハワイで雪、しかも、「暴風雪」となると、なかなか珍しいことではあるようです。
ハワイ島では今年1月にも高所で氷点下を記録し、マウナ・ケアの山頂に降雪がありましたが、今回は暴風雪ということで、今後の積雪もかなり見込まれるようです。
常夏でもあり、雪も降るという多様なリゾート地となりつつあるハワイですが、さすがに平地に雪が降り始めるようなことがあったとしたら、それはもうかなりのこととなりますが、来年、あるいはその後はどうなっていくのでしょうかね。
2015年02月07日
急増する米国オクラホマの地震:M2.5以上の地震の数は5年前の20倍に
オクラホマ州での地震の回数の推移
・Oklahoma Geological Survey
アメリカのオクラホマ州で、昨年から群発地震がそれまでになす回数で起きていることについては、
・群発地震と巨大地震の関係は? : 米国オクラホマ州で「数百回規模」で続く群発地震
2014年04月14日
・アメリカ地質調査所がオクラホマ州に「被害レベルの地震発生に関しての警告」を公式声明で発表
2014年05月07日
など、何度か記事にしたことがあります。
2014年2月には、下のように、1週間で 200回を越える地震が起きたこともありました。
・In Deep
あまりにも続く群発地震に対して、人々からは「巨大地震につながるものでは」という声が出始めたりしまして、当時はメディアが、「群発地震が巨大地震につながるわけではない」といったことを報道したりもしたほどでした。
・NBC NEWS
そして、最近になり、2014年のオクラホマでの地震の回数についての集計が発表されまして、その結果、「 2014年のオクラホマでの地震の数は、過去と比べると、桁違いに多い」ということがわかりました。それは冒頭のグラフでもわかるかと思います。
▲ 2015年2月3日のワシントン・タイムズより。
オクラホマの地震の原因については、フラッキング(水圧破砕法)という、地下の岩に超高圧の水を注入して亀裂を生じさせることによってシェール・ガス等を採取する方法が原因だという見方がある一方で、それは関係ないという見方もありますし、結論は出ていません。
しかし、原因は何であれ、「脅威的なペースで地震が増えている」ということは事実のようです。
ワシントン・ポストの記事をご紹介します。
Oklahoma’s earthquake problem is getting worse
Washington Post 2014.02.03
オクラホマ州の地震の問題は悪化している
オクラホマの地震がさらに悪い状態となっている。
これに関して、オクラホマの地震活動の増加は、地下掘削作業の廃棄物の排出により引き起こされていると主張する訴訟が出されている。
オクラホマ州で起きた最も大きな地震は、2011年11月にオクラホマ・シティを揺らせたマグニチュード 5.6の地震だった。地下の掘削での廃棄物の排出体積が増えている中で、マグニチュード3以上の地震の数は増加している。
過去4年間での掘削の拡大と地震の増加は以下のようになる。
2011年
最大でマグニチュード5.6の地震が発生し、余震として、マグニチュード4.8の地震が発生した。この年、マグニチュード3以上の地震は 63回で、地震は主に、州の中央部で発生した。州中央部での廃棄物の排出は、この年、860万バレルだった。
2012年
掘削活動は、オクラホマ州北部で増大したが、マグニチュード3以上の大きな地震は、州の中央で発生し続けた。廃棄物の排出量は、12億バレルだった。
2013年
マグニチュード3以上の地震は、 106回に増加した。掘削の廃棄物の排出量は、15億バレルに達した。
2014年
この年、マグニチュード3以上の地震の数は 567回に達した。掘削の廃棄物の排出量のデータはまだ発表されていない。
2015年01月17日
トンガの海底火山「フンガ・ハーパイ」の噴火によって「新しい島」が形成されていることが判明
▲ 2015年1月17日の THE WATCHERS より。
今年元旦の In Deep の記事の、
・トンガの海底火山フンガ・ハーパイと、イタリアのエトナ島の大噴火で終えた2014年
2015年01月01日
では、昨年 12月にトンガ沖にある海底火山フンガ・トンガ=フンガ・ハーパイが噴火したことをご紹介ししました。
そして、最近になり、このフンガ・ハーパイの海域に「新しい島が出現している」ことが、トンガの土地・天然資源省の調査によって初めて確認されました。
冒頭の写真もそうですが、下などを見ましても、今はすでに「海底火山が噴火している」ということではなく、「小さな島の火山が噴火を起こしている」という状況になりつつあります。
相当の量の「大地」が海底から地質が隆起してきていることが写真でわかります。
▲ 2015年1月15日に、ニュージーランド大使館が撮影したフンガ・ハーパイの噴火の様子。
この島が出現した正確な場所ですが、まず、大きな地図でのフンガ・トンガ=フンガ・ハーパイの位置は、下のようになります。
・Google map
そして、さらに詳細に地図上で示しますと、下のようになります。
・トンガ土地・天然資源省( Lands, Survey and Natural Resources Ministry )
この海域には複数(確認されているだけで 36個)の海底火山がありますが、そのうちのふたつの海底火山にはさまれている海域に「新しい島」が作られているようです。
2015年1月15日の時点で、この島は幅約2キロメートルで、高さは 100メートルはあると計測されていて、現在も成長を続けているようです。
そして、多分、この大規模な海底火山活動と関係していると思われるのですが、現在、トンガの周囲の海域で「海水が赤くなる」という現象が相次いで報告されています。
トンガのハラ・ブナ( Hala Vuna )で撮影された赤く変色した海水
・Daily Mail
この海域の、予想以上に広い範囲で、非常に大きな地殻変動が進行しているのかもしれません。
日本でも西之島が拡大を止めないまま成長していて、昨年の暮れには、東京ドームの 50倍ほどにまで拡大しています。
世界中の海域で地質に変化が現れている可能性もあるのかもしれません。
2015年01月13日
バルダルブンガの溶岩流の量がアイスランドの過去200年間の火山噴火で最大に
▲ 2015年1月12日のワシントン・ポストより。
1783年のラキ火山の大噴火以来の溶岩流に達し
アイスランドの氷の底にあるバルダルブンガ火山の噴火が長引いていますが、噴火で噴出している溶岩量が、アイスランドの過去 200年間の火山噴火で最大の可能性があることが、アイスランド大学の地球研究所の調査で判明しました。
下の写真は、アイスランド大学の科学者たちが分析のために、溶岩を採取している作業の様子です。
・YouTube
これは、1783年に当時のアイスランドの全人口の 20パーセントを死亡させたラキ火山の噴火以来の溶岩流の量だとのことです。
ちなみに、このラキ火山の 1783年の噴火は、ラキ火山 - Wikipedia によりますと、下のような被害を出しています。
アイスランド国内への影響
この噴火は、アイスランドには壊滅的な被害をもたらした。噴火後の飢饉で21%の住民が死亡した。そして羊の約80%、牛の50%、馬の50%が、放出された800万トンものフッ素化合物により歯のフッ素症と骨のフッ素症が原因で死んだ。
ヨーロッパへの影響
空気中に1億2000万トンもの二酸化硫黄が放出された。この二酸化硫黄粒子は西ヨーロッパ全体に広がり、1783年から1784年の冬までの間に何千もの人が死んだ。
8月、9月にイギリスで中毒死した人は23,000人と推測されている。
さらに1784年の冬には寒波をもたらした。ハンプシャーのセルボーンに住むギルバート・ホワイトは、氷点下の気温が28日間続いたと記されている。
このような壊滅的な噴火以来の溶岩流を噴出しているというところからも、今回のバルダルブンガ火山の噴火が非常に強いものであることがうかがえます。
NASA は、2015年1月3日に地球観測衛星から撮影したバルダルブンガの溶岩流の写真を公開しています。
・NASA / Earth Observatory
冒頭の米国ワシントン・ポストの記事をご紹介しておきたいと思います。
Iceland lava field may now be the biggest in 200 years
ワシントン・ポスト 2015.01.12
アイスランドの現在の溶岩フィールドは、過去200年で最大であるかもしれない
現時点で、ニューヨーク州のマンハッタン島よりも面積の広い、ホルーラウン( Holuhraun )溶岩フィールドは、 NASA のアース・オブザーバトリー(地球観測所)によれば、アイスランドの火山の過去 200年で最大だという。
この溶岩の大部分は、昨年8月に噴火が始まったバルダルブンガ火山から噴出しているものだ。
過去6ヶ月の間に、この溶岩流は、1783年から 1784年にかけて、アイスランドの人口の約 20パーセントを一掃したラキ火山の噴火以来、最大の溶岩流となる。
その広さは、約 50平方キロメートルで、アイスランド大学の地球研究所によれば、溶岩フィールドの厚さは、東部で約9メートルあり、中央付近と西部では、約 12メートルあるという。
これらの溶岩流は、大量の二酸化硫黄を放出し続けているが、しかし、いくつかの観測では、噴火が沈静化に向かっていることも示唆しているという。
しかし、この噴火が今後すぐに停止するという状況ではなく、噴出が減少するとしても、それは徐々に減っていくということになるだろうと、 NASA の科学者たちは述べている。